「日頃お世話になってるんで」
と言うことで、ユタカ君が飲み会を企画してくれた。
「全部おごりますから」
悪くない企画だね。確実にあたしなんかより高給取りなんだから、たっぷり飲み食いさせてもらおうじゃないの。
先にバイトの子達を招待し、焼肉屋でねぎらいの会を開いたらしい。
「今回はパートさんたちと元マネと、Kさんもいっしょに、と思いまして」
K嬢は普段から自分のことしかしゃべらないし、しゃべりだしたら止まらないマシンガントークで、できたら飲み会ではご一緒したくない人なのだが、元マネも一緒なら何とかなるかな、と思っていたら、元マネはお父さんが入院された、とかで欠席、K嬢も義理のおじいちゃんが倒れた、とかで欠席、不謹慎ではあるが、同僚のYさんとほっと胸をなでおろす。
仕事を終え、焼肉屋にいくと、一足先に休みだったNちゃんの母であるミーさんとユタカ君がキムチをつつきながら飲み始めており、ミーさんに至ってはもういい感じで出来上がってる目つき。
「じゃあ、乾杯しますか」
飲み物をオーダーして、肉をテキトーにユタカ君に選ばせ、焼く焼く焼く、食う食う食う、飲む飲む飲む。
普段から天然系のミーさんは飲んでますますボケをかまし、それに加えて、Yさんと2人で
「注文したものが来るのが遅い!」
とキレ始める始末。
ユタカ君は、と言えば、テキトーに相槌を打ち、焼き係に徹し、全然楽しそうじゃないし。
まあ、オバサン3人相手に盛り上がれるほどオトナじゃないのよね。
といった感じで、話らしい話をした記憶はないのだが、あっという間に4時間ほどが過ぎ、お開き。
お会計は本当に全てユタカ君もちだったのだが、
「この間の若者達のときより全然安いっすよ」
部分的にカチンと来たが、まあ、ご馳走になったので、お礼を述べて解散。
まあ、ご馳走になっておいて言うのもなんだけど
あたしのマイは非通知です。