きゃーーーーーーーー! っと一発叫ばせてください。 今私は、冬の間、行けずにいた自動車学校へまた行っており、 今月末には免許取りたいなんて思いつつ、休み時間にでも読もうかと とあるアレクサンダー/ヘファイスティオン&アレクサンダー/バゴアス スラッシュを読んだのですが、 好きだーーーーー! このフィク! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! てな感じ! あまりに萌えてしまって、この作者に対して 花束贈りたい気分です。この爽快な敗北感はなんだ! ことの起こりはこうです。どうしてもアレクサンダーで萌えてる 腐女子の作品など見たい、と思いライブジャーナルをぶらついて おりました。そうすると、今の気分にピタリなところを数点発掘 出来ました。 エピックスラッシュフォーラムとか、ヒストリカルスラッシュとか、 エンシェントスラッシュなどは、素晴らしいですよ! ようするに、 歴史に基づいたスラッシュのフォーラムです。カプを見るだけで 面白かったんですが、たとえばモーツアルト/サリエリとか、 サー・ガウェイン/緑の騎士(やっぱ後者が受けか)、 アーネスト・ヘミングウェイとスコット・フィッツジェラルド、 他にもショパンとかシーザーとかオスカー・ワイルドとかマルキド・サド などあるみたいですが、私が無知なのでわからないカプ多数です。 そのうちヒトラー/ヒムラーとか出てくるんじゃないか…。 本人たちには申し訳ありませんが、これも有名税ということで。 とはいえ、無論今一番ホットなのはトロイでした。しかし、まだ 公開もされてないアレクサンダー/ヘファイスティオンもかなり 出回っててびっくりしました。もっとバリエーションが増えるといい んですが。 そして、実は昨日の日記に書いたアレクサンダーとヘパイスティオンと バゴアスの三角関係は、大王ファンご公認のラブ☆トライアングル なのだということを知りました。私はまだバゴアスのことをよく知らず におりますが、バゴアスはファンが沢山いるようです。 考えてみれば、腐女子をひきつける要素は満載な人です。洗練された エキゾチックなペルシアの王の寵愛を受けていた(ことになっている) 美貌の宦官。それが今はその征服者アレクサンダーの愛人。知的で、 語学も堪能。となれば、バゴアス単体でファンがいておかしく ありません。 この三人のこれでもかというくらいに魅力的に、かつ これ絶対事実! というくらいそれらしく書いた短編フィクが、 <こちらイライジャ印のサイトをご覧あれ。 彼女は私にとって第二のエステラかもしれん…。バゴアスがいい、 アレクサンダーがいい、デモ何よりヘファイスティオンがいい! というわけで、このフィクのレビューです。ほとんど訳してしまう かも。三人については、これまでの私の日記を参考にしてください。 AとHやBについて、ギリシアやペルシアについて色々とまとめてます ので、拙文ですが未読の方にはぜひお読みいただきたく。 バックグラウンドを理解していれば一層萌えます。 物語はバゴアスがアレクサンダー大王のテントで本を読んでいる ところから始まります。 ***シナプス*** 大王はペルシアの先王を殺害した謀反者を追って陣営を離れている。 バゴアスはペルシア人の宦官で、現在は征服者アレクサンダー大王の 寵愛を受けている身分。彼はもっとギリシア語のニュアンスを理解 できればと本を読みながら、ヘファイスティオンの ことを何気なく考る。ワインが入っているせいもあり、 嫉妬で落ち着かなくなる。 いまや彼が心から愛するようになってしまった征服者アレクサンダーの 幼馴染にして、愛人のヘファイスティオン。 すると、テントに誰かが入ってくる。それはヘパイスティオンだった。 バゴアスは悪さをして捕まったような居心地悪さに見舞われ、 全身を堅くするも、ギリシアの騎兵隊長の方は普段通り穏やかだ。 「私は彼からこれを読む許可をいただいています」とバゴアスが 言うと、ヘファエスティオンはさらっと笑って、「そのことで議論 するつもちはない。私も、彼の本を読みに来たんだ」とこたえる。 ヘファイスティオンは自分もワインをやりながら、バゴアスの 正面(おそらくは)に椅子を置き、本を読み始める。 二人がアレクサンダーを交えずともに過ごすことなど、滅多にないことだ。 優雅な振舞いを身につけている宮廷人バゴアスにとって、マケドニア貴族 の息子といえど、ヘパイスティオンの動作は大雑把に思える。 バゴアスは本を読むふりをしながら、慎重に、睫毛の下から彼を観察する。 けれど、彼は「慎重」といえるほど慎重ではなかったと言える。 なぜならヘファイスティオンをちらりと見ると、彼はじっとバゴアス を見つめていた。睨んでいるのではないが、凝視だった。 もうこの時点で、私は彼女が書くヘファイスティオンにおちました。 バゴアスは平静を装ってイリアスに集中を戻す。アキレスとパトロクロス。 バゴアスがひとり居心地悪そうに悶々としていると、ヘファイスティオン が言う。 ヘパイスティオン「何か問題か?」 バゴアス「いいえ」 ヘパイスティオン「私が邪魔か?」 そう訊ねる彼は確かに気を遣ってくれている。 バゴアスは本を閉じ、唇を嘗めると訊ねる。 「トロイアで…あなたとイスカンダール(=大王。どうやらペルシア読みだと こうなるらしい)は……本当に衣服をお脱ぎになり、裸でアキレスの墓 の周りを走り回ったのですか」 知られてる…! 知られてるぞ! 大王! あんたの過去恥部! するとヘファイスティオンは口を開けて笑い、 「そなたは常にペルシアの淑女のような物言いを」 「そんなつもりは…ただ、私は事実を知りたいと…」とバゴアス。 「ああ、それは本当だ。彼らをそのように敬うことには大きな意義が あった」とヘファエスティオンはバゴアスの言葉を遮って言い、本を 閉じてまずは背伸びをし、そして長い足を伸ばした。「(質問が)私の番かな」 バゴアスは無言で、しかし優雅にてのひらを返し、彼を促す。 このひとつひとつの動作が、二人の性格とその違いを物語ってて さ、最高。 しかし、その態度にヘファイスティオンは目が据わ る……この宦官は、彼にしてみればいつも少し不敵で、冷静すぎる。 彼は顔を上げ、盛大な溜息とともに言った。 ヘファイスティオン「なぜ、お前は私を憎む? 私はお前に何もしていない。 結局のところ、彼の臥所はお前のものだ」 このヘファイスティオンの台詞に、撃沈。 不意を打たれたバゴアスは、開き直ることしか出来ない。 バゴアス「憎み……たくはない」 ヘファイスティオンは微笑んだが、唇の端に苦いものが浮かんでいる。 「……少なくとも、お前は正直だ」 バゴアスは訊ねる。「なぜ、あなたはそんなことを私に?」 ヘファイスティオン「かねから興味があった。私たちは二人とも、 彼と強く結びついている。これからの毎日を、お互いの存在を身近に 感じながら生きることになろう……私としては、もっと親しくなりたい と思う。少なくとも、敵同士ではなく」 敵同士、という言葉にバゴアスは背筋に冷たいものを感じ(彼は結局は 奴隷である)、 バゴアス「ヘファイスティオン様、私はあなたの敵ではありません。 もし私が貴方に不快な思いをさせたというなら…」 これに対し、ヘファイスティオンは身を乗り出し、眼をきらりと 輝かせて言う。 「そんなことはないが、しかし、否定は出来ないな……」 かぶりを振り、 「お前と彼が一緒にいる時、いつでも心穏やかということはない…」 ヘファイスティオンはそう言ってしまってから、言いすぎたと後悔する。 彼は乗り出した上体をもとの位置に戻し、本の開いた面を胸に押しあて、 彼らしい愛情深い表情に戻る。 「お前にとっては、うまくいったな。そうだろう?」 そう言って、ワインを飲む。 バゴアスは、彼のこの言い様に腹を立てる。ワインのせいもあり、 ぎすぎすした言い方をしてしまう。 バゴアス「うまくいったとは? どういう意味です?」 ヘファイスティオンは肩を竦め、不器用にカップをテーブルに 置きながら、 「つまり、ダレイオスからアレクサンダーのもとへ転がり込んだ。 悪い人生ではないな」 するとバゴアス、なじるように「私のことなど知りもしないくせに」 ここで、バゴアスの過去の話が挿入されます。バゴアスは 12歳の時に家族を殺され、王のものになった。それから毎晩のように 黄金と共に男たちのもとに送られ、政治の道具にされた、ということ ですが、これは作者の創作なのではと思います。当時の宦官は自分から チン切りしてるんですよね。 「中には行為の最中に暴力を振るった者もおり、そうした太守のことを 今でも殺したいと思う」 というようなことを言うバゴアス。 ヘファイスティオンは同情し、謝罪します。 ヘファイスティオン「恐らく、私たちはお前のために出来ること があるだろう。アレクサンダーにその男の名前と、今どこにいるかを 言うがいい」 するとバゴアスは激しく拒絶し、「お願いだから、大王にそのことは 言わないでくれ。知られたくない」という。 ヘファイスティオンは納得するものの、 ヘファイスティオン「だが、彼に知られたくないようなことを、 なぜお前は私に話した?」 すると バゴアス「きっと、もっと親しくなりたかったからでしょう」 ヘファイスティオン「おやおや。恐らく本当の理由はワインのせい だと思うが、だが私もお前のその言い分の方が好きだ」 二人は涙が出るまで笑う。 私としては、ここからが強烈に萌えでした。 ひとしきり笑い合うと。バゴアスは本を大王のベッドの枕の下 に戻そうとします(逸話として、大王は枕元にイリアスを置いて いたという話が知られています)。 ところが、飲みすぎたバゴアスはどうも足元が覚束ない。 ヘファイスティオンは立ち上がり、「テントまで送ろう」 バゴアス「いいえ、必要ありません」 ヘファイスティオン「いや、そうする必要がある」 バゴアス「なぜ?」 すると、 ヘファイスティオン「もしお前に何かあったら、そのことを私が 事前に察知していたと知ったら、アレクサンダーは、私を生かして おかないだろうからな。彼は、お前を心から愛している」 きゃーーーーっ ………どてっ(急死)。 まさかヘファイスティオンにこんな発言をさせるフィクを読めるとは。 ヘファイスティオンとクラテロスが刃傷沙汰を起こしかけたとき、 「今度やったら二人とも死罪だ」とアレクサンダーは警告したと言いますが、 もーたまりませぬ。このメリハリのきいた関係。 萌えは更に続く。 バゴアスは訊ね返す。 「彼が?」 ヘファイスティオン「ああ、勿論。彼はいつだってお前のことばかり 私に話す」 バゴアスの心を感動がいっぱいにするも、しかし名状し難い捻くれた 痛みも走る……なぜなら、彼といる時、アレクサンダーは ヘファイスティオンのことをまったくと言っていいほど話さない。 作者にストーカーのごとく花束を贈りたいー。アレクサンダーにとって、 ヘファイスティオンという存在は、あまりに大切すぎて、あるいは 自分の半身のような存在になっていて、今更誰かに話すまでもないのですね。 もー大王かっこよすぎ! けろっとしてるヘファイスティオンも、 罪深すぎ。 「……行きましょう、もう遅い」とバゴアスは静かに囁く。 ヘファイスティオンはバゴアスの腰に腕を回し、親しい友人同士の ように、バゴアスの腕を彼の肩にかけさせる。 バゴアスのテントに到着すると、ベッドに寝かせ、膝をついて 宦官の靴を脱がせる。 彼が顔を上げると、バゴアスは胸に疼きのようなものを感じる。 それが何かは、彼にはわからない。 「ありがとうございます。貴方はとても親切だ」とバゴアス。 ヘファイスティオンは一瞬だけ戸惑いの表情を見せ、頷く。 彼の戸惑いが、バゴアスにはなぜか嬉しい。 ヘファイスティオンはバゴアスに水を渡し、素っ気無く「自分で脱げるか」と訊ねる。 バゴアス「ええ、もちろん」 ヘファイスティオンは、「アレクサンダーには秘密は漏らさない。 私たちふたりの、彼への愛に誓って」と言い残すと、 テントを去る。 うう…してきすぎる、このはなし。ですが、この話をパーフェクトに してるのは、このオチの部分です。 アレクサンダー大王は二日後、陣営に戻ってくる。そして彼が 眼にしたものの前で立ち止まる。 彼のテントの中で、ヘファイスティオンとバゴアスが額を突き合わせ 一冊の本を読んでおり、バゴアスが朗読している。 二人は大王を見上げ、微笑む。 「ご無事でなにより」とヘファイスティオンが言う時、バゴアスは 立ち上がり、アレクサンダーの傍に急ぐ。 アレクサンダーはヘファイスティオンに一つ頷く。だが、バゴアスが 彼のブローチを外し外套を脱がし始めると、「今はいい」と制する。 バゴアスは困惑し、慎み深く後退しようとしたが、腰をアレクサンダー の腕に絡め取られ、ぐいっと引き寄せられ、阻止される。 これは奇妙な光景といえた。アレクサンダーは慎重な方だったので、 バゴアスといえど人前で愛情を示す抱擁をすることなど滅多になかった。 とりわけ、ヘファイスティオンの前では。 片腕をバゴアスの腰に回したまま、アレクサンダーはもう片方の手で ワインを取り、それを薄めずにぐいっと煽る。それからカップをテーブル に戻し、ヘファイスティオンに訊ねる。 「良い本か?」 ヘファイスティオンはこたえる。 「イリアスの読書を手伝っていたのです。ギリシアの昔話は ちょっとした挑戦ですが、彼は健闘していますよ」 アレクサンダーは眉を潜めて、バゴアスに言う。「気が向かないのでは ないか?」 バゴアスは意気込んでこたえる。 「いいえ、ちっとも、我が王イスカンダール!ヘースティオン(ヘファイスティオン) は自分の時間を費やして、私を助けてくれているのです」 アレクサンダーはバゴアスとヘファイスティオンを交互に見比べ、 眼を細める。彼はカップを再び手に取り、中身を撒いて捨てる。 彼の顔に浮かんだ笑みは、心からの笑みというよりは、どちらかというと 顰め面に近い、厳しいものだったが、数秒の間に掻き消えた。 彼は言った。 「それはよい。お前たちがより親しくなってくれることに越したことはない」 ご馳走さまでした。最後のアレクサンダーの仕草、言葉の選び方、 バゴアスとヘファイスティオンそれぞれに対する違った態度……完璧 です。バゴアスの態度と、彼への労わりに対して、ヘファイスティオンには 素っ気無く挨拶するだけのアレクサンダー。 最後のアレクサンダーの嫉妬。 「ヘファイスティオン、まさかお前、王の愛人を寝取る気じゃないだろうな」 なんて内心笑いながら、実はバゴアスとの関係にちっとも嫉妬しなければ、 そのバゴアスと簡単に親しくなってしまったヘファイスティオンへの 恨めしい気持ち。 やっぱり大王はヘファイスティオンには敵いません。どんなにわがまま を言おうと横暴に振舞おうと、ヘファイスティオンが相手では勝敗は 決しているのです! バゴアスは宦官なので、容赦なく女性的に描けるところが 楽しいですね。それに対して、ヘファイスティオンはマケドニアの男であり、 騎兵隊の隊長であるから、バゴアスと比べてずっと男前なとこも いたく萌えであります。作者の掲示板でも、「ヘファイスティオン、 こんなに逞しいかな」という話になってましたが、むしろこの方が 素敵だと思われます。バゴアスに対し攻なヘファイスティオンという のが、たまりませぬ。 バゴアスの存在で、アレクサンダーが一気に攻めっぽく感じられて きました。しかし、ヘファイスティオンとはリバでもよいですね。 ああ〜好きだ……このフィク好きだ。フィードバックもたくさん 書き込まれているようですが作者は「A/H/Bは今後も書くつもり」と 言ってますので、楽しみすぎて拉致りそうです。私としては、 H/Bに嫉妬するアレクサンダーをもっと見たい。もちろん、バゴアスの 方にはいつも敗北感が漂っていて欲しくも。とはいえ、ヘファイスティオン が一番複雑な気持ちでいる、というのを、さりげなーーく醸し出して くれたら最高です。 映画見る前に、カプ傾向が決定しそうな勢いです。 映画は映画で楽しめばいいか!
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