日々雑感
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用があって、知り合いのピアノ教室へ行く。レッスン室には大きな作り付けの本棚があって、本がぎっしり詰まっている。きっと、順番を待つ子供たちが好きなものを取り出しては読んでいるのだ。
小さい頃、自分が通っていたピアノ教室にも同じように本棚があった。ピアノのレッスンは嫌いだったけれど、その本棚は大好きだった。絵本や漫画、おそらく先生の好みであったろう外国の児童文学。それに植物や星や昆虫の図鑑。ずっと順番が来なければいいのにと思いながら、片っ端から読んだ。
本棚の前にへばりつき、鍵盤の前に来るとぼうっとなる生徒を持った先生に、今さらのように同情してしまう。ピアノはもうほとんど弾けないけれども、あのとき読んだ本のことはよく覚えている。
今日見た本棚。ムーミンシリーズ、『小さなスプーンおばさん』、いろいろな絵本、『稲中卓球部』、それらに混じってなぜか「日本刀全集」がずらりと揃っている。ここのピアノ教室、生徒層が厚いのかもしれない。
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