日々雑感
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夕方から大塚でバイト。高3の女の子の家庭教師である。
彼女の家には猫がいる。茶色くて大きなおじいちゃん猫だ。部屋に入るとまず足元によってきて挨拶。その後、ああだこうだと言っているあいだ中、棚の上でじっと窓の外を眺めている。終わると、途端に大きく伸びをし、またこっちへやってきて挨拶。「うちの子をどうぞよろしく」と言われてるみたいだ。
いちおう家庭教師ということで「先生」と呼ばれるのだが、どうにも慣れない。何も考えずに先生たちを「先生」と呼んできたけれど、呼ばれるほうの気持ちを少しだけ考える。世の先生たちは居心地悪く感じてはいないのだろうか。それとも「先生」と呼ばれているうちに、だんだんと「先生モード」になっていくのか。
夜、山手線に乗って帰る。彼女の家はマンションの9階にあって、窓からはちょうど山手線が行き来する様子が見えた。あの猫、今頃窓から見ているだろうか。「あいつ何だか頼りないなあ」などと思っているかもしれない。「先生モードになるまでの道のりは遠い」とぼんやり考えつつ、気がつくと居眠り。
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