たまに××したり。
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2003年05月20日(火) さよなら、ゆーじくん。

ゆーじくんはいよいよ今日で最後の出勤になる。
あたしは公休でお休みであるため、ゆーじくんの顔を見るのは昨日が最後だった。
手続きやらなにやらで1日慌しいゆーじくん、ゆっくりと売り場に戻ってきたのは夕方になってからだった。
あたしはというと、完全なる二日酔いでノックアウト気味、やっと酔いが覚めてきたのが夕方だったから、そこから一気にやることやらないといけない状態。
心はすでに赴任先に飛び、別れを惜しむゆーじくんの気持ちに気付いてはいても、仕事が追いつかないもんだから、必死。

「うららさん、手伝いますよ」

やっとセール準備に取り掛かれる、と思った矢先、ゆーじくんが声をかけてくれた。
セール準備をゆーじくんにお願いして、あたしは父の日のギフト出しにいそしむ。
こうやって、作業を手伝ってもらえるのはこれで最後だ。みぽりんや、ユタカ君は、自分のことで精一杯で、きっと手伝ってくれる余裕などないだろう。
まあ、だからといってゆーじくんが余裕があるか、と言うとそんなこともなかったけどね。

ゆーじくんがセール準備を終えるのと、あたしのギフトの品出しが終わるのがほぼ同時だった。

「うららさん、いよいよ最後になっちゃいましたね」

そう言うゆーじくんの目が心なしか潤んでいる。あたしも相当の泣き虫だが、彼も相当涙もろい。

「やだなー、売り場で泣かないでくださいよ。あたしまで泣いちゃいます」

「ウン、実は今、結構来てるよ」

力なく笑う。

「うららさんとはいろいろあったけど、俺、うららさんには感謝してますよ」

いろいろ。
入社当初から、実質教育係として面倒を見続けてくれたのはゆーじくんだ。
そして、そのなかでいろいろな摩擦があったり、性格的にあわない部分があったことで、あたしがついに切れて、

「そう言う無神経なところが大ッ嫌いなんですよ」

と言い、それを聞いたゆーじくんが思い切り傷つき、ギクシャクする、と言うことがあった。

「俺、あんな風に言われて、感謝してますよ。言われないとわからない人間なんで、言ってもらってすげえ助かりました」

そう言って右手を差し出され。

「本当に今までありがとうございました!これからも売り場を守っていってください。うららさんあってのこの売り場だと思うんで。お互いにがんばりましょう!」

固い握手を交わした。両手で握り締めた手に、万感の思いがこめられ、そこから先は言葉が見つからなかった。
売り場でなければ、固く抱きあっていたかもしれない。それはヘンな意味ではなく、本当に親愛の情からくる、熱い抱擁になるであろうくらいの。

これからもこうやって、あたしは送り出し続ける立場だ。
去っていくものよりも、残されるものの方が何倍か辛いと思う。
何回も何回も繰り返される別れに慣れることは決してないのだろう。

さよなら、ゆーじくん。2年間ありがとう。



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うらら |あばら家足跡恋文

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