diary/column “mayuge の視点
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売れない発明家を笑えるのか

 僕は新しい響きの言葉が好きだ。気の利いた意味だったりすると、なお良い。だから僕は、自分で略語、新語を考えては使い、すぐに消費していく。「アケオメ、コトヨロ」なんていう言葉は、母の胎内にいる頃に使っていたので、今年の年初にまだ言っている人がいたのには少々驚いた。「メリクリ」にいたっては、父の精嚢にいるときに使っていたものだ。

 それはさておき、ここ最近で生み出した“新語”の一例を紹介してみたい。

「アネセン」
 「お姉さん専門」、つまり年上好きのことである。たとえば年下の女の子にフラれたときなんかに、「俺はアネセンだからさー、年下とかはションベン臭くて付き合ってられないわけよ」とうそぶく。三十を過ぎてから、周囲に「アネセン」で共感できる人間が激減し、お蔵入りの危機に瀕している。

「トリソン」
 これは飲み屋に行って、一回目の注文をした後に使う。「とりあえず、そんな感じで」の略である。たとえば、ニラレバと餃子と小籠包をつまみに頼み、「トリソンで、ルービー、ソギイーで(とりあえずそんな感じで、ビールを急ぎめでお願いします)」とキメる。たいてい店員に、軽薄でミーハーな馬鹿男に見られる。

「ビーラー」
 「ビール好き」を指してこういう。語感的には、「チーマー」「アムラー」などの流れを汲んでいる。たとえばビールを飲んで帰りたいけど一人じゃ淋しいとき、「ビーラー集合!」と快活に叫ぶ。高田馬場付近の学生なら、「ビーラー注目!」と応用してもよい。まず一発で理解してもらえることはない。

「ナー・コート」
 これは、トラディショナルな露出狂のオヤジが着ているような、くるぶし付近まで隠れる裾長コートのことである。「ナ? おじさん」に由来している。たとえば、服屋で試着して鏡を見ながら、「このコート、ちょっと裾が長すぎるなあ。下手するとこれ、ナー・コートでしょ」とカマす。たいてい連れに「?」という顔をされる。説明するとさらに引かれるので、結局その後おとなしくする羽目になる。

 こうして見てみると、どれもこれも僕以外に使っている人はいない。おかしいなあ、いいと思ったんだけどなあ。よくテレビで、「誰もそんなモン使いたくないだろう」というような無意味な“発明”を繰り返して、散財しているオジさんが出てきたりするが、僕がしていることは、かなりそれに近い気がする。

 ま、金を使ってないだけ、いいか。

2005年02月15日(火)

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