昨日の夜、『ブラックダリア』を見てきました。映画としては悪くないんですが、当然ながら小説には遠く及びませんでした。エルロイの原作に散りばめられた、「出っ歯のバッキー」「ブランチャードの末路」「犯人の日記と、ベティの最後の言葉」「ケイとの手紙」「事件発生から解決までに流れる年月」などなど、『ブラック・ダリア』を名作に至らしめたひとつひとつの大事なディテールが削ぎ落とされて、映画向けのシンプルな話に作りかえられていました。キャスティングは、ジョシュ・ハートネットは想像してたよりよかったけど、やっぱり若すぎるし、ハンサムすぎるかな。ブランチャードはよかったです。ケイはもっと、それほどの美人じゃないけどスマートな女性のタイプ、少なくともスカーレット・ヨハンソンのようなセクシーなタイプじゃないな〜。ヒラリー・スワンクは女優として好きなんですが、マデリンとは違った……いやいや、皆それなりに似合っていたんですが、彼らの持ち味とBDのキャラクターのイメージがちゃんとシンクロできていなかったような気がしました。ベティとマデリンが似ている、というのは外見的なことだけではないと思うのですが、それにしてもふたりはもう少し似た女優をキャスティングするべきだったような気も。マデリンの母親の描き方も陳腐すぎました。ディテールといえば、後半で妹とバッキーが再会して話をするシーンも個人的にはとても好きでした。 でも、ベティの第一発見者の最初の「キャア!」から続く長回し、最終的にパトカーが遺体を取り囲むまでの描き方が、シュールだけど緊張感に満ちててよかったですね〜。これはネタバレになってしまうんですが、ラストでバッキーの脳裡に走るベティの遺体のフラッシュバックは、あまり必要なかった気がします。原作を読んだ方は(特に女性は)、誰もがエリザベス・ショートに対する深い感慨みたいなものを抱いたと思います。非力で愚かな小娘だったけど感情のあるひとりの人間だった、彼女の生前、そんなことを考えてくれた人は一人もいなかったわけですが。原作には一週間に渡った身の毛もよだつ拷問の残酷さと無慈悲さが書き込まれており、そのせいで人間としてのベティを知るにつれ彼女の死の虜になっていく主人公たちの行動について行くことが出来ました。まさにノワール。そこへもってくると映画は、最後のフラッシュバックのシーンまでベティを『商品』として扱っている感じが、反発したくなる要因でした。軽くて、安っぽい。 エルロイ原作の映画でも『LAコンフィデンシャル』は傑作でしたが、『ブラックダリア』は凡百な映画の中に埋もれていきそうな予感です。 ところで、二日前のCL戦を、やはりでかいTVの前でゆっくら見たい、ということで今日の放送まで待っていたバルサvsチェルシー戦、バルサTV枠内で見ることになったのは少し興ざめ(やっぱり自分はチェルシー贔屓だと判明)でしたが、面白かった! バックスやGKが心もとない、というのは余計な緊張感を強いられますよね。それはアタッカーが「彼じゃな……」と思わせられる期待値の低い場合よりも、はるかに観戦を楽しいものにしてくれます。エラーリオに対する応援にも力が入り……しかし昨日はブラルーズが素晴らしかったですね。調子が悪いロナウジーニョにことごとく勝っていました。彼のボールの奪取率を見てみたいものです。そしてやっぱりドログバ。私はロッベンが好きなんですが、ドリブルでサイドから切り込んでいってうまくいかなかった時に彼が見せる表情はたまりません。コリンのハの字眉じゃないけど、*負け犬顔*はいいなあ。そういう意味ではジェラードは抜群にイイ負け犬顔をします。結局ああいう顔が好きなのかもしんない。 それにしても私は、指輪の役者に始まり、コリン、ジャレッド、アンジャッシュの小嶋とか、柴田や川元文太とか、ジェラード、シャビ、フリンクス、クリちゃん、ガリー・ネヴィル、テリー……好きになる男に何の共通点もないじゃん! と考えてふてくさって小石を蹴飛ばしてみました(うそv)。 もちろん絶対手に入らない男という共通点はありますけどね! 彼らに共通点はなくても、好きにならないタイプはあるかも。私は単純女なので肉体的に魅力的じゃないと好きになれないのです。そして実は下品なのも駄目。クリちゃんは下品ぽいですけどね。 でもこうやって名前を眺めてみると、あんまりろくな男じゃないな、みんな……(笑)。正しい意味でまともなのは、シャビとデイヴィッドくらいじゃないかな。そもそも役者や芸人やスポーツ選手がまともなわけないか。 リバプールはボルドーに勝ちましたね。CL情報をシャットアウトしていたので、試合を観るまでジェラードが帯同もせず、ということを知らずがっくり。でも勝った事だし、次のマンU戦で頑張って貰いたいです。小僧も頑張っていたし、粕谷のヒューピア叩きもなかったし(クラウチ叩きはあったが……)、試合は退屈でしたがまずまずといったところ。それに味気ないバルサTVと違い、比較的ちゃんとプレ&ポスト・ゲームシーンを見せてくれましたね。 同じ試合をチェルシーTVはチェルシーTVで見せてくれるんですよね。そっちが楽しみです。 ブレーメン戦が見れるのはまだ先のようです。今日はもう随分書いてしまいましたが、『ゴール』と『レアル・ザ・ムービー』を見たのですよ。『ゴール』はベタなたいして見るべきところのないシナリオでしたが、選手のカメオ出演が面白かった〜。チェルスキやリバプール戦で偽者にまじってちゃんと本物の選手が出てるのは、あれはどういうトリックなんでしょうか? トゥーンがUEFA杯出場を賭けて戦う最終戦がリバプールで、ジェラードが苦しめられてるのが愉快すぎました。ランパードとかもしっかり出てましたしね〜。あとはシアラー、ベックス、ジダン、ラウルなどが台詞入りで登場と、ほんと面白かったです。三部作と聞いてましたが、2作目はレアルに入団するってのがまた大胆じゃないですか。プロフィールをチェックしたら、なぜか台詞もないしエンドロールにクレジットもされてなかったジェラードの紹介がありました。意味不明。吹替えをサッカー好きの芸人や元J選手があててるのも面白かった。ラウル役のワッキー微妙にうまかった(笑)。 『レアル〜』の方は期待以下。ドラマ部分がしょぼすぎます……特に日本パートは、だめだ……見るに耐えられず。アメリカパートもしょぼかったけど、このへんはセネガルやスペインと比べて、サッカー文化が根付いていないことを露呈してしまってましたね。ドラマ部分はもっとドキュメンタリータッチに作ってよかった。スペインは虚実が交錯していて面白かったし、セネガルは役者や土地が持つナチュラルさが自然に出ていて、それがドキュメントそのものになっていてよかったです。この『自然体』『ナチュラルさ』こそが日本に現存してないものですからね〜。 フロントが選手やチームのことを相談してるシーンや、座席の割り当て表とにらめっこしてるシーンは珍しくて面白かったです。でもレアルマドリーのドキュメント部分もいまいちだったな。 ただし! 後半のクラシコ戦の撮影&編集はアートの領域でした。こういうのを見たかったんだって感じです。 そんなこんなで今日はこのへんで。
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