Opportunity knocks
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イーサン・ケイニン 「エンペラー・オブ・ジ・エア」読了。 今まで生きてきた中で経験してきたことをなぜか思い出してしまう、そして、そのときはっきり認識できなかった自分の感情がいったいどんなものであったのかということを感じさせてくれる、わたしにとってはそういう小説。
「おたがいを知り合う一年」という短編はとくにそういうのを感じた。 過ぎてしまった時間の中にいる自分をもうひとりの今の自分が眺めている、そういう乖離的な感覚というか、客観的な視線というか、そういうものにたぶんひかれるのだろうと思う。
どの短編もそれぞれ深い味わいがあって甲乙つけがたいのだけど、強いていえば「音階の記憶」「頭の中で何かがかちんと鳴る」が好き。 「夜空の皇帝」は素晴らしすぎ。「夜の旅人」はかなしくて、「スター・フード」はせつない。「私たちの家」はやりきれなくて、「カーニバルの犬またはダイヤモンドを買う男」は読みながら何かがむずむずした。
それぞれの短編のタイトルだけをみていてもなんだかイメージがひろがるような気がする。そんな短編ってちょっとない。
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