思い出に変わるまで
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昨日の夜、Tちゃんから久しぶりに電話があった。 開口一番 「ヘンな頼み聞いてくれない?」 一体ナンなんだ?
どうやらこういった内容だ。
Tちゃんの友達で数年前に結婚して子供が欲しいと願ってる子が居る。 不妊治療に通ってるかどうかは聞かなかったが、色々と子宝に恵まれると言われるものは全て試してるそうだ。 只今妊娠9ケ月の私にあやかってお腹を触らせてくれないか? との頼み。 一瞬???って考えてしまったけど同じ女として子供を授かりたいという切なる願いは分かる気がする。
私の姉も昔子供が出来なくて不妊治療を重ね、結局ダンナ様に原因がある事から夫婦間にズレが出て離婚をした。 姉は人口受精まで考え、せっぱ詰まった精神状態まで追い込まれた時期もあり、離婚後ダンナさまが変わり3人の子持ちになった今では考えられない程妊娠を望んでた。 身内に姉みたいな妊娠を望んでも叶わなかったケースを見てたのでTちゃんの依頼は快く引き受けた。
でも、子供を授かりたいと願う女性にしてみれば妊娠している妊婦は羨ましいだろうし、あやかりたいだろうが、果たして実際にお会いして彼女の希望に添えるのだろうか?
色んな感情はあるだろうけど、不妊治療をしてた当時の姉は妊婦、子連れ親子、赤ちゃんを見れば「どうして自分には子供が出来ないの?」って恨んだり、自分を責めたりしたそうだ。 周りからのプレッシャーも相当だったそうだ。 子供を病院から新生児を誘拐する人の気持ちが分かると泣きながら話した時もあった。 妹ながらに胸が詰まる思いで姉を見てたけど、やはり子供を望んでも授からない人の気持ちを理解する事は私にはできない。 実際に日々おなかの中で育っていく命の動きをカラダで感じてる私にどう理解できるだろう。
不妊治療をしてた姉から「妊娠する」という事は単なる一つの精子と卵子の働きでは無く、受精する体内の環境、細胞の生命力、いくつもの良い条件が重なって初めて受精する生命の神秘だと聞いた事がある。 受精しても育たない卵もあれば、途中で育ちかけた命が終わってしまう事もある。だから「産まれくる命」はかけがえの無いものなのだ。 高校生だった私にはピンとしなかった当時の言葉をふいに思い出した。
望まない妊娠 切望する妊娠 子供を諦める人もいる 世の中には色々なカタチはあるし、色々な選択がある。 私にとって今回の妊娠は「試したらデキちゃった」と産む事が可能な状況で出来た半分おふざけみたいな妊娠だった。 お腹の赤ちゃんをいらないと思った時もあったし、精神的に不安定になった時もあった。 でも、今自分が置かれてる立場がきっと幸せのカタチなんだろう。 日々ダルくなるし、母として変化していく自分の体。 10ケ月、24時間一緒に過ごした小さな命は 来月にはお目にかかる新しい小さな家族になっていく。 どんな風に迎えてあげれるのか 少し考えてしまった。
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