Opportunity knocks
DiaryINDEX|past|will
| 2005年09月19日(月) |
新刊の感想(ねたばれ、かも) |
村上春樹 「東京奇譚集」
いやーよかったです。ちょっと言葉にできないくらいよかった。 前の短編集(神の子どもたちはみな踊る)と文章のトーンが似てるといえば似てるのだけど、 前のがより深く主題に入りこもうとしている感じがあるのと反対に今回のは少し離れた場所から、 というかやや距離を置いてその対象に視線を注いでいる雰囲気が感じられて、 やっぱりちょっと神の子ども〜とは、受ける印象は異なるかもしれないとおもった。 少し前に堀江さんの小説の中にでてきたフレーズのことを書いたけれど、 「ぼんやりと形にならないものを不明瞭なまま見続ける」という姿勢みたいなものを読んでいて何となく感じたような気がする。 わたし的にはハナレイ・ベイがいちばん良かったかな。 もちろん甲乙つけがたいくらいほかの短編も良かったのだけど。
おまけ。
読み終わってわたしにも奇譚とよべるような出来事があったかどうか記憶をたぐってみたのですが、 やっぱりなかなかそんなことはないみたいです。 少なくとも人生を揺さぶるようなものはなかった。 これから先そういうものに出会うかどうかはわからないですが。
むりやりこじつけるなら、連れ合いと出会ったことが奇譚といえば奇譚だったかも。 連れ合いとはある場所(あんまり詳しく言いたくはない)で出会ったのだけど、わたしはほんとうはその日、その場所に行くはずではなかったのですね。でもなぜか行くことになってしまった。 さらにいうと、大勢の人がいる中で同じ時間にその場所に着いたのも偶然だった。(それもまた中途半端な時間だった) 同じ時間に着いていなければたぶんお互いを意識しながらみることもなかったわけで、それも今思うと不思議な一致だったなあと思います。 連れ合いの言葉をかりて言うと、「いちばん最初に見た瞬間にわかった」ということでした。何がわかったのかギモンではありますが、その一瞬があって、わたしはひとりの子供の母親になってここでこの場所で今この文章を書いているのだとおもうとほんとうに人生って何が起こるかわからないなあと畏怖のようなものを感じます。
今ふと思ったのですが、わたしは連れ合いにとってはたして3人の中の最後のひとりなのでしょうか。(ってきかれてもこまりますよね) わたしとしてはいまいち自信がない、、、。 まあ、そうだとしても、あるいはそうではないとしても、この広い世界で偶然出会ったというそのことはこれから先も(なにがあるかわからないけど)大切にしたいなあとそうおもっています。 ながいながいおまけでした。。
|