| 2007年01月26日(金) |
ぶち猫マガーク(仮)の追跡劇 |
やらなきゃいけないことの九割九分が終わってやれやれ。 それと同時に突き上げるように巻き起こってくる渇望。
こんばんわ、それは『あまいのたべたい』。もえぎです。 どーいうわけだか、肩の荷が下りると同時に、急激に食べたくなりました。 で。ついつい母がつくりたてのドーナツをつまんでおりましたら。 久し振りにドーナツを多めに食べたので、胃にもたれることもたれること。 暫く胃の辺りおさえてうめいておりました。 後先考えないにもほどがありますね。 しかしこの胃のもたれっぷりは、洛にいた頃を思い出します。 確か、新しいはちみつ(みかんだったかオレンジだっか…)を買ってご機嫌で。 好みにぴったりの味だったのも手伝って、すっかり気に入って。 ことあるごとに味わいたくなってしまったので、 調子に乗って朝ごはんのホットミルクに落としてヨーグルトにも落としたのです。 結果。朝から壮絶に胃もたれしてうめくこととなりました。 全然学習してない辺り、我ながらどうしてくれましょう。
あまいの繋がりでもう一つ。先日、あることに出くわしました。 それがまた、なんともうきうきこころたのしい出来事でして。 おなかも膨れたうららな午後、お昼寝前に一粒口に含んだチロルチョコみたいなうれしさ。 そんなことに、出くわしました。
日が落ち、暮れ行き、しずしずと深い藍色に染まってゆく空。 多少は日が長くなったとはいえ、まだまだ暗い夕方のこと。 ばんごはん何かなあと思いつつのんびり帰途についていたときのことでした。 村の中に張り巡らされた細い路地に足を進ませておりましたら。 ふいに。あるお家の前を通るかかると、庭先からひょこりとにゃんこが姿を現しました。 白と黒のぶちにゃんこ。何処にでもいそうな、ありふれたにゃんこ。 見事にばったり遭遇しましたが、あら、と思った以外特に感慨はありませんでした。 こんな風に出会ってしまうと、きっとにゃんこはすぐさま走り去ると思ったからです。 けれども。どうしたことか、逃げる様子がありません。 じいっと、微動だにしない三日月の目で見つめてきます。 ですから、ああこれはわたしがどっか行くのを待ってるのかなと考えました。 なら早いとこ退散しようと、てくてく歩き出しました。 すると。 どうにも背後に気配がするのです。何やら荒めの息遣いみたいにも聞こえてきます。 不思議に思い振り返ると、先程のにゃんこが数歩後ろを歩いていました。 わたしが足を止めると、ぴたりと向こうも足を止めました。 片方の足は二本で、もう片方の足は四本ですが、止まり方は同じでした。 見つめるわたしの視線の先で、何?とでも言いたげにこちらを見返してきます。 それがなんだかおかしくて、つい、口角を上げてしまいました。 少し興味を抱きました。
わざとUターンして、にゃんこに近付きました。 するとにゃんこは僅かに後退し、わたしとの距離を維持します。 けれども逃げることはありませんでした。 ちっとも走り去る様子もないので、一瞬何処かの家にゃんこかとも思いました。 それならば、ちょっとおいでおいでしたら、近寄ってくることもあるかなあ、と。 ひょいとその場にしゃがみこむと、おいでおいでしてみます。 しかし寄ってはきません。あくまで距離を取ったまま、ただただ凝視してくるのです。 向こうも興味は抱いているのか、視線は常にわたしにむけられていました。 かたっぽの手袋をはずすと、ひよひよとにゃんこが好きな動きに揺らしてもみましたが。 すり寄ってくることはありませんでした。かといって、牙剥くこともありませんでした。
どうにも相手の心理を把握しかねたので、手袋を元に戻すと、 やれやれと立ち上がります。 わんこはまだ多少分かりますが、にゃんこは難しいなあと、しみじみ感じました。 そうして再び家路に向かいます。角を曲がり、別の路地に入ります。 するとまた。背後に気配と息遣い。誰のものかは書くまでもなく。 もう一度感興がわいてきたので、敢えて歩行速度を落としてみました。 まあ、ただ行きたい方向が一致しただけかな?と思いながら。 そしたら、すう、と左脇をすり抜けてゆく小さい影。 わたしを追い越して、足早に去ってゆきます。 やっぱり方向が同じだけかあ、構ったりして悪かったなあ、と見ていると。 街灯の下。一つ先の曲がり角。 ちょこんと腰を下ろして。あの微動だにしない瞳で。 じいっとこちらを見つめている白と黒の。 目をぱちくりしてしまいました。 咄嗟に、『待ってくれてる?』と考えてしまったわたしはおかしいでしょうか。
驚いてきょとんとしているわたしの前で、にゃんこが顔を上げます。 ぐぐうっと首を伸ばして、そらすようにして。荒い息遣いが更に大きくなります。と。 へぶしっ。 一瞬何か分からなくて、けれどもすぐさま分かって、思わず笑ってしまいました。 にゃんこのくしゃみ。 驚きが吹き飛ばされて、面白みに変換されてしまいました。 さっきからどうも呼吸が荒いなあと思っていたら、風邪っぴきで鼻づまりの模様。 てくてく近付くと、今度は向こうが座っているものですから、こっちが予め距離を取って。 相手がずっと維持しようとしていた距離のまま、もう一度側にしゃがみこみました。 その前でにゃんこはへぶしへぶしと、連続くしゃみ。悪い噂かもしれません。 今度はこちらがじいっと見つめてみます。 そしたら次は、はあ、と大きく呼吸をしてくしゃみの準備。 よく出るなあ、もしかして花粉症かしらなどと、 自分のこともあり、ややおののいておりましたら。 今回は不発に終わって、溜め息に。 ちょっと残念そうな吐息が、やたらと人間くさくって、また笑ってしまいました。
暫くそうやってなごむと、三度、帰途につくため立ち上がり歩を進め始めました。 じゃあ、と軽く声をかけて行きますが、流石にもうついてくる様子はありません。 なんだか奇妙にうきうきしながら帰る、冷えたアスファルトの道で。 ちらりと何度か振り返ると、街灯の下、三日月の目がずっと見つめていました。
あれが音にきく三毛猫ホームズってやつかしらと推理しつつ、家にたどり着きます。 (注:未読なため知ってるのは題名のみ。更ににゃんこはぶちです) いつもよりちょっと遅れて帰宅すると、母にどうしたのかと心配されました。 何やらおかしく楽しくて。笑って説明しておきました。
猫に尾行されました、って。
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