日々雑感
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2003年04月19日(土) やがて木になる

『ユーラシア大陸思索考』色川大吉(中公文庫)読む。「どさ号」と名づけた一台の車に乗り、ポルトガルはリスボンからインドまでを走破した「ユーラシア大陸どさ廻り隊」の記録。

隊員の中に本橋成一という名前があり、どこかで見たことがあると思っていたら、カメラマンにして映画「アレクセイの泉」の監督でもある本橋氏だった。「屈強かつ獰猛な面構え」をした青年が、ユーラシア大陸を歩いたこの旅を経て、やがてベラルーシの地で映画を撮ることになるのだ。その間約30年。どこかで自分の中に蒔かれた種子が、気づかぬうちに芽吹いて伸びて行ったりする。それがどんな木になるかは、たぶん「そのとき」まで分からないにせよ。

風の強い日。夏の夕立前のようなぬるい風吹く。


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