Opportunity knocks
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村上龍 「半島を出よ」読了。 じつは大根と子鍋をくろこげにした張本人。 読み終わるのがもったいないような早く読み終えたいような、そういう複雑な気持で読み終えた。 村上龍の小説でそういう気持ちになったのは「限りなく〜」以来。
村上龍の小説は後半になるにしたがってだんだん文章が自分本位になっていって、それと合わせて文体も崩れていくようなそういう傾向を感じていたのだけど、この小説に関しては集中力が途切れることなく、小説の力というものが最後まで強く感じられた気がした。とても素晴らしい小説だったと思う。
アメリカとの蜜月が終わり、庇護してくれる相手もなく経済も国力も低下し、アジアからも世界からも孤立する日本、そういう設定は決して突拍子もないことではなく十分実際にありうることで、そういう現実を考えながら小説を読むといろんなことがくっきりと形を持って浮き上がって来る。
読みながら、揺らぐ、という言葉が何度もイメージとしてうかんできた。 曖昧な国民性、不安定な現実、信じていたものがいとも簡単に揺らぐ一瞬、その中で唯一変らないものは何なのか、そんなことを考えさせられた。
ちょっと言葉がまとまらなくて意味不明なのだけど、とにかくとても読む意義のある小説だったと思う。これを読んで感じたこと、またいろいろ考えていきたい。
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