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2004年05月15日(土) アレクサンダーその2 トロイに関しても

今日、パッションとトロイという紀元前(かろうじて)ものを
二本立てで見に行きますよ〜。久しぶりに映画が見れて嬉しい!
月曜日あたり、王の帰還とコールドマウンテンでも。札幌では
王の帰還はまだまだ上映するみたいです。

あんまり期待してなかったトロイなんですが、実は一昨日あたり、
自分でアレクサンダー萌えについて書いていたら、とんでもない
アレクサンダーブームに一人で飲み込まれてしまい、前の日記で
は阿刀田 力という謎の人物だった、実際は阿刀田 高の
「獅子王アレクサンドロス」を、あの辞書並に厚い文庫本を、
紹介しときながら1/3しか読んでませんでしたが、これを
一気に読んでしまったのです。

よかったーーーーーーーーーーーーーーーーっ。たぶん、史家の
方が読むと苦笑してしまうような捏造も多いのでは、と推測できる
内容ではありますが、その後プトレマイオスなどがどうなったか
などは、じーんときて涙が。実際のアレクサンドロスが、こんなに
神秘的で魅力的だったかはともかく、少なくともこの本を読めば、
アレクサンドロスの虜だ。ヘパイスティオンは最後まで爽やかだった。
控えめな萌えが伏在してます。作者の、この時代のギリシア
の同性愛に対する尻込みした態度が残念ながら、最後の最後には、
大王とヘパイスティオンの関係を認めておりました。でも、今まで
読み続けてきた人は、腐女子でないかぎり、最後に突然「二人は
愛人だった」と言われて驚いたでしょう。「アレクサンドロスは
断じて同性愛者ではなかった」という作中の表現も、確かに当時の
ギリシアと現代とでは男色の定義が違ったとはいえ、公然の事実
となっている「大王は男が好きだった」、というものを否定するのは
ちょっと読み苦しくもありました。
ネタバレです↓


軍事、戦略に長けたアレクサンドロスの戦闘ぶり、外交手腕などひとつ
ひとつも読み応え充分ですが、何より面白いのは濃密な人間関係かと
思います。阿刀田アレクサンドロスは、お話の原点にミエザの学舎を据え、
アリストテレスのもとで学んだアレクサンドロスの仲間たちに
主眼を置いています。この中には生涯の朋友/愛人、彼の半身
ともいえるヘパイスティオンも含まれていますが、
他にクレイトス、プトレマイオスなど、アレクサンドロスの
大遠征に欠かせなかった将軍たちも含まれており、彼らは「王を囲んで
食事をする仲間という意味の」ホモイロイロヘタイロイという
兵士仲間として有名です。オリバー・ストーン版映画では、映画紹介
として彼らの関係をband of brothersと表現していてハァハァです。


映画の詳しいことはこちら

読み終わってから、それぞれの役を誰がやるのかキャストを見ましたが、
オリバー最高! アンソニー・ホプキンス@プトレマイオス、
ゲイリー・ステッチ@クレイトス! ピタリだーー! クラテロス
もびたんこ。クラテロス/ヘパイスティオンとか読みたいぜー。

この映画はアレクサンダー受に見えなくもないですね。
たぶんボロミア受ファンの人は(笑)大喜びな大王受けじゃないかな。
バズ・ラーマンがレオナルド・熊ディカプリオ主演で同じアレクサンダー
映画を作ろうとしてて話題になってますが、ディカプリンという時点で
私はいけません。彼が嫌いなのではなく、コリンがベストキャスティング
だから。大王は金髪、無髭の美丈夫だったそうですが、そもそも兵士仲間
に囲まれてモテモテ君なので、それをレオナルド・ディカプリオが
演じてしまうのは、そのまますぎてどうか。子どものような純粋と
凶暴さ(笑)を併せ持つ風雲児コリンにこそ、相応しい役です。
実際、アレクサンダーは狂ってますからね。彼が残した神がかり的な
エピソードの数々が、逆に考えると狂ってなきゃ出来ないことです。

アレクサンダーは大好きですが、太陽のように人々の愛を一身に集める
男は受にしたくないという心理が働きます。むしろそういう奴には、
思い通りにいかない愛に地団駄を踏んでほしいというのが、ひねくれた
私の趣味です。でも、オリバー・ストーンの大王は悲劇の男としての
側面を掘り下げるみたいですね。勝手な予測ですが、公開されてる
スチールや、レビューから推測するに、すべてを手に入れた男ながら、
最後はヘパイスティオンに先立たれ、虚しさの中で孤独に死んだ、という
展開にしそうです。彼は有能で野心家だった父王フィリッポス
二世と、父子、男同士ゆえの確執を抱えており、アレクサンダーの
神々しさを恐れた父は母オリュンピアスと離縁して、王子から王位継承権
を奪おうとしたり(その素振りを見せたり)するわけです。一方、
狂信的な母オリュンピアスは、自分の子が神の子だと信じて疑わず、
暗殺などの謀略を廻らし、王子の尻を引っぱたいてガンガン上り詰めらせて
いくわけです。父と母の関係は冷め切るどころか憎しみあっていて、
そういう環境で育った王子の孤独と屈折にも、映画では主眼が置かれる
のではないでしょうか。事実、アレクサンダーの女色への無関心、
男色への傾倒は母親の影響があったんじゃないでしょうか。

ここにヘパイスティオンがどう関わってくるのか。阿刀田版のヘパイスティオン
は魅力的です〜。周囲に爽やかな印象を与える、少年のような眼差しの
男で、人格も優れていて人望も厚かった、という描写があります。
半分は作者の創作でしょうが、彼はアレクサンダーの出来ないことを
自分がやる、汚いことは全部自分が、と言って、大王すら知らぬところで
謀略、揉み消し、暗殺、逆賊の粛清などを取り仕切った人物とされてます。
ヘタイロイ(兵士仲間)の間でも嫉妬はつきものですが、王の寵愛を
受けるヘパイスティオンを、恐れていた者は多かったようです。けれど、
そこで彼もつけ上がらないし、王も理性の人で、控えめな地位を与えて
いた(一応は参謀)のが萌え。作中では、嫉妬などから刃傷沙汰に
なりそうだったヘパイスティオンとクラテロスに、「次は二人とも死刑だぞ」
と王自らが公平に告げたり、こんなあたりがいいです。ついでに、
アレクサンドロスは(世継ぎを授かる為)愛妾や王妃を侍らせますが、
正室となるペルシアの姫との結婚において歴史に名だたる盛大な
合同結婚式を仲間たちに強制した彼は(笑)、ヘパイスティオンには
自分の妻の妹を与え、二人の息子がホモにいとこ同士に
なるようにしたそうです。

歴史上では時々見られることですが、これは二人が、自分たちの
子どもが欲しかったから
という見方もあるそうです。←むしろ支持。

話は戻りますが、そうして自分のためにならどんな泥もかぶる
ヘパイスティオンに、王が「ヘパイスティオンは恐い」と笑って言う
シーンなどがあって萌えですだー。
ヘパイスティオンが死んだ時の王の錯乱振りは凄まじかったらしく、これが
映画でどう描かれるかが楽しみです。まあ4人くらいは側近を殺してくれないと。
それからのアレクサンドロスは、いかにも死に急ぐ風だったそうです。
ヘパイスティオンの死の直後、自殺までしようとした、という話だから
当然といえるかも。



そして、話は最初に書いたトロイに戻る。トロイに関しては顛末しか
知りませんでしたが、ホメロスのイリアスのことがアレクサンダーの
中によく登場します。中でも、アレクサンダーは自分がアキレウスの
生まれ変わりだと信じていたようで、アキレウスのことは阿刀田版に
も頻出。その中で、アキレウスと親友パトロクロスに、自分と
ヘパイスティオンを重ねてハァハァしていた喜んでたという
ことが書いてました。それでへー、パトロクロスね、それは誰が
演じるんだろう。エリック・バナなのかな、なんて気侭にあたりを
つけてキャストを見たら、いない! 彼はトロイア戦争ではもう
死んでしまってるんでしょうか。
その謎を解明すべく、ホメロスのイリアス&オデュッセイアを105円で
古本屋から買ってきました。映画を見てから読もうと思います。

アキレウスはパトロクロスが死んだのをうけて哀しみ打ちひしがれ、
「こんな思いをするなら、私が先に死ぬんだった」と言ったそう
ですが、この二人もラブリーな関係にあったんでしょうか。

http://www.alexander-the-great.co.uk/production_pics.htm
ここにピクチャーが。金髪コリンが美しい〜。隻眼のフィリッポス二世
やヘパイスティオン(長髪)、ジョナサンなどもこっそりおります。
待ち遠しくて仕方ない。

本を買ったといえば、M&C関連の本(と勝手に私が名づけているだけ)も
買ってきましたが、多すぎて読めんずら。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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