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2002年03月19日(火) 香港記3。放浪

写真もいくつかアップしたいんですがとりあえず文章のみで。

香港と日本の時差は1時間です。
なので、朝起きるのも大して苦ではありません。
起きた時に「日本は今○時かー、今頃出勤かなー」とか思ったりしたけど。

今日は終日自由行動。
朝食も自分達で調達です。

朝の食べ処は決めていなかったのですが、とりあえずメインストリートへ。
その前にまず、両替をしなくてはいけません。
香港ドルが足りなくなっちゃったからね。
日本で替えるより、現地で替えたほうがレートがいいそうだ(Kちゃん情報)
ただ、彼女が先輩に教えてもらったという両替場所は、いかにも怪しいですょ(ニヤリ)的な場所でして。
例えて言うなら、『不夜城』とかの、異国感漂うヤクザ映画には欠かせない雰囲気が充満した感じ。
新宿の裏世界でも可(苦笑)
かなり注意して奥へ進みます。
あー怖ぇ。

両替商が集まっている区域なので、注意を払っていれば余程の事がない限り問題は起きないだろう、と思っていざゆかん。
ま、何事もなく済んだけどね。
さ、ご飯食べよー!

香港にもマクドナルドはあるんですが、そういった『ファストフード』系の、飲茶バージョン(?)とでもいいましょうか。
気軽に入って、気軽に食べて、的な。
香港の会社の多くは出勤時間が遅めらしく(9時とか10時とか)、朝食をちゃんと取るみたいですね。
ほとんどの人が、こういった気軽に食べられる所で朝食を取ってから出勤するみたいです。
…と、ツアコンのおじさんが言っていた。
アキラ達の出発が早かったのもあってか、ラッシュらしき時間帯にぶつからなかったようで、ゆっくりすることができました。

入店して、まずメニュー表と勝負ですよ。
先払いなので、会計を済ませないと食事に辿り着けないわけですよ。
メニュー表は、日本語は当然ないにしろ、英語さえもない。
完全、広東語のみ!
ハングルと違って漢字がありますからね、ここは漢字を解読するわけですよ。
(韓国はもう大分昔から漢字を使わなくなってしまったね)
メニュー表と一緒に写真も載っているのは極一部のみ。
あれが食べたい!と思っても、写真にメニューの記述がないので、それがなんなのかさっぱり解らないわけですよ。
えぇい、ここは勝負!
メニュー表に書かれた広東語をメモして、レジへ。
レジのお姉さんが、「レシートを持ってカウンターへ行け」と、3回くらい説明してくれたんだけど、ちんぷんかんぷんのアキラとKちゃん(苦笑)
周囲の様子を見て、それに習うことにしました。
Kちゃんがカウンターへ、アキラは席でお留守番。
数分後、戻ってきたKちゃんがボソッと。
K「アキラ、思ってたものと全然違います」
ヌードルのつもりでオーダーしたものが、その手にあったのはビーフンでした(苦笑)

食べられるからいいんだけど。
しかし、さすが飲茶のファストフード。
すっげぇ脂ギトギト…(-.-;)

脂っこいのはおいといて、味そのものは悪くないんじゃないかな。
ただアキラは、濃いめかな、と思ったけど。
セットでついてきた飲み物がね、アキラはアイスコーヒーで、Kちゃんはアイスティーだったのね。
食べ物の味が濃いせいか、その飲み物はもともとの味がすっごい甘いんですよ。
ガムシロ要らんわ。


さて、腹ごしらえも終えたところで、いざ観光です。

アキラ達が泊まっていたところは香港島なんですが、そこからフェリーで九龍島へ移動します。
地下鉄でも行けますが、今回はフェリーを選びました。
せっかくだもの、外見ながら行きたいじゃない?

フェリーには一等と二等があって、一等がHK$2.2、二等がHK$1.7です。
どちらにしても安価ですよね。

九龍島に着いてまず向かうは『文武廊』。
ここは、香港最古の寺院で、中は処狭しと線香が焚かれています。
天井から吊り下げられた線香は、円錐状にのびた蚊取り線香とでも言いましょうか(苦笑)
宗教心はないですが、線香がくべられているあの雰囲気は、気分が落ち着きます。

そこから一度、フェリーを降りた付近に戻ったんですが、その途中であるものを見かけました。
それは、1台の高級車、脇に立つ1人の男性。
その男性がタキシードに身を包んでいることと、その車がリボンなどで飾られていることかた察するに、結婚式が絡んでますよね!?
その男性は、その車を運転する人で、結婚式に向かうカップルを待っているのかもしれません。
時間を気にしながら、ただひたすらに、待ち続けていました。
それより気になったのが、車の先端部分、日本では正月に注連縄?を飾るあの部分に、かわいらしくあしらった豚のカップルを飾っていたんです。
それがすっごい可愛くて!!
香港では、豚が幸運の象徴なんでしょうかね?
写真に撮っておけばよかった!

さて、この日の天気は晴れ。
朝のうちは大して気にならなかったのですが、『文武廊』に着いた辺りから、高い湿度も手伝って上着を着ていられないほどでした。
(そこに行くまでかなり歩いたから、余計に暑かったっていうのもあるけど)

容赦ない日差しにちょっとやられながら歩きます。
香港の街並みは、路面電車とバスと車が狭い道路を走ってる感じでしょうか。
あのね、香港て高層ビルや高層マンションが多いでしょう?
土地が狭いのに人口が多いから、上へ上へ、と建物を造るんです。
家賃は高いそうです。
共働きじゃないと家賃を払うのが難しいそうで。
だからね、駐車場代なんて払う余裕がないし、第一、駐車場を作る場所がないんです。
ということはどういうことか。
自家用車が圧倒的に少ないんですよ。
走っている車をよく見ると、タクシーか会社の車か、社長さんが乗るような高級車ばかり。
そりゃ、路面電車、バス、タクシーが生活基盤になるわけですよね。
同じ『車が多い社会』でも、日本と香港の雰囲気があまりにも違って感じたのはこのせいなんでしょうね。
ちなみに、最近建てられた高層ビルの、その造形美は目を見張るものがありました。

あっという間にお昼です。
お昼に食べるものはもう決めてあります。
Kちゃんが切望していた、とある店の『エビそば』。
ガイドブックを片手にその店を探しますが、いかんせん、ガイドブックに載っている住所は広東語!
そりゃね、住所まで日本的に書かれたら余計わからなくなるでしょうよ。
でもさーでもさー、どの言葉が地下を表す言葉で、どの言葉が番地を表す言葉で、とかの注釈くらいつけてくれてもいいじゃん!
(注釈のついたガイドブックを選べばいいだけの話。)

でもねーアキラ、地図の解読は得意なんだー♪(微自慢)
ア「Kちゃん、これって多分、向こうの通りのことだよ」
K「え?ここじゃないの??」

そんなやりとりを繰り返すこと数回、かなり近いところまで来ているのに、肝心の店が見つからない。
仕方がないので、警官を捕まえて尋ねることに。
だがしかーし!
K「(地図を指して)この店はどこにありますか?」<英語で。ぺらぺーら。
警「……………??」
ア「…Kちゃん…この人…英語解ってない(-.-;)」
K「うっそん」

少し前まで、イギリスの植民地だった香港のこと、昔の人は英語がペラペラなはず!と思って、初老の警官を捕まえたのに、その思考は全く逆でした。
後に解ったことですが、昔の人であればあるほど、広東語しか話せないんですって。
英語の教育は最近始まったものなので、若い人でなければ話せないんだとか。

ま、一瞬焦りはしたものの、地図を指して何かを訊いて来た、と言えば、言葉が解らなくても場所を尋ねているんだな、ということくらいは解るわけで。
初老の警官は、笑顔で歩き出し、うちらに向かって手招きを。
目の前のT字路まで行き、そこからすぐのところを指差して、何か一言言ってました。
ア「あそこ?」<英語が通じないのでもう日本語で。
警官が頷いたので、笑顔で「Thank you!」と、手を振ってお別れ。
ものすっごい近くまで来てたのね。
おしかったなぁ。

さすが人気の店で、行列が出来ていました。
タイミングがよかったのか、立て続けに客が出て行ったのですぐに座れました。
ア「エビそば〜エビそば〜♪」
お腹ぺこぺこのアキラ、今にも踊りだしそうな勢いでエビそばコール(笑)
広東語は話せないので、メニュー表を指差して、指で「2つ」。

待つこと数分、出てきたエビそばは、器が非常に小さかったです。
水を掬うときに両手で器を作るでしょ、あんな感じの大きさ。
ほら、日本でも中華料理で出てくるヌードルは、大きめの器でしょう?
だから、小さな器にびっちり入って出てきて、思考と現実のギャップにちょっと戸惑ったわけですよ。
あー、本場はこうなんだー、的な。
いっただっきまーす♪

ずる。
ずるる。
ずるるる〜。

美味。

なんていうんでしょう、エビがぷりぷりっとしてて、麺もちょうどいい固さで、汁もしょっぱすぎなくて。
あーもー、これなら毎晩食べてもいい!って本気で思った。
器は小ぶりでも、中身のボリュームは大きいらしく、1杯で結構お腹いっぱいになりました。

この後、コンビニで水を買い、フェリー乗り場まで戻ります。
政府の建物らしきものがあって、そこの前が小さな公園のようになっているのですが、そこで腰を下ろして、どこに行くか決めます。
夕方、トラムで山頂まで行くことを決めていたので、その時間までどうするかは全て行き当たりバッタリだったのです(苦笑)

そこで。
香港といえば実は中国。
中国といえばお茶。
ってなわけで、本格茶葉を買いに行こう!とお茶屋巡りを敢行。

まず、その場所からすぐのところにあるデパート内の一画。
…ん〜、イマイチ。

お次。
『文武廊』のもっと先にある、一軒家みたいな小さなお店。
お店の中に入ると、その瞬間に雰囲気が変わったんですよ。
静かなのにそわそわしない、凄く物腰が落ち着いた雰囲気とでもいいましょうか。
スタッフのお姉さんが、これまたきれいな日本語を話すんだ!

茶葉は、それはもう膨大な種類があるわけですよ。
誰でも知っている烏龍茶、鉄観音茶、プーアール茶、ジャスミン茶。
それだけでも、年代別に売られているし。
ワインみたいでしょう?同じなんですって。
寝かせれば寝かせておくだけ、味に深みが増すそうな。

Kちゃんと二人で迷いまくっていたら、お姉さんが試飲させてくれたんです。
ここでお茶の正しい入れ方講座。

・小さな急須に茶葉をいれます<わりとてんこもり。
・沸騰したお湯を入れます<たっぷりね、たっぷり。
・1回目のお湯は捨てます。この湯を捨てる際に、まず湯飲み茶碗に入れます。茶碗が温まるし、茶の香りがつくので一石二鳥♪
・湯飲み茶碗に入れた湯を捨てます。
・2回目、よーく蒸らした後、湯飲み茶碗へ。
・いっただっきまーす♪

美味。

もう何も言うことないっすよ。
何種類か頂いたんだけど、お茶の入れ方もしっかりしているからね、美味美味。
茶の渋みが、後味として残らない、というか、さーっと引くのですよ。
こりゃ、何杯でもいけるね。

こんなに落ち着いて、しかもちゃんとした手順を踏んで入れたお茶を頂いたのは初めてで、だからかな、楽しかったんですよ。
お茶を煎れてるところを見るのも、飲むのも、何もかもが楽しかった。
あまりに楽しくて、もうちょっとで急須セットまで買うところでした(苦笑)

そもそも、そのお姉さんはお茶の買い付けを任されている、いわば茶のソムリエだそうで。
いくつもある茶葉の中から、まず香りで3つくらいまで絞って、それから、実際に飲んで最後の1つを決める。
そうして買い付けた茶葉に、失敗はないそうです。
そんな方に入れてもらったお茶だもの、美味しくないわけないわよねー。

本当にお茶に凝っているような方というのは、自分のお茶セットを持ち歩いているそうな。
旅先などで、「ちょっとお腹の調子が悪いかも…」なんて言うときは、薬よりもまずお茶、なんですって。
でも、飲みすぎると、そこはやはりカフェインが入っているので逆効果だったりしますのでご注意をば。

贅沢な時間を過ごし、茶葉もちょっと奮発して2つ買い、お店を後にしました。
また香港に来ることがあったら次もココに来たいな。


朝から九龍島を歩いて思ったんですが、ここって平坦な土地じゃないんですよ。
メインストリートから、1本外れた道に行こうとすると、それはそれはとんでもなく急な坂を登ることになります。
もちろん、全部の道がそうという訳じゃないですよ。
例えば、キャットストリートという小道があるんですが、その道に出るまでの坂を登るだけで息が切れちゃうほど(それはアキラの体力がなさすぎなのか?)
しかもね、その坂にひしめきあっていろんなお店が出ているので、すっごい狭くなってるんですよ。
元々が広い道ではないから、人がすれ違ってもういっぱいいっぱい。
八百屋さんもあれば、伝統工芸品屋もあり、線香の専門店みたいなのもあり、漢方薬の店もあり、とそれこそ何でもあり!な市場が展開されてました。
果物屋さんから、ドリアンの匂いがした時は、ふ〜…っと意識が遠のいたさ(苦笑)

お土産屋さんは、値段の交渉を頑張ってみました。
こういうやりとりって、日本じゃまずないから、新鮮ですね。

日暮れまでもうちょっと、という時間になり、いよいよPEAK TRAMへ。
ピークトラム駅から、ビクトリアピーク山頂駅まで行くケーブルカーなんですが、これは1888年開通の、最も古い公共交通機関だそうですよ。
大人片道HK$14、往復HK$21。
これはね、山頂に向かって右側に座るのがポイントですよ。
景色が右側に広がっているので、夜景を見るにしても是非右側を!
急勾配の山を8分で登ります。
山頂駅で降りて、日が完全に暮れるのを待ちます。
ビルの中に、景色を一望できる喫茶店(レストラン?バー??)があったのですが、もうすでに満席で、アキラ達はその席で夜景を楽しむことは諦める。
軽くコーラだけ飲んで、夕飯は香港島に戻ってから食べることにしました。

さて、日も暮れて、街のネオンもたかれたので屋上へ。
もうね、これまたテレビでよく見る景色ですよ。
絵葉書とかにもなってる景色。
そりゃ観光地だもんな、当たり前か(苦笑)

割と長い時間、夜景を堪能し、再びケーブルカーで街へ。
そのままフェリーも乗って、九龍島に別れを告げ、香港島へ。
街をブラブラ歩いて、ぱっと目に付いた食堂に入りました。
小さいなんだけど、地元の人が立ち寄るような店。
とにかくお腹がすいていたのもあったけど、こうやってガイドブックに頼らないで入る方が香港の本当の姿が見える気がするし。
(ガイドブックに載っている店が飾っているという意味ではなくてよ)

やはりここの料理も脂っこかったけど(苦笑)、味自体は悪くない。
むしろおいしかったです。
あーでもやはり脂がー…<胃もたれを起こしたらしい。

そこからホテルへ戻る途中、ずっと後ろ5メートルくらいのところを白髭の爺さんがついてくるんですよね。
最初は偶然かなって思ったんだけど、ずっとずーっと歩いてくるの。
ちょっと早歩きして距離を広げても、気がつくと後ろにいるの!
うぎゃーっ!!
ア「Kちゃん、走るよ」
K「え?えっ??」
アキラ、Kちゃんの腕をがっちり掴んで、夜の香港を疾走。
K「まるで映画かなんかみたいv」
Kちゃん、浮かれてる場合じゃないよ…(-.-;)
結局は引き離せたんだけど、あれは一体なんだったんだろう…。
ま、用心に越したことはないぞ、と。

ホテルに戻り、お茶を飲むことに。
お湯を沸かすにも、備え付けられているポットは日本のと違うのよ。
ケトルの中で鉄の棒が剥き出しになっていて、なんだか理科の実験器具みたいだわ。
実は昨日もこれでお湯を沸かしたんだけど、沸いたお湯の表面に汚れが浮いてたのね。
だから部屋に入る前に、フロントでケトルを替えてくれって頼んでたのですよ。
そしたら、ホテルウーマンの方がいらして。
「どうかしました?」的なことを言っているのは解ったんだけど、広東語。
ちょっとだけ英語も喋ってたけど、Kちゃんの方が喋れてたよ…。
埒があかないと思ったホテルウーマン、どこかへ電話。
広東語で何か話した後、Kちゃんに受話器を渡す。
おいおい、これって、もしや…。

ア「Can you speak English?」
ホ「No...」
…はい?

あのー、あのー、ここって国際ホテルよね…???
仮にも国際ホテルなのに、英語話せないんですかーー!?
素でびっくりのアキラ、脱力しながら、電話で苦戦しているKちゃんを見る。
Kちゃん曰く「電話は苦手。ジェスチャーが出来ないから」だそうで。
それはよく解る!
完璧に喋れない状況で、身振り手振りが使えないのは結構辛い。

ここでアキラ、ふと閃く。
ここは中国、漢字の国!
この旅で、Kちゃんにお任せだった外交を、今度はアキラが!
ペンと紙を片手に、ホテルウーマンをそばに呼ぶ。
自慢じゃないが、アキラは絵が下手だ(爆)
それはそれは、某有名画家の抽象画にも負けないくらい、何を描いたか解らない程に!
だけど、そんなの、解ればいいのよ。
かなり適当にケトルと、張った水と、浮いた汚れを描いて、そこから線を引っ張って注釈をつける。

『水→(加熱)→湯』
『浮』
『汚』

ホ「OK!!」
わーい、通じた!(笑)

ホテルウーマンが、まずケトルを水で洗って、再度湯を沸かしてみました。
あくまでケトルの交換はしないのね…。
2,3回それを繰り返すと、汚れがなくなってきたので、ホテルウーマンは去っていったのでした。
現地の人はあれくらいの汚れは気にしないのかなぁ?
水が変色する程汚れていた、という訳じゃないからね。
日本人て潔癖症な人種って言われてる事をちょっと再認識してみた瞬間でした。

こうして、今日を終えたのでした。
歩きすぎて、靴下のかかとの部分が擦り切れた程(苦笑)
体力的にはかなり疲れたけど、気持ちは充実した1日でした。
寂しいなぁ、明日はもう帰国!



柏木 暁 |MAILHomePage

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