前から噂があったアレキサンダーのディレクターズ・カットですが、STONE CUTS GAY REFERENCES FOR ALEXANDER DVDというとても残念な記事が出てきました。なんでも、オリバー・ストーン監督は米国(特に保守的な南部)において、ホモセクシュアリティが大不評だったことを受けて、劇場版(175分)よりも8分短い167分の同性愛的要素を省いたバージョンをディレクターズ・カット版として発売するそうです。この中では、アレキサンダーとヘパイスティオンの関係は単なる友情にとどまり、尚悪いことには、裸のロザリオ・ドーソン(ロクサネ)の別アングルのショットが見られるので、彼女のファンは期待してくれとのことです。 今の段階ではまだ噂に過ぎないので、これが事実かどうかわかりませんが、もし本当だとしたら、また世界はブッシュの支持基盤にしてやられるのかって感じですね。この記事においては監督は「南部の人々は、マスコミが“アレキサンダーはゲイ”というフレーズを使ったことで、レビューすら見なかった(勿論映画も)」と言ったとされています。 私が一番カチンときたのは、二人のシーンを友情に留めているという点よりも、その後に続く「ロクサネのヌードの追加シーンがあるよ」という記述です。カチンときたのは、ロクサネが嫌いだからでも、あのラブシーンが嫌いだからでも、ましてやスラッシャーとしてロクサネに嫉妬しているからでもありません。これが事実にせよそうでないにせよ、この記者がどんな情報を選別し、どんな思惑があったにせよ、あまりに低俗だからです。 アレキサンダーとヘパイスティオンの関係は、劇場版でも魅力的でしたが、私はそれでも、監督が改めてアレキサンダー像というものを考え直し、「より良いもの」にするために、やっぱり二人は友情に留めておくだけでもよかったんだ、という結論に辿り着いたのなら、それはそれでいいと思います。本当に良いものになっているなら、私にはそのディレクターズ・カット版を受け入れるゆとりはあります。けれど、この記事のロクサネの記述を見る限り、そういう感じはしない〜。どうせ理解のなかった米国人向けなんだから制作資金を回収する手を打とう、ということで、欧州やその他の地域のために、別のディレクターズ・カット版を作ってくれるならいざしらず。 でも理由はどうあれ、このディレクターズ・カット版もディカプリオ版同様、私としては期待したいところです。 昨日は、札幌では最終日だったナショナル・トレジャーを見てきました。今更何を言い出すのか! と怒られそうですが、かなり萌えてきました。そしてこれを大声で言うのは憚られますが、面白かった! 無駄を省いた冒頭の導入シーンで、クリストファー・パルマー演じるおじいちゃんが語る昔話が、ちょっと唐突なんですが、魅力的な映像でぐいぐい惹きつけてくれました。古代エジプトの財宝を強奪するローマ軍の兵士、中世のテンプル騎士団、18世紀のアメリカ独立戦争と、トロイ、アレキサンダー、キング・アーサー、M&Cなどのおさらいのごとく(実際は前後何百年と時代は違えども)、次々と繰り出される映像に、これはスラッシャーへのサービスか! と身悶えてしまいました。ひとつの映画の中でこれだけ違う時代の映像を見ることが出来るのは稀ですよね。それぞれけっこう凝ってました。この映像に続く、かわいい子役が騎士の叙任を受けるシーンでもう大分はまったな、と思いました。この子どもがニコラス・ケイジになるのか〜と思っていたら、期待に沿うように次のシーンでニコの映像が重なるし! ジャスティン・バーサは想像してたよりマヌケなキャラだったんですが、この二人を見てるとヴァンヘルシングとカールを思い出しました。しかし萌える! ベンとライリー! ヴァンヘルシングとカールには萌えられなかったのですが、このふたりはいいですね。 ナショナル・トレジャーの今更なレビューです。 ディズニーなだけにアメリカ人の家族が見る分には教育的で良心的な映画といえそうです。現代に甦る古代の宝探しというストーリーラインに、独立宣言書の争奪戦と絡めることで受け入れやすいテーマにもっていっています。独立という言葉に込められた自由と愛国心を、イギリス人であるイアン達から守る、取り返す展開や、エンドロールにて「人間は皆平等であり…」という宣言書の名文が流れる演出は、米国の観客にとっては痛快だったのではないでしょうか。 米国人には歴史観が欠如していると感じることがありますが、それは現代の強いアメリカに比して、その歴史があまりに浅いゆえに(実際にはネイティブ・アメリカンが築いた長い歴史がありますが)、自国の歴史に興味を持つ人々が限定されてくるからではないでしょうか。映画としても、アメリカに限定された財宝では規模が小さすぎる。それを、古代エジプト(ローマ帝国)、中世のヨーロッパと、彼らの源流を遡り連綿と続く西洋史(その財宝)を我が物にしてしまうことで、「世界の秘宝」探しという大きな話に釣り上げています。 でもこれは政治的なことは抜きに、アドベンチャーとして充分楽しめる映画です(とはいえレビューを見ると、政治的に物申す人は多いようです)。ジャスティン・バーサのコミック・リリーフにずいずい引っ張っていって貰えればそれで満足という感じでした。独立宣言書の裏に暗号が、という発想なども、とてもダビンチ・コードっぽいとはいえ、あんまり真面目になりすぎると失笑を買うデタラメの数々も、ちょっとした発想やジョークや軽妙な展開でまんまとごまかされてしまいました。たとえばベンがみやげ物屋で、盗んだ本物の独立宣言書とレプリカを間違われて35ドル払わされるシーン、面白いですね〜。作業服のようなジャンプスーツの下からタキシード姿が現われて、鏡を見て「悪くない」と答えるシーンも、何か面白かったです。 トリニティ教会の地下で大きな震動に見舞われて、「地下鉄だ」というシーンなど、都会の真ん中で古代にタイムスリップしたようにアドベンチャーを繰り広げるのも、アメコミのようでいい感じです。本当に、アメコミで読みたい! そしてライリーの台詞がいちいち面白いです。「泣いてるの?」「階段」も面白かったけど、個人的にはアナグラム解読の時に言うめちゃくちゃな単語の数々(しかもそれをほとんど聞いてないベン)がツボでした。a very golfとか最高です! 日本語吹き替え版で聞くとまた良さそうです。 ラストで莫大な財宝を発見するのも、子どもに受けそうです。カエサルが焼き払ってしまったアレクサンドリア図書館の書物が発見される、というのはどきっとしました。きっとこの中には、アレクサンドロスの手紙とかヘパイスティオンの日記(笑)、現存していないプトレマイオスの回顧録とかがあったかと! 夢に見ていることが映画とはいえ再現されました。 ショーンもカッコいいワル役で素敵でした。この映画、誰一人憎めないですね。想像していた以上に沢山出番がありました。ラストでとうとう捕まる直前の、「あ〜あ、クソ、やっちまった」という表情がいいですよね。頭のよさも性根の悪さもツキのなさもすべて、「そこそこ」って感じがかわいかったです。 ハーベイ・カイテルも渋くてよかったです。最後のオチの有無を言わせぬ感じがまた。 ラストの方の「無駄だったんだ! 宝なんかなかったんだ!」と挫けそうになるシーンでのあまりの説得力のなさに、この台詞を吐くニコラス・ケイジに同情してしまうほどでしたが(どことなく演技が投げやりだ)、難題にぶつかった時のベンの閃きと勘の鋭さに「ありかよ!」と突っ込むよりも、このまま勢いをとめてくれるな、と思う方が強かったです。この映画はその勢いとテンポの良さを楽しめるなら元が取れる作品ですよね。とかいいつつ、私は貰った劇場鑑賞券で見ました(笑)。 久しぶりに映画館に行って見て、やっぱり映画鑑賞は面白いと思いました。アビエイターが見られなかったことがとっても残念! コンスタンチンは終わる前に必ず見ようと思います。原作のジョン・コンスタンチンファンであり、キアヌに萌えたことがない私が、キアヌ@コンスタンチンの総受にはまれるか!? 楽しみです〜。
|