日々雑感
DiaryINDEXbacknext


2002年11月14日(木) 祈るということ

銀杏の黄色は青空によく映える。近所のお寺の境内。紅葉した葉に日の光が透けて、ふとガラスのように色のついた影が落ちているのではないかと思ってしまう。

このお寺は路地の奥にある。いつだったか、朝早くお寺の前を通りかかると、路地裏の玄関からあばあさんがひょいと現れて、お寺に向かって手をあわせ、深く一礼してまた消えていった。手をあわせる。祈る。願かけなどとも違って、ごくごく自然に。地元の浜辺、のぼってきたばかりの朝日に向かって手をあわせていた、あるおじいさんの姿も思い出す。

夕方、部屋の窓を閉めようとすると、アパートの下の茂みの中に大家さんの猫モモちゃんが隠れているのが見える。身をひそめて動かず。モモちゃんの隠れ家か。外にいると草に紛れてわからないだろうが、上のほうからは丸見え。舞台裏を思いがけず覗いてしまったようで、少し申し訳なく思う。


ブリラン |MAILHomePage