日々雑感
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2005年01月16日(日)

このところ眠れない。正確にいえば、眠るのがもったいなく、布団に入れない。かといって、何か作業をして有意義に過ごしているわけでも、またない。

夜もある時点を過ぎたあたり、不意にあらゆるものの気配が消えるような瞬間がある。大通りを時折走る車の音がずいぶんと近くに聞こえる。微かに鈴の音がして、たぶんあれは、近所の猫が夜歩きをしているのだろう。このあたりは猫が多いのだ。

そういえば少し前、明け方に家に戻ってきてアパートの階段をのぼろうとしたとき、一段目にあった大きな黒いかたまりを踏んづけそうになって思わずびくりとしたのだけれども、冬の夜明け前の暗闇に溶け込んでいたその物体が猫だと気づくまでに、少しかかった。それは年末年始の帰省から夜行バスで東京へ戻ってきた早朝のことで、年明け、東京での第一日目に特大の黒猫の出迎えを受けるというのは、果たして幸運を意味するのか、その逆なのかと、まだしんとした部屋の中で考えてしまった。

あの黒猫、向こうのほうは驚いた様子も見せずに、ゆっくりと起き上がってどこかへ消えていった。あの日もとても寒かった。


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