独り言

2003年02月03日(月) SEEDドリーム小説(苦笑)


先程までの騒動は、沙羅が力を解放するのと同時に収まり、辺りには静寂が訪れた。
誰一人、口をきかない。いや、きけない。
目の前でついさっき起こった事が信じられないのと、何より、変わってしまった沙羅に、戸惑いを隠せない。
何を喋ればいいのか。皆、頭の中の整理がつかないでいた。
疑問は、同じはずでも。

どう、なっているのだろう?
彼女の姿は。確かに先程までは自分達の知っている『サラ=ミナヅキ』であったのに。
今ここにいる彼女は彼女ではなく。
まるで別人のような色を晒している。
青銀の髪に、サファイアの瞳。
黒髪と黒曜石の瞳の女性は、一体どこに行ってしまったのか。

そんな皆の戸惑いを見て取った沙羅が口を開いた。

「ヒトとして、貴方達とお別れしたかったのに。
 ダメね。最後の最後までアクシデントが起きて、結局バレてしまった。
 本当に、今回の私はついていないわ」

軽い口調でおどけたように肩を竦め。
けれどもサファイアには悲しみが揺れている。

「人じゃないって……。何言ってるのさ、沙羅?
 確かに。確かにさっきの君の力は不思議な物だったし、色だって変わってるけれど。
 それでもどこからどう見たって、君は人間だろう?
 それ以外の生き物には見えないよ!」

キラが沙羅の発言を否定しようと必死で言い募る。

「ん。ありがとう、キラ。
 ―――そうね。確かに私は人間に見えるわよね。
 実際、姿と心は人間のままだから。これだけは絶対にそうだと自分でも信じてるから。
 けどね? けれど、やっぱり違うのよ」

否定を、やはり否定で返して。
沙羅が淋しげに笑った。

「だって、人は『永遠』を持ってはいないでしょう?」
「永…遠………?」

言葉の意味が一瞬わからなかったのか、キラ共々アスランが口の中で転がす。



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「待ってくれ! 僕は君がっ」

言いかけたアスランの唇に、沙羅がそっと人差し指をあてた。

「ダメよ、アスラン。それ以上言ってはダメ。
 思わず連れて行きたくなってしまうから。残りたくなってしまうから。
 でもそれは貴方のためにはならないの。
 可愛いアスラン。綺麗な貴方。大好きよ。
 だから、ここで幸せになって? 私など忘れて、幸せになって」

「忘れろ…だって? どうやって?
 ここに君は存在しているのに。僕の中にも!
 なのに、どうやって忘れろと!?
 幸せに? ならば、君がっっ」

添えられた手を外し、言い募る。
アスランの怒ったような表情に、反しての切ない叫びに。
思わず頷きたくなってしまう弱い心を、愛しさを殺して、ただ首を横に振る。
聞き分けない子供を諭すように言葉を紡ぐ。

「大丈夫。忘れられるわ。人は忘却の生き物だから。
 今すぐは無理でも、きっと消えてなくなる。
 幸せだって………。
 貴方の幸せは、一つだけじゃないでしょう?
 かけがえのない親友がいて、信頼できる仲間がいて、大切な少女がいて。
 これから先、新しい恋も見つかるでしょう。
 私がいない事が貴方の不幸ではない。
 そして、私がいる事だけが貴方の幸せではない」

「けれど君がいなくなるという事は、僕が今持っている幸せが一つ減るという事だ。
 君と言う存在だけがくれる幸せを、君自身が僕から奪うのか?
 『幸せになって』と願う、その君が?」

「アスランの言う通りだよ、沙羅。
 君は僕達にとって既にかけがえのない人なんだ。失いたくない人なんだ。
 そんなにも大切な人がいなくなって。
 それでどうして幸せになれるんだ?
 君と言う存在のもたらすモノの代わりを務められる人間なんて、どこにもいないのに!」

精一杯の気持ちを込めて、じっと沙羅を見つめる二人の少年。
その姿に、気持ちに。嬉しさを感じて沙羅は表情を綻ばせた。
『違う』事を知っても自分を慕ってくれる、その真っ直ぐで純粋な気持ちが嬉しかった。
そして、哀しかった。
どうする事も、できないから。

「―――貴方達は解っていない。
 私は『永遠』だと言ったでしょう?
 私は決して老いる事も死ぬ事もない存在だと」

「それはさっき聞いたよ。けれど、それとこれがどんな関係があるって……」

勢いよく言い募っていたキラの言葉尻が途切れる。
気付いたように、呆然と沙羅を見返し、そしてアスランに視線を移す。
アスランもまた、キラの隣で瞠目していた。
沙羅の口にした『永遠』と言う意味を。その重さを、漸く理解した。

『永遠』に生き続ける沙羅と。
『終わりの時』がある自分達。
どれだけ同じ時間を同じ様に歩もうとしても、絶対に無理な事。
アスラン達は老いて行く。そして、いつかは沙羅を置いて逝く。
置いて、逝く………。

「解ったでしょ?
 私たちは決して同じ時間を歩めはしない。
 私は、老いて逝く貴方達を見る事はそれほど苦痛ではない。
 貴方達がなしていく事を。そして眠りにつく事を。
 見届ける事ができるのは、ある意味幸せな事だと思っているから。
 けれど、貴方達はどう?
 自分達が老いて行くのに、いつまで経っても姿の変わらない私といて。
 平静でいられる? そう、確約できて?」

「好きなら好きなだけ。大切なら大切なだけ。辛くなるのよ。
 共に歩めない自分を許せなくなる。共に歩めない相手を憎らしく思ってしまう……」





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う〜〜ん。
何となく思いついて書いてみたんですが、既存のヒロインを使ったらえらい事になってしまいました(苦笑)
この辺りの時期まで来ると、ヒロインの設定自体が最遊記や幻水よりもぶっとんだモノになちゃってるので、もう何が何やら。(←成長してるからねぇ。色々と)
読んでる人は分けわかんない状態ですね、完全に。
なので、SEEDドリは書きません(キッパリ)
私には二種類のヒロインを書き分けるなんて高等な事はできませんし、現在のヒロインにかなりの愛着がありますので……。
何しろ、付き合いが非常に長くてね……。10年近くかな。フフフ(遠い目)
だから、今回のは単なる暇つぶしです(笑)
キラもアスランも、別人だし。台詞、クサイし。
けど、ある意味かなり楽しかった(笑)


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愛羅