「北の国から」後編。21年ものあいだ、このドラマを支えてきた大きな柱は北海道の風景だったのだあと思いながら観る。今回は知床・羅臼の流氷が圧巻。トド射ちに出て遭難した漁師役の唐十郎は、流氷の上を歩いて戻ってくる。夜明けの陽の光に染まる流氷の上、ゆっくりと岸へ向かってくる小さな人の影。ドラマの筋も何も関係なく、それだけで、北の地に伝わる古い神話の一場面のような光景だった。夜、雨が降る。雷も鳴る。ひと雨ごとに涼しくなってゆく。