(原作既読者のための)失望回避ガイド もう多くの方がレヴューを上げているので、参考になるかどうか わかりませんが、前回のTTTの時と同じく、具体的なネタバレをなるべく 避けながら、「見てがっかり」という目に遭わないためのガイド なりにつくってみました。 前回を参考にするなら、フロドがシェロブと戦うシーンが映画 TTTに含まれなかったことに関しては、 初級…フロドはまだ、キリス・ウンゴルのことを知らない 中級…シェロブの登場は、RotKに持ち越し と書きました。 まずはトレーラー/DVD収録予告にあって上映版にないシーン ------------------------------------- DVDの予告編は全部は覚えていないのですが、 ・トレイラーにあった、エオメルの号泣シーンはカット (たしかに、あれは上映版を見終わったらどこに入ってた んだろうというシーンかも)。 ・DVDにて、アラゴルンが ”He has gone unchallenged long enough” と言ってましたが、あのシーンはカット ・DVDにて、ピピンを飛影の背に乗せたガンダルフが ナズグルと対峙するシーンがありましたが、カット ------------------------------------- 失望回避ガイド・初級篇 RotKは必要最低限のシーンを劇場版のために残し、あとはSEEで、という姿勢が 前の二作より明確に現れています。TTTとFotRの場合は、SEEは 最終バージョンということではなく、ロング・バージョンのひとつだった という気がしましたが、RotKの場合は、劇場版はあえて未完成とし、 SEEを最終バージョンとして送り出すことを前提に作られているのでは、と 思いました。 だから一番いいのは、SEEを見るまでは8割くらいの満足度で とどめておこうと最初から考えておくことだと思います。これはこれ、と 最初から思っていれば、余念に邪魔されることなく見れると思います。 それを前提に、最小限留意しておいた方がいいかもと思ったことです↓ ・アイゼンガルドに関しては、TTTにて決着がついたものとされている ・新しい登場人物は極少。想像の通り(意外性はない)。 ・アラゴルンにとっての、執政家とミナス・ティリスへの感慨は ほとんど描かれていない ・ペレンノール野の負傷者たちの回復シーンはない ・基本的に、平時に至ってからミナスティリスで行われることは最重要シーン 以外はカットされている ・別れのシーンはほぼカットされ、残されたのは最後のひとつだけ ・ホビット庄は美しいまま 以降はスラッシャーのための失望回避ガイドです ・アラボロはない ・ベレファラはもちろんない ・サルガンはない 失望回避ガイド・中級篇 こちらは上に書いたことをやや具体的に。 ・アイゼンガルドでは、グリマもサルマンも登場せず ・新しい登場人物はデネソールとデアゴルのみ。頻出の兵士などはいますが。 ・アラゴルンが執政家の二人と関わるシーンは皆無なうえ、原作にあるような 「私はまだミナスティリスに踏み込めない」といったようなシーンはない ・王がファラミアやエオウィン、メリーを癒すシーンはない ・戴冠式のみ。 ・旅の仲間の離散のシーンはない ・ホビット庄の制圧のシーンはない 他にもそれぞれにあることと思いますが私はこのあたりが 気になりました。ただし、鑑賞を邪魔するほどのものは なかったかな。ドキドキして待っていたことの いくつかがスポイルされた瞬間も、展開を追うことで精一杯で 後で思い出して「あれ見たかったなあ」と思うくらいでした。 そして、ここからは飛行機の中で書いた感想です〜。 おおいにネタバレあり spoiler spoiler spoiler spoiler spoiler RotKレビュー・全体 結局LAでは二度しか鑑賞できませんでしたが、二度の観賞を経て、 2年ほど前からではありますがこの映画に夢中になってよかったと 思いました。エンディングロールで、登場人物たちの素描が出てきた 時には、その一人一人に思い入れを抱き、愛情を抱いてきたこと自体 が、幸せなことだったなと実感しました。 これはレビューということで、どうしてもなかったこと、見たかった ことに言及しがちですが、かといってそれが私の気持ちのすべてでは ありません。まずなにより、RotKに関してだけは他の二作と違い、 劇場版は未完成版だと思っているので(それだけSEEを信じているので) 今は8割くらいの満足度で十分だと思っています。これはおそらく、 劇場版を見たら皆さん誰もが思うのではないでしょうか。 登場人物があれだけいる中で、あのようにまとめることが出来た というのは本当に凄いことですね。 戦闘シーンは物凄いの一言に尽きます。容赦なく残酷に、野蛮さが働き かける感情的な昂ぶりを、うまく登場人物たちへの愛情に向かわせて いたように思いました。戦闘に関しては、PJの専売特許でしたね。 TTTの時もそうでしたが、中世の戦い方を熟知しているというのが 要所要所から伝わってくると同時に、子供特有の 残酷な発想に近いものを見た気がしましたよ。 カタパルトで死者の頭部を投げ入れる場面ですが、昔の 戦いでは敵の死体(士気を削ぐ目的で)や腐った家畜の屍骸 (伝染病によって敵の戦力を疲弊させる目的で)を投げ込んだり したんですよね。PJは知識に裏付けられたそのリアルさに ファンタジーならではの戦闘法を足して、それによって一層リアルに見せて くれた気がします。映像の一つ一つが、よくぞここまで 細部を想像できたと思わせるものばかりで、凄い発想を持ってる 人たちっていうのはいるものですね。 狼煙(light becon)によってローハンに助けを求めるシーン などは、がんがん胸に迫ってきます。 ミナス・ティリスもあのような形で見せてもらえるとは! これがファラミアやボロミアやデネソールの都かと思うと 感慨深く。サントラでは、私は「ミナスティリス」が今の ところ頭ひとつぬきんでて好きです。 ところで、ゴンドールの近衛兵ですが! ぐはっ… あの甲冑のデザインかっこよすぎ……。想像より 4割増かっこいいですよーー白の木の周りにいるのを遠目に 見ただけですけど、皆怖いほど背が高くて、一見して 威圧感がありますね。あのうちの一人がベレゴンドだと 思うと〜っ! あんな背の高い威厳のある近衛のひとりが、 あんな人のいいファラミアばかだと思うと〜っ! 小さい 人のピピンと並んだ姿を見てみたい……ハァハァ。 そして実際は、そんなベレゴンドがデネソールに刃を向けた のだと思うと……映画のファラミアの百合くささ とあいまって、なんて素敵なカプなんだろうと思わずには いられません……。 あえて不満を上げるなら、指輪を捨てた後から続くラストまでが、 少し急ぎすぎてましたね。登場人物の動機付けはかろうじて残る 形で編集されていたところはさすがだと思ったけど、情緒の部分で 犠牲になっているところが多かった気がします。たとえば、 ラストのホビット庄に帰ってくるシーンでは、見え始める 故郷を前にしたホビットたちの表情を入れるべきだったし、 灰色港では、エルフの舟をもっとちゃんと映し、せめて帆が 張られる姿くらい見せるべきでした。もちろんPJはそんなことは 百も承知のはずですが、これは明らかに時間的制限によってカット されていたかと思います。 たぶん、多くのシーンをカットしたことは正解だったと思います。 もし本筋と関係のないシーンを追加していたら、全体の比率が かわってきて、ワンシーンごとに更に「薄まって」しまっただろう と思います。いい加減に描かれるくらいなら、さっぱりカットされ、 SEEに流れてくれた方がいいのですが、だからこそ、残された シーンはじっくり描き、「カットが足りない」と感じさせる ようなことにはなって欲しくなかった、という気持ちもあります。 ホビット庄に帰ってからのシーンはちょいと、説明が足りなさ過ぎた かと。特に、フロドがホビット庄に戻っても完全な安息を見出せ ずにいるという部分は、描写が甘かった。風見が丘で刺された 傷が、完全には癒えないでいる…とさらっと言うだけでは 足りないですよね。 カットされたといえば、本当に数々のシーンがカットされて ましたね。ファラミアに関してはエオウィンとのシーンは全部 カットされてたし、ピピンと彼が会話をするシーンもなくなって ました。 アラゴルンファンとしては、彼は行動を選択することで精一杯で、 執政家、ミナス・ティリスへの思い入れなどがまったく スポイルされてしまったことは仕方ないとはいえ、 がっかりでもありました。カットの顕著な例のひとつは、 セオデンが死んだことに誰一人言及せずにラストまで突撃する ところ。アラゴルンはもちろん、エオメルでさえ言及しない のは、終わってから振り返ると、少し不自然な気がしないでも なかったです。 それをいうなら、最後に笑顔で王の戴冠式を見守っている ファラミアと、アラゴルンの間に一言の会話もないのも あれ? という感じですよね。 ざっとした感想はこんな感じですが、日本語で見るとまた違って くるのかも。 ちなみに、デネソールのファラミアへの台詞、 「熱い、お前はもうすでにこんなに熱い」という台詞は いやらしすぎます。 ボロミアはピピンが「この身で償います」と言うシーン にしか出てこなかったですね〜。クレジットで別格扱いだからいいか(笑)。 RotKで、私はエオメルに惚れ直したんですが、皆さんはどうでしょう。 特にギャムリングと陣営で飯を食いながら、「(メリーを)鼓舞しすぎるな」と エオウィンに言うシーンなんか、脳筋っぽくてよかったなあ(涎)。 彼はあのシーンと、死者の道の説明のシーンくらいしか話してませんでしたが。 エオウィンは本当によかったわけですが、セオデンとの別れのシーンで、 「私が助けます」というのに対して、セオデンが「いや、そなたはもう私 を助けてくれた」という、そして原作通り「そなたの顔が見える」 というのもすごく胸に迫りました。 今回は、爺対決はサルガンではなく、ガンデネでしたね。ぶん殴った 後ですっきりした顔で「戦に備えよ」というガンダルフがいっとう好きです。 こうしているとだらだらと明後日まで書いてそうなので、明日日本語 で見てからまた、キャラ別に書こうと思います。
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