◆■玉に鹿日記■◆

2004年07月17日(土) 野球

高校野球の地区予選を見に、「野球場」に行って来た。

炎天下の午後2時開始のこの試合。
別に有力校同士でもなんでもない。
兵庫県大会の2回戦やな。

1塁側は西宮から来た高校なんで、応援団は少ないけど
それでも太鼓を打ち鳴らし、盛り上がっているわ。
3塁側は、播磨地方の学校なのでブラバンまで入っての大応援団。といっても70人ぐらいかなあ。
ラッパや太鼓で賑やかやなあ。

試合前にはたっぷり過ぎるぐらいグランドに水をまく。
グランドの整備員が水をまく…
俺 子供の時から、あれをやりたかったなあ。
試合前の緊張と期待が入り交じった球場の中。坦々と冷静過ぎるぐらい涼やかな顔して、ホースから水をまく人。
マウンドの少し後方にある蛇口から、長いホースの先を持ち、
弟子の“水まき”人を2〜3人従えて、内野の土のあるところ…くまなく水まく姿。放水された水の描く“放物線”…太陽の光を受けて虹が出来る。そして、染み入る水の力で、グランドに生気が蘇る。
立ち上る水の匂い。
試合前のこの“儀式”…水の匂いとともに俺の“野球”の重要な一部分を占めてるわ。
甲子園でもそうやった…。ちょいとした憧れやね。
カッコエエやん。「俺が水、まいてからやないと試合はさせへんよ…」
…てなかんじでね。なんか“大人”で、これから始まる“野球”の全てを…実はあの水まく人が取り仕切ってるようなね。

そんな水も、試合が始まり1回表裏が終わったあたりで
すでに干上がってしまう。
選手が走ると砂埃が舞う。

カキーン! 乾いた金属音の後に3塁側の応援団の大声援。わおおおおおお!
二遊間を切り裂いたそのボールは、二塁手横っ飛びの50センチ先に点となる。前進守備のセンター。その横を…一回…二回…ボールが跳ねてバックスクリーンへ。追いつくライト…クッションボールに飛びつく。しかし焦ってボールが手に着かない…一度ならず、二度までもお手玉。三度目にボールを手にしたとき、バッターランナーは三塁ベースを回るところ。
ライト大きく体を反転させて中継のショートへ投げる。
三塁コーチャーの右手がぐるぐる回る…ランナーオーヴァーラン気味ながらそのぐるぐるに煽られて躊躇無く本塁へ…。
ショートはライトから取ったボールをそのままバックホーム。
ショートが投げ終わった後、その右の腕が反動で踊ってるように天を向く。
その瞬間…全てがスローモーションになった…。
もう必死の形相バッターランナー…ボールがゆっくりと土の上、数メートルで回っている。キャッチャーが構える。ランナーが砂を舞い上げる…。
キャッチャーのもどかしげな眼…。
そして、ボールが…ちょいとホップしながらホームを目指す…コースはどんぴしゃ、しかし…「あっ…ちょっと高い…」
ランナーが頭からホームベース…キャッチャーミットに吸い込まれたボール…音がする間も無く、滑り来るランナーへタッチ…。砂煙…砂煙…、そして静寂…。砂まみれのランナーが見上げ、キャッチャーが少し遅れて泣きそうな顔でアンパイヤを見上げる…それでも静寂…。

「セエエエエエーーッフ!」

現実に引き戻された観客の大歓声…乱舞するラッパに太鼓。打ち鳴らされるメガホン。狂喜と落胆が交差するホームベース。
泥まみれが笑う。汗をぬぐい、ボールを拭き次を考える奴。

…ああ、野球っておもろいなあ。

結局、このチーム…このランニングホームランと相手のパスボールの計2点だけ。逆に凡プレーやエラーで相手に7点とられて負けた。
一投一打に一喜一憂。
応援団は最後にエールの交換。
なんやら俺は、いっつもここでぐっとくるんやなあ。

あと何回行けるか分からんけど、また見に行こう。
甲子園よりも見に行きたいものがここにあるなあ。

こっから…今のプロ野球を見てみたらどうやろか。
もっとワクワクさせてくれい。

野球小僧…




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