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2003年03月10日(月) マートン/デイヴのしんみりフィク

最近ほんとにあんまり映画ニュースがないのですが、
以前から、PJがTVシリーズで「ホビット」を作らないか
という話が出ていて、イアン・マッケランは、かなり
ガンダルフ役に乗り気なんだそうです。
もしもこんな夢のようなことが実現したら、
スランドゥイルを映像で拝めるだけでなく、もしか
すると友情出演で、レゴラス@オーリィ
なんてのもありえるかもしれないですよね。
ただ、PJがホビットをやるというのも未定ですし、
以前PJはすぐにはホビットはやらない、と公言して
ましたね。


あまたのフィクを読んできた私ですが、涙が出るフィク
というものに出会える機会はそうはありません。
それがRPSで、マートン/デイヴなどというひねくれた
カプで見つけられるとは思いませんでした。

海賊王子はまだ返事がないのでその間にリテイクを。
そして、フェネコール様は今夜こそ。そして明日には。
その前に、このフィクのことでもと。

Past Imperfect

「完璧じゃない過去」というタイトルがうってつけの
内容です。長編と呼べるほど長く、カプ的に珍しいので
あまり読まれてないのではと思うのですが、彼女の語彙力と
ウィットに富んだ表現力は、独学で英語をやっている人間には
かなり難しいといえそうです。実際私にはわからないスラング
などがたくさんありました。
私にとっての外国の男、そのホモの印象はこのくらいビターで
ドライで、ダーティなため、「んなわけないだろ!」という
ツッコミを、彼女は一切させてくれませんでした。
いや、展開として運命の再会が現実にあるかという
のはあるんですけど。

ちなみに、マートンの名前は、ハンガリアンなので発音と
してはTchockussがが正しいとのこと。チョッカスですかね。
それで、この物語の中ではクレイグが彼を同じニュージーランダー
のよしみでチョッキーと呼びます。

内容は、18歳の誕生日に郊外居住者であるバージンなデイヴは、
童貞を捨てたくて当時ゲイスポットだったシドニーの
オックスフォード・ストリートへ出向いて、男と出会い、
プライドも肉体も傷つける向こう見ずなセックスを
して、それが長い間ビターな思い出として彼を苦しめ、
纏いつき、人生観をも変えたのだが、LotRの撮影でマートン
と会った時、これがあの時の相手だったと気がつき葛藤する
というもの。

一見平凡に思える内容ですが、この作者の
役者たちへのバイオ、フィルモグラフィを念頭においた
理解と、過去の舞台であるシドニーの知識、彼らが青春を
送った80年代への思い入れ、はては人生観までもが物語りの
底辺を成していて、とてもリアリティ溢れる、想像しえる
RPSとなっているんです。

デイヴが「きっと俺のことはTVかなにかで
見たんじゃないか」といって、マートンが
「ダイバー・ダン!(デイヴの過去にヒットした役名)」
と言ったり、デイヴの出身地マリックヴィルのことや、
彼の卒業した演劇学校、マートンの出身地のことなども
全部事実に沿ってます。クレイグはゲイだ、という記述も
恐らく知っていて書いたんだと思います。
そのうえで、あのデイヴのおとなしい感じ、どこか諦めた
感じがすごくよく表現されてるし、マートンのことは私は
あんまり知らないんだけど、イメージを損なうどころか
たまらなく魅力的に。

デイヴを一目見て、マートンは「前に会わなかったか」
と言い続けます。「また話を蒸し返して悪いんだが、
本当に前に会わなかったか」
と遠慮したりもせず堂々と言います。
彼が実は心から、あの時一夜を共にしただけの
デイヴに恋していたんだというのが伝わってくるんですよ〜。

誰しもにクソみたいな思い出があって、それと向き合えず
自分をごまかすことはあっても、結局のところ、
事実は変わらないんだ、というデイヴの諦観。
向こう見ずで愚かでシャイだった18歳、初めて会った
嘘つきな相手との、童貞を失うにはきつすぎる
ラフで惨めなセックス。あの時は認めたくなくて、
自分は選ばれた特別な存在だと思ったけど、今ならわかる。
俺があの男に拾われたのは格別美しく、格別魅力的で、
格別なんとかだったからじゃなく、ただ若くておいしそう
だったから。当時、シドニーのOXF.stじゃ、足が二本生えてて、
玉の前のところに竿さえついてりゃ、拾わるオッズは
一億:1だった……。
そのうえ彼らの青春時代だった80年代はエイズが囁かれつつ
まだ誰もコンドームがあるかないかを気にしない時代で、
あの時ゴムさえなしでやってしまって、当時の友人は
あの夜が原因で死んだ。気持ちの整理がついてから一度、
デイヴは墓参りをした、というような描写。うう〜ん、
ビターですね。そして彼が大人になり、冷静に過去を受け
とめられるようになり、悪い思い出も数ヶ月に一度し
か思い出さないようになった時、マートンとの再会。

いつまでも素知らぬふりを続けつつも、次第にマートンに
惹かれていくデイヴの葛藤がかまりません。マートンに
とってあの時の彼は運命の相手だったと判明していっても、
デイヴは頑なに心を閉ざして、「これは正方形の板を
丸い穴にはめ込もうとするようなもんだ。マートンが
正方形の板で、俺が丸い穴。どんなに突っ込んだって
しっくりはまるわけがない」などと思い続けます。

人気のない公園でブランコに乗って話すマートン。
当時デイヴは素性を隠すためにトムと名乗っていて、
あの頃の歌のリリックを懐かしく口ずさみながら、あの
夜男同士なのにスローナンバーに合わせてふたりで
踊ったと話し、惨めなセックスのことにばかりに囚われて
いたデイヴの胸を締め付けるのです。

私が泣き入ったのは、失ってはじめて恋に落ちたことに
気がつき、毎晩あの場所へ通い、オーストラリアを離れた後も、
シドニーに来る時は必ず今や洗練されたOxf.stに立ち寄って
懐かしい思い出に浸るというマートンの、色褪せない
不動の思い出に対して、デイヴは自分にとっては
人生は皮を剥くようなもんだというあたり。18歳、19歳と
皮を剥いていって、しばらくして過去は彼の中でまんじり
変わっていく、と話すんですよ。

そして、自分は22歳になるまで女の子に対してもヴァージン
だったといい、男相手は18の誕生日。9月21だった、
と告白し、マートンは「クソ、お前がトムだったんだ」
と気がつきます。

復縁話にまでなだれ込むかなと思った(かなり期待してた)
んですけど、もっと印象深いしんみりとしたシーンで終わりました。
でも、もう引き返せないって感じで、たぶんあの後エッチしたん
だろう(笑)。
あの夜のラフなセックスがデイヴを傷つけていたということを
知るマートンなんかがとても萌えで。
デイヴ「あの夜お前は三回もいったよな。一回は俺の手の中、
二回目は俺の口、三回目は…つまり、俺の中で」
マートン「若かったんだよ……それにサカッてたんだ」


ともかくも、この作者はドムficを主に書いてるようです。
前に読んだストレートなデイヴをマートンが調教するような
話もよかったなあ。なんで私、マートン/デイヴになんてはまって
るんだろうか……。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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