ある大学院生の日記

2005年05月31日(火) 細切れ改訂

某誌からレフリーコメントが届いていてなんとかしないとあかんのですが、このコメントがまた微妙に対処しにくい点がいくつかあるので困っております。実証の論文なのですが、実証分析の方法を正当化するような簡単な理論モデルが必要だ、と言われてしまいました。中途半端な誘導形で実証するというのが認められない時代になったのねー、と思います。まさか「Excelだけで学位が取れる」なんてことはさすがにない(と信じたい)のですが、情報処理技術の発展に伴ってちょっと複雑なことならすぐできちゃうので、「はあ? 回しただけじゃん」と言われちゃうということですね。これに対抗するには、プログラム評価のような極端な誘導形か、computational GEやDPのようながっちりした構造形推定をする必要があるってことでしょうか。ということで、「とりあえず2値変数でプロビットまわしてみました。データもあるし」という印象を与えないように、こちゃこちゃと理論モデルを作ってみましたが、作ってみると意外とめんどうで、「近似する」だの「簡単化のために除外する」だのという言い訳がいくつか必要になりました。やっぱり理論家ってえらいのねー。

ま、若干、海外の先行研究の中途半端なパクリなんですが、「そういうことって日本でも成り立っているのかしらん」というのを確認したくなるというのは日本人の研究としてそんなに不自然ではないとは思うのですが、「おりじなりてぃがない」とか「だから輸入学問だといわれるんだ」とか「そんなんじゃいい雑誌には載らないよ」とか、ええまあその通りでございますよ。競争社会も世知辛いですなあ。


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