とも蔵日記
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2008年05月02日(金) 一人映画

先日、友人の日記に『一人映画』なる話があり、それでオイラも思い出した事があったので書いてみたいと思う。

あれは数年前の夏、ちょうどお盆の時期。
奥は実家へ里帰りし、オイラは仕事なので家に残りました。
仕事が早く終わったある日、オイラはかねてより観たかったパイレーツオブザカリビアンを観に行こうと思い立った。
以前、奥に観たいと言ったが却下されそれっきりだったのだが、奥が里に帰り自分一人なので、これ幸いとばかりに
自転車に乗って映画館に向かったのだ。
チケットは事前にネットで予約し、ど真ん中のベストポジションをゲットしていた。
映画館には上映時間の1時間程前に到着。
これといってやることもないので、当時出店したばかりで人気をはくしていたロマンドロールの大行列に野郎一人で並ぶ、大変恥ずかしい。
モンブラン生クリームをオーダー。
さすがに美味しい、が、野郎一人はとてもむなしい気分である、周りはみなカップルだ。
時計を見るが開場の時間にはまだ早い、がしかしオイラは知っていた。
この映画館は本来、上映開始時間の10分前に開場のアナウンスがあるのだが、開場時間の10分前、つまり上映会開始時間の20分前には
館内清掃が終わり開場となるのだ。
ここはさっさと入場し、これから始まる映画のワクワクとドキドキを自分の席でゆっくと味わいたい。
さらに俺のチキンな性格上、上映ギリギリの時間に入って、すでに他のお客さんが座っている前を「すいません」と言いながら
カニ歩きで自分の席に着くのは『人前でオナニー』の次に嫌な行為だ(大げさ)なにせ自分の席はど真ん中である。
という訳でオイラは上映の20分以上前にはチケットゲートへと向かっていた。
やはりだ、ゲートへ着くと同時に開場のアナウンスがあり、オイラはいそいそと中へ入っていく。
そこは人気作品ということもあり、10あるシアターの中で一番大きなシアターだった。
誰もいない、一番乗りである。
早速席へ。
程なくして女性が一人入ってきた。
後から彼氏などが入ってくるのかと思ったが、そんな様子もない。
年の頃は二十代後半、モデル体型でセミロングヘアー。
大人の雰囲気漂う、かなりのべっぴんさんである。
手に持つトレーの上には売店で買ってきたであろうハンバーガーやドリンクが。
オイラと同じで、早々に席につき落ち着いてお腹を満たしたいというところだろうか。
「こんな女性にお近づきになりたいなぁ」などと考えていると、女性はこちらへと向かってくる。
「おっ、席が近いかも」
「映画がはじまるまで、こんな素敵な女性を見ながらドキドキするのもいいかも」
と思っていると、女性はどんどんこちらへ。
「おや、同じ列か?」
そしてさらに近くへ。
俺は「え?」と思った。
次の瞬間、女性も「え?」ってな顔をした。
女性は渋々と席に着いた。
なんとオイラの隣の席だったのだ。
みなさん想像してみてくださいよ。
キャパ数500はあろうかという誰もいない大きなシアターのど真ん中に、まったく赤の他人である男女が、まるで恋人のように座っている絵を。
いくら素敵な女性でも、これは嬉しくないです。
っていうか、そんなのありえねぇ〜
それからの約10分弱、シアターには誰も入ってこず。
神様、オイラは彼女の二つか三つぐらい斜め後方の少しだけ近くの席で、コソッと横顔を見られればそれでよかったのです。
神様の過剰なまでの大サービスで運を使い果たしたオイラは、その後は全ての運に見放され奥との仲が急激に悪くなっていったのは
まぁ冗談です。(笑)


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