ある大学院生の日記

2005年08月09日(火) 解散

長崎の原爆の日で、高校生のころに長崎の浦上天主堂のあたりに行ったことが思い出されたりして、やっぱり平和教育はある程度は必要なのであろうなあと思ういます。

さて、参議院で郵政民営化法案が否決されたことから小泉首相が衆議院を解散してしまったために、概算要求が遅れて今年の予算編成はいつにもましてばたばたするんではないかと、他人事ながらちょっと心配になります。それはそれとして、郵政民営化で民意を問う、というのは衆議院の総選挙しかないのかというのはどうなんでしょうか。特定のテーマについて民意を問いたいのだったら国民投票で十分ではないかと思うんですけれども、誰もそういうことを言わないのは、国民投票という仕組みがなかったからでしたっけ。

参議院本会議での採決をめぐる先週辺りからの動きは極めてゲーム論的状況で、credible threatがどうしたこうした、という話をするひとたちにとっては格好の状況ではなかったかと思うのですが、さて、その文脈でいくと首相はなぜ衆議院を解散してしまったのでしょうか。もちろん、単に、解散することから得る首相のペイオフが十分に大きかったのかもしれませんが、どうもone-shotゲームで考えるとどうにもよく分かりません。「解散になると困るから賛成しろ」という脅しが脅しになるとすれば、とくに首相にとってだけ解散がうれしい、ということはなさそうだからです。となると、repeated gameの文脈で、beliefを変更させるために解散した、ということになりそうですが、選挙が終わって同じ法案が提出されてふたたび参議院に送付されたときに、衆議院でよほどの大差で可決されていなければ状況は同じで、となると、なんども解散できないでしょうから、そのときも参議院は否決しやすい、ということになっちゃいそうですけどどうなんでしょう。有限繰り返しゲームで考えるとなおさらよくわかんないんですが、こういう設定自体が間違ってんでしょうかねえ。でしょうね。

ゲーム論といえば、これもなかなかに興味深い。


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