今日は「ミュンヘン」と「ジャーヘッド」という中東絡みの映画の二本立てでした。帰ってきたのは深夜3時くらいでしたが、土曜の夜ともあってどちらも混んでいました。 「ミュンヘン」ですが、最近不調な膀胱具合に負けて後半の30分は集中力を欠いてしまいました。「ミュンヘン」は質実硬派な雰囲気で、犯罪、サスペンス映画としては上等。スピルバーグのロシア系ユダヤ移民としての意地を見せられた感じです。テーマはそれこそホメロスの時代からすでに語り尽くされてしまっている感があるので、それをいかに、納得のいくエピソードを盛り込んで観客の実感に結びつけるかだったと思うのですが、よくまとまってはいたけれど、心が動かされるほどのものはありませんでした。果たして現実において、「黒い九月」を暗殺したモサドの諜報員(映画では違うことになっていますが)に、ああいう苦悩、葛藤があったかというと疑わしい。あの事件よりもずっと以前から、世界中の諜報部というのは血生臭いことを繰り返しまくっているはずで、主人公の非情になり切れなさに、「罪と罰」を読んだ直後という影響もあり少し物足りなさを感じました。 この映画でスピルバーグは、「反イスラエル的」だと批判されたそうですが、確かに映画全体の主張を絞り込むと、反シオニズム的ですよね。主人公はやや西欧寄りのイスラエル人で、やはりそこはユダヤ系アメリカ人のスピルバーグの考えがかなり反映されたキャラだったと思います。スピルバーグは反イスラエル的だったのではなく、単にイスラエル人の気持ちがわからないだけなのではないでしょうか。 パレスチナ人らしきアリという人物と主人公が階段で語るシーンで、襟兄さんが「そんなにエルサレムが、イスラエルが、欲しいか?」と純粋な問いかけをして、それに対するこたえは「国がない奴にはわからない」だったと思いますが、この問いかけは、世界中の傍観者たちが思っていることだと思うんですよね。映画の中では主人公の母親も非常に頑ななシオニストでしたが、実際のイスラエル人は、どうなんだろうか。 暗殺者たちがみんなで食事をするシーンや、雰囲気や空気感がたまらなかったです。写実主義というか、終始、淡々としていたところが素敵でした。 そんでもってアヴナー/アリにかなり萌えてしまいました。ふたりの一夜のやりとりと、銃撃戦。ふたりは裏と表、鏡の中の自分なんですよね。アヴナー/ルイもぐぐっときちゃいましたねー。襟兄さんは素敵だった〜っ。最初のセックスシーンで、カッコいいなあとしみじみ。ああでも肝心のラスト、私はほんとおしっこのことしか考えてなかったからなあ。もう一度観たいと思います。 そしてそして「ジャーヘッド」。うーん正直イマイチ! 原作の過激さと比べると全然でしたし、これは評価してもよい点ではあるのですが、言わなさすぎという気がしました。これが日本映画だったら、全部語ってるんだろうな。それとも先に小説を読んでここはああだこうだ、主人公のこの時の気持ちはこうだと知りすぎているから、そう感じただけなんだろうか。サム・メンデスは「ビューティフル・ライフ」もあんまり好きじゃなかったので、好みもあるかも。冒頭のラッパのくだりとかは爆笑でしたけどね。 原作では「強姦ごっこ」は実際ヤッてるんですよね。アナルセックスをして「こんなことは日常なんだ」とのたまうスオッフ。他にも、男と寝たなんて告白をさらっと言ってしまっている箇所もあり、女に対する態度はもっと悪辣だったり、やっぱりジェイクは素敵だったけど、原作の主人公像とは少し違ったと思います。 DVDが出た頃に見直したら、また違いかもしれません。 先日、ついに「ブラック・ダリア」のトレイラーが流れました。そのトレイラーを見た限り、すばらしい! ブラックダリアにブライアン・デ・パルマ! 完璧! 一度デイヴィッド・フィンチャーで映画化と言われてましたけど、やっぱりデ・パルマ監督でよかったと思う。キャストが完璧ですしねー。楽しみです。 「ブロークバック・マウンテン」は3/19から公開なんですね。スペイン旅行前に見て行けてよかった。でも、確実にハマりそうなので、スペイン旅行1週間遅らせちゃおうかな。22まで三回くらいしか見れないや。 ロード・オブ・ウォーのSSをまだ書けてませんが、ミュンヘンも書きたいです。
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