TOI,TOI,TOI!


2002年11月28日(木) 後半

休憩の後は、ヨハネスとフローニのカルテット、そのあと最後にソンニョのピアノトリオだった。

ヨハネスとフローニのは、数日前に同じ曲目で聞いていたので、聞かずにソンニョの楽譜を見ていることにした。だって始めに弾くブラームスはいいとして、そのあとは知らない新しい曲とショスタコービチで、楽譜を追っていけるかとっても不安だったのよ。も〜踏めくり嫌い!

ヨハネスとフローニ達のカルテットは、友達の評+私が前回聞いた感想ということになりますが、
まず、なんと言っても若い。いい意味でも悪い意味でも。
このカルテットは一番若いチェロが一番いい。まだ18歳という若さ、細身で美人。ふわふわパーマがすてきないわゆる”フランス人形”なイメージ。しかーし、すごーく上手い。
リズムの感じ方、ちょっとした節回しなどで、ふっと、プロの香りがする瞬間があるの。

ヨハネスの評価は分かれる。ちょっと鼻につくという人もけっこういる。
彼は自信たっぷりの態度で弾く。だけど、逆にいうと、それはスター性だと言えると思うのだ。
頼もしい。ほほえましい。将来が楽しみ。という目で見る人は多いと思う。
彼らはこのコンクールのために組んだグループではなく、もとからあって、これからも続けていくグループ。
そこがほかのグループとの大きな違いだ。

曲目はモーツァルトのハイドンセット1番終楽章、Schulthorpe、ベートーベンハープ2楽章、ブラームス1楽章。
Schlthopeという人のカルテット8番を全楽章弾いていたんだけど、これが結局一番良かったんじゃないかな。クロノスカルテットのCDに入っていた曲らしいです。面白い曲なので、現代曲で面白いものを弾きたい人におすすめです。

それぞれの曲のキャラクターが分かりやすくてはっきりしていて、印象に残りやすい、うまい選曲だと思う。
ブラームスはフローニの反対を押し切って、ヨハネスのたっての希望で弾いたらしいけど、やっぱりまだちょっと若さが出てしまって、ブラームスのしっとりした雰囲気が出てこなかったのが残念。

このカルテットは、勢いはすごいんだけど、ちょっと雑。ファーストバイオリンは難しいのよく分かってるけど、それでも音程とかちょーっと雑なのが残念。まあでも若いんだから、これからやればいいのだ。

最初のグループとこのカルテットの演奏を、足して2で割ったら、文句なしブッチギリの1位だな。

しかし、なにかを意識するばっかりに、何かが足りなくなってしまう。これって難しい問題だよなぁ。
バランスっていうものの大事さを感じる。勉強になった。

トリオは、踏めくりをしていたせいで、ちゃんと聞いてない。
言い忘れたけど、バイオリンはDAVID。チェロはスペイン人のジョン。
この顔ぶれでコンクールに出るのを知ったとき、私はここが1位を取るんじゃないかと思った。学校内ではかなり優秀な人材の集まりだ。
しかし、優秀な人が集まればいい室内楽ができるわけではないという手本になってしまったか・・・。
それぞれのプライドの高さのためか、注意深く弾いていた印象があり、おかげでへッポコなミスは皆無だった代わりに、ピアノトリオならではの、3者が個性をぶつけ合う感じがなかったというのは友達の評。私も舞台上で多少それを感じた。

ソンニョは終わった後、凹みまくってた。めずらしく。
なんか前の日に、ピアノ大きすぎる、落とせと誰かに言われたんだって。先生かな?
それで、すごーい注意深く弾いちゃったんだって。大きい音が出ないように。
それで、もう不完全燃焼で、悔しくて悔しくてしょうがないって。


結果は、
1位:ピアノ四重奏(ジュゼッぺ、トニオ、etc.)
2位:弦楽四重奏(ヨハネス、フローニ、etc.)


ソンニョがビール一杯おごってくれると言うので、一番最初のグループ以外の3グループ合同の打ち上げに私もいった。
ヴァレンティンにおめでとうを言ったとき、
「いやとにかく弾けて、安心してる。何回も合わせしたこととか考えたら、弾かなかったら本当に最悪だった。金曜日から全く弾かないで、(人差し指を使わない)指使いを考えてた。」
と言ってた。よかったねーほんとにもー。

コンクールなんて嫌いだし、私はやりたくないんだよね−と言ったら、Davidはこう言ってた。
「コンクールなんてもちろんいやなものだ。けど、でもこれは僕らにとって、良いトレーニングになってるんだ。だからいいんだ。」
彼は、落ち込んだ様子もなく普段どおりで、励ましの言葉をかけるつもりだった私は、そのまま言葉を飲みこんだ。彼は、私に同情させる隙すら与えなかった。彼のほうが何枚も上手(うわて)。


次の日のリサイタルも、まったく素晴らしかった。
もう、テクニック的にも音楽的にも、申し分ない。
すごく丁寧だし、曲のスタイルによって、違う人が弾くみたいに自由自在に変化しているのがすごいし、それでいて工夫もこらしてあるので面白かったし、なんか私なんか足元にも及びません、太刀打ちできましぇん!って感じ。

マライケと聞いてたんだけど、マライケは鳥肌が立ったと言って、鳥肌を見せてくれた・・。


  
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