diary/column “mayuge の視点
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彼女たちの「実力」

 リストラの世、サラリーマンの世界では「実力」が問われるようになった。これは歌の世界でも同じ。一部の例外をのぞいては、「実力派」と呼ばれる人たちが確実に売れている。スポーツの世界でも、実力のある者は海を渡り、その力に見合った成功を手にしている。

 一方で、そんな世の流れとは反比例したような動きを見せている人たちがいる。今なぜか、グラビアアイドル全盛なのである。

 「実力」の対極にあるものを「見かけ」とするならば、彼女たちはその「見かけ」で勝負しているのだ。水着一枚、半裸のような状態でカメラの前に立ち、卑屈なまでに笑う。なかには、明らかに男の視線を意識しているとしか思えないポーズを自らすすんでとる者もいる。親でもないのに嘆かわしい。

 世の中が「実力、実力」とあくせくするのを笑い飛ばすかのように、その「美貌」をこれでもかと見せつけようとする彼女たち。そのメンタリティーにおいては、「きれいであること」が目標であり、プライドであり、偉いのだ。そして、そんな「きれいな自分」を多くの人に見て欲しいのだ。

 同じく「美貌」を商売道具とする職業には、モデルという人たちもいる。個人的にはこちらのほうが高尚に思えてしまうのはなぜだろう。単にからだを見せてカネをもらっているという安易さがないように見えるからか。

 僕がグラビアアイドルに感じる嫌悪感は、ただの古い考え方なのかもしれない。それでもやはり、グラビアアイドルが「だっちゅーのポーズ」をとっていると、「お前ら、それでいいのか」と思ってしまう。

 今日もスポーツ紙のウェブサイトには、一番目立つところにグラビアアイドルの「ごっくんボディ」写真が載っている。そして僕はどんなに憤っていても、今日もまたその写真をクリックしてしまうのである。そうか。これが彼女たちの「実力」なのか……。

2003年12月14日(日)

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