名古屋のスローブルース…おもろかったなあ。 終わってから、釣り仙人、名人、そしてラリー・ライダーと快談・快飲…快飲…そして、場所を移して 快呑…。
そして今日。 11時にホテルをチェックアウト。 「風来坊」の手羽を“食べ”逃した昨夜。
“なごやん”に来たなら、「手羽」か「味噌煮込みうどん」…両方逃すのは哀しいとばかりに名古屋駅にある「山本屋総本家」に向かう…と言っても正確な場所は分からない。昔、よく来ていた頃に駅地下にあったような無かったような…。昨夜の記憶も定かでないのに、10年近く前の記憶はもっと無いわなあ…。
エエ加減な記憶を頼りに、とにかく名古屋駅へ行ってみてちょ〜と、ヤマデタにお願いする。 名古屋駅に近づくと、そこにはなんと“巨大タワー”が! さすが好景気な名古屋ん。 白亜のタワーが、でーーんとぬけるような秋空のそびえ立っているんである。
「なんじゃいこら?昔、こんなン無かったで」 「ミツイさん、駅のどっちですのん?…知ってるいうから来たのに…」 と、ヤマデタ…ハンドル片手に煙草をふかす。
「ええっと… 駅のウラに昔 ビル全部がピンサロみたいなんがあってな…あれ、なんちゅうたかいな〜」 「ミツイさん… そんなんどうでもよろしいねん。その“味噌煮込みうろん”の店… どこですのん?」 「ああ… もうなんやえらい変わってわからんわ…。この際、このでっかいビルに行ってみんかい」…もう田舎もんである。 名古屋パワーに昨夜からやられっぱなしなんですな。
そのどでかいビルの駐車場に止めてとことこ歩いてエレベーターへ。 そこの案内板に「山本屋総本家・13階」…あったがな。 さっそく13階へと上る。
店に行くと昼飯時。30分待ちぐらいやったけど、しかたない。 待つことに。その間、下の階の本屋さんへ。エエ感じの“アート”関係の本…しっかし…高いので立ち読み。
やっと席に案内されると、店内満員。大繁盛でんなあ。 斜め前の席には4人家族…お父さん、お母さんと娘…そして高校生ぐらいの息子。もう食べ始めているが、この息子の様子がどうもおかしい…。 “味噌煮込みうどん”を箸で口に運ぶも怪訝な顔つき。首をひねりながら、隣の父親にブツブツ何か言っている。
俺の方にもやってきました〜“親子味噌煮込みうどん”… うう〜ん このコク、この味、この香り…歯ごたえのある熱いうどんを、ふうふう言いながら食べる。美味い美味い。
向かいの家族連れ…もう食べ終わったのか、お茶を入れに来た店員が… 「あのう…何かお気に召されない点がございましたでしょうか? こちらのおうどん…ほとんど食べられずに残されてましたので…」
ほほ〜うどんになんか入ってたからさっき怪訝そうな顔を…と思って耳をダンボに会話を聞くと…。
そこの父さん…。
「いやいや、うちら大阪から来たもんでね。こいつが“うどんが固い”と言いまして…」 「ああ そうでしたか。当店の味噌煮込みうどんは独特でして、うどんは固いんです。 (…店のうどんの味について丁寧に説明する店員…中略) すいません…。よろしければもう一度お作りいたしますけど」 「いやいや結構です。大阪のうどんとちがってたんで驚いたんですわ。こちらこそすんまへん」 息子は自分の事を言われたので恥ずかしがって外に出ていく。
…なるほど〜味噌煮込みうどんのうどんは、芯があるくらい固い。これがまた、濃い味噌ダシと絶妙に絡んで美味いんであるが、確かに大阪人にしてみれば意外やわね。
大阪のうどんは、そもそも腰が無い。いや〜あるんやけど、ぷりっと、もちっとやわらかいねんね。それがこの“味噌煮込みうどん”…芯が残ってて、湯がき足らんのとちゃう? ちゅうぐらい固い。 その昔、京本正樹が「湯がき直してよ…」とクレームを付けた話は有名な話。初めて食べた大阪人…しかも若い衆なら怪訝な表情になっても仕方がないやろなあ。
名古屋はおもろい…。関西には無いもんがいっぱいある。 “味噌煮込みうどん”があるかと思えば、ぺなぺなの“きしめん”、“手羽先”、みそカツに天むす…。 美味いもんの宝庫でんな。なのに関西のとあるラーメン屋や“主婦の店”のように決して“全国展開”なんて拡大展開は考えない。 実直に誠実に…石橋を叩いて叩いて。ケチで地味なようで使うところには湯水の如く金を使う。 この 名古屋が今 一番景気がエエそうな。 おもろいなあ〜 名古屋。
あの “味噌煮込みうどん”大阪では絶対喰えまへん。
そんで、あの店を飛び出した“息子”よ…うどんもいろいろあるんやで。 その地 あの地でね。
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