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2005年09月09日(金) 星になる
チビは喜怒哀楽が激しい女。
正確に言うと、喜怒哀楽の「哀」が欠落した女。
ぎゃーーーー!!!と大泣きしているときも、悲しくて泣いているという現象にお目にかかったことが無かった。大抵、腹が立つのに言葉で言えないから、その代替行為としての「抗議泣き」なのだ。

それが、夕飯を食べながらテレビの史上最強の人間ドックの芸能人の寿命のコーナーで、突然彼女の中の何かに火がついてしまったようだ。
「死んじゃったら、星になるの?」
(実家の犬が死んだ時に、星になったと教えてあったので彼女の中では「死ぬ」=「星になる」の公式が出来ている)
「そうだね、なるんじゃないかな」
「星になったら、会えないの?」
「お空を見上げたら会えるんだよ」
「でもお話とかはできないの?」
「うーん、そうだねぇ…」
「やだ… パパもママもお兄ちゃんも星になっちゃやだ…」
「人間いつかは星になるんだよ…。でもすぐじゃないから大丈夫だよ」
「やだ、恐い… 悲しい…」

すっかり涙目。
その後、一人になるのを極度に嫌がり、小僧のトイレについていくにも一苦労(小僧も「本当にあった恐い話」以来暗いところが恐くてたまらないらしい)。

「チビがお母さんになっても、ずっとずっとママと一緒にいたい…」

すごーーーーーく嬉しい言葉で、涙が出そうになったけれど、ここで
「うん、うん、そうしよう!」
と固く結ばれてしまったら、大人になったときに彼女が窮地に立つのは目に見えている。
そんな風なことが頭をよぎって、
「チビがお母さんになったときに、一緒にいたい人と一緒にいていいんだよ」
と返事をしてみた。
チビは消化不良な顔をしていたけどどうだったのかな。ひしっと抱きしめてあげた方が良かったのかしら。
夜も、悲しそうに夜泣きをしていたし。

大人になった今でも、喪失感に怯えている私には難しい。



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