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2011年11月30日(水) Rome[Ep.5] The Ram has Touched the Wall(アティアの奸計) PART.2

PART1は前日に


大衆浴場でエラステスに近づくヴォレヌス。金貸しを紹介して欲しいと頼むが、エラステスには他の思惑がある。第十三軍団の首席百人隊長なら、ボディガードに最適だ、金は弾むと言われ、心境は複雑ながら申し出を受け入れるヴォレヌス。
だが、結局エラステスと共に取り立ての仕事に行くと、命じられたのは人殺しだった。葛藤の末、男を殺さず家に戻るヴォレヌス。プライドが高い彼には人の道に外れた行いは無理(軍隊で敵を殺しまくることは彼にとって信念に反することではない)。ここがプッロと彼の違うところ。

反対に、エラステスに人殺しを依頼されたが断ったと夫に聞かされ、家庭を切り盛りする現実的な妻は少し不満げ。天使のような心の持ち主ではない、生活に追われるあくまで庶民の美人妻、というニオベの描き方は完璧。
しかし稼ぎ口を見つけられず、いよいよ追い詰められる隊長だった。

愛人セルヴィーリアと自分の関係が巷で噂になっている…そのことで有力貴族の出身である妻に激怒され、カエサルはセルヴィーリアに別れを言い渡しに行く。カエサルとその愛人を揶揄する落書きを町中に描かせたのは、実は二人の関係を破綻させたがっていたアティアなのだけど、この落書きの演出などもとても面白いです。

カエサルはポンペイウス討伐のためギリシアへ向かう。「ヤター戦争だー!」と根っからの軍人アントニウスが喜んだのも束の間、カエサルに第十三軍団とともにローマに残れ、と命じられる。アントニウス、毎度何かしら底の浅さをチラつかせてくれるんですが、これがまたアントニウスファンにはたまらない笑


海岸を歩くポンペイウスが石に躓いたりしてるのを眺めているキケロとブルータス。史料によれば、キケロは最初、どちら側につくべきか判断がつかず、一人自分の邸宅に篭って時が熟すのを待っていたとのこと。ここで彼がブルータスに、自分の農園に行かないか(陣営を離れないか)と誘うのも、彼の心の迷いを描いているということだろう。自分の邸宅に篭っていた時、彼は友人であるカエサルと頻繁に手紙をやり取りしており、その内容も、弟の就職先の斡旋をカエサルに頼んだり、なかなか微笑ましい。

アントニウス/ヴォレヌスファンには見逃せないBest5に入る萌場面、ふたたび。
結局のところ、家族を養うためにヴォレヌスが選んだのは、アントニウス閣下にもう一度召し抱えてもらうという道。人間としては好きになれなくても、軍人としては、誰よりもアントニウスに親近感を覚えるヴォレヌスと、彼のその本性を最初から見破っていた閣下。最終的にヴォレヌスは、軍人としての矜持に縋りつくしかないところまで追いつめられ、アントニウスのために身も心も捧げることになるんだけども、それはまた後日のおはなし。

アントニウスの陣幕の外で見張りに立ってる兵士が口笛吹いてるのにイライラして、もう隊長じゃないのに思わず「止めろっ!」と一喝してしまうところ、最高です


さて、陣幕に通されるヴォレヌスだが、アントニウスは書簡に夢中になっているフリをして顔を上げる気配もない。じらしたいだけじらす閣下。ホントは、ポスカに「ヴォレヌスが来てますよ」と報告を受けた瞬間大喜びだったに違いないのに。いや、閣下のことだ、「やっと戻ってきたか、予想より時間がかかったな」くらい悠長に構えていた可能性も大いにあり。それにしても、何度見てもこの場面はいい……(^曲^;)
プライドの高いヴォレヌスにとって、一度差し出された条件を断っている以上、アントニウスに頭を下げて�爐�願い�瓩望紊�るのは辛い仕事。それでも家族を養わなくてはならない。閣下はそのことをよーくわかってる。わかった上で、お仕置きも兼ねて弄んでいる!前にも書いた通り、アントニウスは反抗的な相手を支配することに楽しみを見出す人なので、まさにこの瞬間を待ってました、というところでしょう。布石は自分で打っておいたしね。


アントニウス「(たっぷりじらしプレーを楽しんだ後で、書簡から顔も上げず)何の用だ?」
ヴォレヌス「先日のお話ですが、考え直しました……」
アントニウス「(まだ顔を上げず)何だったかなあ」
ヴォレヌス「先日仰った条件で、現隊復帰したく存じます」
アントニウス「(やっと顔を上げ)あー……おまえを現隊復帰させると言ったか?」
ヴォレヌス「……はい、仰いました」

どんな条件を出したかヴォレヌスに言わせる閣下。だがおまえは断っただろう、と閣下。いやらしいっどこまでもいやらしい(`曲´;)
アントニウス「普通おれは、同じ申し出を二度はしない。だがおまえは運がいいな。(ヴォレヌスに近づいてゆき)カエサル様は留守で、今はおれ一人(I am here alone)」

そっその「おれ一人」ってのは重要なポイントなんですかっ閣下っ

アントニウス「おまえを部隊長にして、九千セスティルティウス。この寛大さに報いるものは、いいか、ルキウス・ヴォレヌス、忠誠心だ。死をも顧みない」
ヴォレヌス「わかりました(unto death, sir)」

そしてこの萌場面です (つ`Д´;)つ

アントニウス閣下「おかえり」

ヴォレヌス(この人マジド変態)
(さっさと踵を返し)アントニウス閣下「以上だ!」


帰宅したヴォレヌス、すっかり落ち込んで妻に、「第一部隊長と九千セスティルティウス……暴君に身売りしたよ」
ニオベ(……みっ身売り…! まあでも、アントニウス閣下にあなたを奪われる方が、あのきつい臭いの熊男に奪われるよりはマシだわ……それに九千セスティルティウスってことは売春として少なくとも成立してるし♪)

第一部隊長ということは、軍団の中で軍団長に次ぐ位階です。これでアントニウス閣下は好きな時にヴォレヌスを呼びつけることができるわけだ。とーちゃん家族のために頑張ったなあ泣

ヴォレヌスは甲冑と兜を身に纏い、神殿に祈りに向かう。再び軍人になることへの葛藤を抱えたヴォレヌスのキャラクターは実に色っぽい。個人的にはこのエピソードで本格的に彼に惚れました。甲冑姿の彼を見る庶民たちの目が気になるのは、彼が心の奥で今の自分の姿を恥じているからか。
そして、アントニウスとヴォレヌスの濃厚なやつを見せつけられ、心身共に閣下に尽くすことを決意した彼のビハインド・ザ・シーンで、プッロが何をしているかと言えば。



プッロは間男とその妻(ニオベの妹)リュデの会話を立ち聞きし、ニオベの浮気の証拠を集めている。プライベートな時間に隊長のためにそこまでするプッロ。二人の有罪間違いなし、と確信する。
夜、彼はオクタヴィウスと共に間男を襲う。おそらく、またオクタヴィウスに相談に行き、二人で決行することになったんだろう。間男はニオベとの関係を否定し、プッロはそれを信じようとするが、オクタヴィウスは冷酷に「嘘だ」と言う。
プッロ「この人が嘘といえば、おれはそれを信じる。かしこい人でね。思いっきりな」
後半で大人になった時、オクタヴィウスは見事、当時のエピキュリアンらしく性倒錯者に変貌を遂げていますが、ここでもドSの本性を発揮します。
オクタヴィウス「おまえの人生は終わりだ。あとはどんなふうに死にたいかだ。嘘をつき続けるなら、拷問する。何時間も苦しみぬいて死ぬんだ。だが正直に話すなら、楽に殺してやる」



間男は命乞いをし、真実を話さない(いい加減名前を出してやろう。エウアンドロスです)。
オクタヴィウス「拷問しろ」
プッロ「……まったく、おっかない人だな。連れて来て心配してましたが…」
オクタヴィウス「さあ、やれ」
プッロ「今まで、拷問したことはありません。どうやるんです?」
オクタヴィウス「親指を切り落とせ」
プッロ「ああ、そりゃよさそうだ。いきましょう」

……どうですか、この一連の素敵な会話は。
プッロは最初は脅しのつもりだったのかもしれません。でもエウアンドロスが真実を告白し、おれの大事な隊長が戦場でいろいろ頑張ってる間にこの野郎許せん! と一気にブチ切れます。プッロはホント、隊長想いだなァ。そんなわけで、親指切り落としちゃう。一通り拷問すると、エウアンドロスは、ルキウスがニオベと自分の子供だと白状する。プッロ@隊長想いは激しい怒りに駆られ、男を殺す。
その頃ヴォレヌスは、寝ずの祈りを捧げている。


これが、プッロとオクタヴィウスの最初の冒険となる。二人はその後もいくつかの秘密を共有し、生涯に渡って友情を築くことになる。聡い少年と単純おばかな大男、大男は少年を無条件に尊敬している……というこの絶妙なコンビ。個人的には大人になってからもセックスまでは想像しないけど、Best5に入るペアです。

朝、何も知らないヴォレヌスは祈りを終え、神殿を後にする。


エピソードの最後はカエサルがポンペイウスを追う場面でしたが、この時点でまだポンペイウスはギリシアに渡っていないという設定でした。たぶん前回、すでにギリシアへ渡ったと書いてしまいましたね。

プッロの隊長愛、アントニウスの隊長への執着愛などてんこ盛りの美味しいエピソードでした。




コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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