日々雑感
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2002年08月28日(水) 希望の鐘の音

少し離れた町に「希望の鐘」なるものがあると聞く。「希望の鐘」というからには、鳴らすと希望が叶うのではないかと根拠のない期待を抱きつつ、友人と車で出かける。

正確な場所はわからないのだが、まあ何とかなるだろうと見当をつけて田んぼの中の道をひた走る。今日もよく晴れた。ドライブ日和だ。車で30分ほどというので、気分も楽である。

しかし、行けども行けども、それらしき場所にたどり着かない。道を間違えて目当ての町を通り過ぎたり、戻ったはいいが行き過ぎたり、やっと看板を見つけたもののなぜか墓場に迷い込んだり、車を下に置いて、炎天下、急な坂道をのぼったり。ようやく、町外れの山の頂上にあると分かったのが出発してから2時間後。

これで大丈夫と山頂への道を車で登り始めると、だんだんと道が細く、険しく、急になってゆく。車道になっているのが信じられないような山道。対向車が来たらおしまいというような狭さで、すぐ横は深い森である。おまけに日光の「いろは坂」にも負けないカーブ続き。運転する友人の顔が固まっている。お願いだから帰り、代わりに運転してと泣きそうな顔をして言われるが、残念ながら(幸いに)免許は持っていない。希望を叶えるための道とは、かくも険しいのだ。

そしてたどり着いた山頂。確かに大きな鐘がある。何より、絶景。遠く日本海、かつて日本で2番目に大きかった湖の名残りである一面の水田、連なる山々、ぞっとするような深い森、そんな中、まばらに人が暮らす町がある。

鐘を鳴らす。大きな音が響く。町にも聞こえたろうか。「車で無事に山を下りられますように」と願いながら鳴らした、その希望はしっかり叶って無事に下山。ご利益あるかもしれない。


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