日記

2006年10月08日(日) 『文句があるなら春日山にいらっしゃい』


どうしてここの管理人はこうも浮気っぽいのでしょう。
いつの間にやら増えまくった取り扱いジャンルの多さに頭を抱えそうです。


こんばんわ、そのくせBASARA小話がぽこぽこ思い浮かんでどうしようかと。もえぎです。
うー…何故ゼノ一本で貫いてゆけないのか。
や。いまだに根底はゼノですよ。こればっかりは揺らぎませんし譲れません。
と、申しますかゼノがありとあらゆる大前提たりえなくなることが、そもそもありえません。
それっくらい、絶対磐石、大前提。です。
ゾイドは機械好きなもえぎさんにクリティカルヒットしました。
サモナイはキーアヤ含めフラットの大家族属性で大ダメージ。
バハラグは長年の思い入れがここにきて何故かはじけて。
新世界は思い出付加価値しつつサーガも絡んでグダグダで愛。
それ以外のちまちましたお話はまとめて片付けてみたりしてます。
ポップン、指輪、攻殻、FF6などなど。もうしっちゃかめっちゃか。
最初の二つは、もう更新も止まっちゃってますね…すみません。
サーチさん閉鎖に伴い、何処かに登録するのもやめちゃいましたし。
サモナイは多分4やらないと思いますし。
わたしには戦闘が3でそろそろきつくなりすぎました…。
ゼノ含め、残り三つのジャンル。きちんとお話書いていきたいです。

スランプがあったとはいえ、書きかけ放置があちこちにあるのですよ。
新世界に二つ、サーガで三つ。書き直そうとして手が出せてない大神が一つ。
更にゼノですと、追加お題の四つにも手をつけなきゃです。まだ書き出してさえ…。
バハラグだって書きたいことはたくさん。ドラゴンドラゴン!魔女さんと将軍二人も!
けれどこれら殆どに共通して言えることは――長いんです。多分。
書き込みすぎて時間かかりすぎて字数多くなりすぎるのはわたしの悪癖です。
きちん、きちんと、一つずつ片付けていかなくてはですね。
がんばるぞー。おー。

ゼノがだいすきなのですよ。
でも時々、かなしくなってしまうのです。
だからといって悲しみを癒そうとBASARA書くのもどうかですね(苦笑)
これこそほんま懲りもせず。
ただでさえ日に日に慶次さんラブがふつふつしてきてますのに。
とか言いながらわたしまだ慶次さん書いたことありませんのに。
またもつるぎだったりするあたり、自分で自分がつくづくわけわかりません。





『文句があるなら春日山にいらっしゃい』(戦国BASARA。忍二人。)

 長年の敵対関係にある軍に、それぞれ身を置いているにも拘らず。どういうわけだか武田と上杉の忍二人は、よく顔をあわせる機会があるのです。お互いに諜報活動についている所為もありましょうが、それ以外にも何故だかあちこちで出会うのです。
 今日もそんな日。そろそろいちいち驚いてもいられなくなってきた、同郷二人のおかしな邂逅。樹下からねめつけるような眼差しを送ってくるくのいちに、にこにこ顔の忍は松の枝に逆さにぶら下がったまま、訊ねました。
「なあ、かすが。贈り物されるとしたら、お前、何がいい?」
「何だやぶからぼうに」
「ま、聞けって。贈り物だよ贈り物!貰うとしたらどんなのだと嬉しい?」
「答える理由はない」
「答えるだけで損はないぜ?」
「…………」
「んじゃ、質問を変えるか」
 佐助は枝に足をひっかけたまま、上半身で反動をつけてくるんと一回転し、枝の上にすとんと鮮やかに着地をきめました。しゃがんだ体勢になり、相手のご機嫌を伺うように、薄い笑みを浮かべて更に問います。

「好きなものは?」
「謙信様」
「好きな言葉は?」
「謙信様」
「仕事は?」
「謙信様の懐刀」
「見たいものは?」
「謙信様の治める天下」
「願いは?」
「謙信様のお役に立つこと」
「未来は?」
「謙信様の、ずっと、お側に…」
「主君を一言で表すと?」
「一言でなど、一言でなど無理に決まっているだろう!あの方のように美しく、気高く、情に篤く、理知深く、やんごとなく、美しいお方を…あぁぁ…謙信様……!!」
「俺を一言で表すと?」
「塵芥。」

 ずばり、と言葉ですっぱりきっぱり斬り捨てられ、あちゃあとでも言いたげな微苦笑が佐助の顔を覆います。軽く額を押さえながら、やれやれとばかりに改めてかすがを見下ろしました。さりげなく『美しい』って二回言ったよなあ、と思いつつ。
「なーんかその扱いの差って、俺ちょっと傷つくんだけど…」
「知るか」
 弱々しく佐助が言葉を放つも、かすがは整った鼻梁をつんと上向けて、取り付く島もありません。全く、先程主君のことを想ってとろけそうな微笑を浮かべていた彼女と同一人物とは思えません。ふい、とそっぽさえ向いてしまったくのいちの背中に、やれやれと、最早何度目かも分からない溜め息を零しそうになっていますと、かすががそっと木から離れました。
「――またな」
 振り返りもせず。説明もせず。返答も待たず。離れ際、小さくぽつりと呟いたくのいちは、瞬時に巻き起こった光の竜巻に包まれ、蛍の残滓が宙を漂う頃には、影も残さず姿を消していました。残されたのは、樹上の忍が一人と、忍の網膜にすっかり刻み込まれている、うつくしくも不器用なくのいちの、この上なく嫣然とした微笑でした。それが自分に向けられたものではないとは、重々承知していても、何だか思い出すだけでついついにまにましてしまいそうです。
「やれやれ」
 漏らしかけては押しとどめていた台詞を、ようやっと吐き出すと、佐助は枝にしゃがんだまま再び微苦笑を浮かべました。

 途中までは我ながら素晴らしい誘導っぷりだったと確信しています。話題を主君方面に切り替えれば、かすがが確実に反応するのは目に見えています。今の彼女の全てを満たし、掌握しきっているのは、他の誰でもない越後の軍神殿でしたから。質問をしてゆくにつれ、徐々にかすがの警戒心はとかれてゆきました。平生、佐助に対して見せている、臨戦態勢そのものな刺々しい雰囲気は綺麗に拭い去られ、とろんとうっとり陶然としてゆきました。脳裏に最愛の主の姿を思い浮かべるだけで、めくるめく歓びが瞬を駆け抜けるのでしょう。咲かせた赤い吐息は盃なのでしょう。夢見るような眼差しは熱っぽく僅かに潤んでいましたし、雪白の頬は見事な薔薇色に染まっていました。口の端にはためらいがちで、息も絶え絶えな微笑すら灯っていて。正直に言って、今まで佐助の前で見せたことなど一度もない表情でした。彼はほんのり切ない気もしましたが、敢えて口にも顔にも出しません。
 で。そんな状態のままならば、かすがの口からぽろりと。ちょっとくらい。自分に対して好印象な言葉が聞かれないかなー?というはかりごとだったのですけれど。内心若干うきうきしながら放たれた問いに対するかすがの反応は、それは見事な変わり身でした。
 瞳は刃のように鋭く眇められ、頬の薔薇は霧と消え。一片の迷いもなくさらりとばっさり言い捨ててみせたのです。『お前は私にとって塵芥。』と。
 けれど。
「ま。滅多にお目にかかれないもん見られたし、良しとするかね」
 鋼と氷で築き上げた要害と、ありったけの警戒心で武装しているいつものかすが。その一角がぽろりと崩れるだけで、ああも幸福そうな表情をしてみせるのです。例え自分以外の誰かさん、厳密に言えば春日山の軍神殿に対してのみ捧げられている微笑ではあっても。ただ一人しか知らなかっただろう微笑を、自分も知ることができて、あんただけじゃあないんだと、ちょっと対抗意識を抱いてみたりで。
 よっこらせと腰を上げると手をかざし、烏を呼び寄せそのままつかまり、ばさりと宙を飛んでゆきます。贈り物に関しては、寝首を掻かれるおそれを考慮し笄は候補から外しつつ再考してみるかねえ、などとのんびり考えながら。苦労忍はそれなりにご機嫌で、甲斐の国へ戻ってゆきましたとさ。


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