日々雑感
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部屋の掃除。本棚の奥を片付けていると、はじめの数ページだけ使われ、あとは手つかずというノートが何冊も出てくる。日記やら勉強やら書きものやら、三日坊主の軌跡。自分の無精ぶりが身にしみる。
以前南米に行ったときに書き付けていたメモも発見。10ページもないのだが、すっかり忘れていたことなどがいろいろ出てきて、つい読み耽ってしまう。
街中のホテルへ両替をしに行ったときのこと。入り口前に小さな子どもたちが固まって遊んでおり、自分らを見るなり「チーノ!」「オラ!チーノ!」と声をかけてきた。「チーノ」とはスペイン語で「中国人」のことで、東洋人はとりあえず皆「チーノ」と映るらしい。状況によっていろんな意味がこめられるのだろうけれども、少なくともそのときは、皆目をまんまるにして立ち上がり、顔いっぱいで笑って、「オラ!」「オラ!チーノ」と興奮気味にあいさつするものだから、こっちもつられて「オラ!」などと返していた。
他にも、飛行機の窓から見た夜明けのアンデス山脈だとか、ムカデをかたどった謎の遊具のある公園だとか、探している場所がなかなか見つからず、一生懸命走り回ってくれたタクシーのおじさんだとか、あるいはアルティプラノで遠く影となる羊の群れ、ホテルにいた極彩色のオウム。忘れていたことが不思議なくらい、はっきり浮かんでくる。
そのノートの後半には、旅行後のスペイン語学習計画も書かれている。数ページつづいて、残りは白紙。この三日坊主はちょっともったいなかったと、今にして思う。
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