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2012年08月14日(火) 『プロメテウス』『トータル・リコール』

『トータル・リコール』と『プロメテウス』見てきました。ネタバレ注意!

『トータル・リコール』はコリン目的でしたが、『プロメテウス』以上に(リドリー・スコットの)ブレードランナー風でした笑 アイデアにはなんら斬新さはなく、往年の傑作SF作品や人気作、思いつくだけでも、ブレードランナー、スターウォーズ、インセプション、リベリオン、攻殻機動隊、マイノリティ・リポートなどなどの要素をちょっとずつ持っている出来映えの良いSF作品。残念ながら萌えはありませんが、コリンは素敵。洗練されすぎていてガランとした印象を受けるSi-Fiではなく、混沌とした生活感のある近未来ものが好きな方には、世界観に浸るだけでもおすすめです。オリジナル版『トータルリコール』はSFとして出来が良かったという印象以外はほとんど忘れてしまいましたが、CMで流れているような「好きな記憶を買って、好きな自分になれるとしたらどうしますか?」的な話ではありません。そういう意味では、ちょっと肩透かしを食ったかな。その分、内容も無理に斬新さを狙っていなくてまとまりがいい感じ。可もなく不可もなく、プロフェッショナル集団の仕事。


正直、『プロメテウス』を見て『トータル・リコール』は吹き飛んじゃった。『プロメテウス』――SFの歴史に名を残す傑作、、、ではないけれど、確かに心に響くものを持っているSF映画でした。

この映画のThe best =マイケル・ファスベンダー。素晴らしい! 一にも二にもファスベンダーです。リドリー・スコットによるもうひとつの『エイリアン』と言っても過言ではありませんが、往年の名作『エイリアン』シリーズに敬意を払った上で、『プロメテウス』を単なるSFスリラーからもうひとつ上のランクに引き上げているのは、ファスベンダーのキャラと演技、そして彼が担っている哲学的命題に他なりません。ファスベンダーがスクリーンに映っている時のオーラは全然違う。ぞっとするほど美しくて神秘的だけれど、どこか空虚さを感じさせるアンドロイドのデイヴィッド。ヒロイン・エリザベスの素朴な人間性に対する、彼の非人間性というアンチテーゼこそが、彼女の魅力を際立たせていると言ってもいいくらいです。
ちょっと辛口になるなら、デイヴィッドのキャラはSFファンなら無視はできん、スタトレTNGシリーズのデイタそのものですね。人間っぽくなるためにあえて整合性を欠いた行動を取ったり、頭だけになっても気前よくしゃべるシーンなどは、どうしてもデイタが頭の隅でちらつきました。
ともかくも、これぞアンドロイドのあるべき姿です笑 リドリー・スコットは『ブレードランナー』でもルトガー・ハウアー演じる素敵なアンドロイドを世に送り出しているので、着想自体がスタトレだ、とは言いませんが、しかし『プロメテウス』のテーマそのものが、とてもスタトレ的でした。

ストーリーとしては人類は古代にやってきた宇宙人の子孫、という使い古されたテーマの踏襲です。宇宙人は自滅したとか、人類を破滅させる目的を持っているとか、それだけでは驚きも感動もないので、もうひとつ捻りというか独自のはっとするような、SF的解釈を盛り込んで欲しかったです。
この点は意見が別れるところですが、『プロメテウス』は哲学的な問いを観客に投げかけておきながら、自らは答えを出していません。もう少しデイヴィッドと他のキャラのやりとりを通して、人間性とは何か、魂は存在するのかといった神学的テーマをうまく展開して欲しかった気はします。せめて感動の域に達するまで(この映画を見終えて放心したぶん一人もいない)。とはいえ、人間はどこから来て、どこへ行くのか、魂はあるのかないのか、といった命題の答えをエイリアンと格闘中にサクッと出されてもこっちも困るので、種はばら撒いたけど、あとは自分で咲かせてくださいという放置プレイ的な感じ、私はなかなか心地よかったです。

繰り返しになりますが、この映画は一にも二にもデイヴィッド@ファスベンダー、そして、デイヴィッドとヒロインのエリザベスがほのめかす絶妙なケミストリーです。男女の関係性、それからピカードとデイタ、はたまたカークとスポックの関係を彷彿とさせる、種を超えた者同士の、いかにもSFらしいアンチノミック(二律背反的)な関係性がたまらない。

人間以上に思いやりや気遣いを見せながら、その実すべてはコンピューターの精密さで計算し尽くしているデイヴィッドの空虚さとインチキ臭さ(ファスベンダーの見事な抑えた演技!)、その信用おけない虚実入り混じった言動の中に、ほんの一瞬わずかに見え隠れする、人間に対するジェラシーや知的好奇心、あるいはその直後に、ストンと落とし穴に落ちるかのごとく露呈する無理解や無感動。これぞSFの醍醐味じゃ。
一方のエリザベスは、子どもを産めない自分の�狎己�学的欠陥�瓩魄媼韻擦困砲呂い蕕譴覆ぁ△發Δ気曚票磴�ない人間の女。人間によって作られたアンドロイドであるデイヴィッドが、神性を否定するのに対し、エリザベスは最後まで信仰心を捨てない。その理由を彼女は「あなたには魂がないが私にはあるから」だと言う。宇宙の果て、仲間は死に絶え、圧倒的な孤独の中で咽び泣く彼女の耳に届くデイヴィッドの声。彼はアンドロイドなのに、その�狄祐嵬��瓩法�彼女も観客もホッする。
そんな二人が最後には新たな旅に出るって? その胸躍る事実だけで十分です。

少し辛気臭くやりすぎだと感じたエンド・ロールのショパンの『雨だれ』がしっくり来るSF映画を目指すために、凄惨なエイリアンとの死闘をもう少しカットしていたとしても、個人的には文句を言いませんでしたが、それでは、リドリー・スコット映画とはいえません。続編で、彼がショパンの『雨だれ』とエイリアン討伐を見事に親和させるようなことが起これば、アンドロイドのデイヴィッドはアラビアのロレンスよりも有名な映画のキャラクターになるかもしれません。

シャリーズ・セロン? 彼女にとってはハズレ役だったかもしれません。ファスベンダーに完全に食われてます。キャラとしては好きですが、なんらヒロイックな点がありませんでした。父親に息子のように可愛がられるデイヴィッドへの嫉妬、蔑み、�爛▲鵐疋蹈ぅ匹里茲Δ豊疥笋燭だ舷箸僚�。もうひとつキャラクタとして、同情的に昇華させて欲しい気もしました(大好きな女優です)。

萌え? ホロウェイ/デイヴィッドならありかな? デイヴィッド受、もしくは生身のオトコマエを組み敷く怪力アンドロイド。いずれにせよ発展性がない笑 アンドロイドって、攻殻機動隊の素子とかもそうだけど、プラトニックだからいいんだよね。TNGのデータなんかも、(感受性が高く傷つきやすいために感情のないアンドロイドのデイタに憧れる)少年との友情の話などが泣けました。『プロメテウス』のおばさん&美しい男アンドロイドというペアはかな〜りツボです。でも、実はホロウェイに求められてセックスをしたことを、デイヴィッドはエリザベスには話さず二人で旅をする/人間の男と男型アンドロイドの行為がセックスと呼べるかわからないから(またもうひとつの哲学的命題)/エリザベスが傷つく(はずだ)からなんてficは面白いかもしれませんね。


近いうち、TDNRとアベンジャーズ見てきます。ナルニア借りてきました。もう一度メス豚、いや、ヤギ男を見たくて。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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