日記

2006年04月14日(金) 『どっちもどっちですよ新世界』



今日も今日とて新世界。紺堂嬢とデートしてみたり。
……そして今日はわたしの、お誕生日だったり、します。


こんばんわ、突然ですが今日買ったものリスト発表ー。もえぎです。
紺堂嬢が自転車の後ろ乗っけてくれたので、おでかけGOGOでした。
新手のヘブン行ったりいきつけのゲーム屋さん行ったりしました。
誕生日なわたしの戦利品の数々。
・チョコバット×2
・うまい棒(チーズ味)×1
・未来冒険チャンネル5(中古) 一巻
・…………鉄拳4

さあ、最後の一つをちゃんと書いた辺りで、『まだ書いてないものあるだろう』
なんて仰る方はいはらないでしょう!正直にあげましたよ!(笑)
ごめんなさいごめんなさい気になったんです鉄拳4。
鉄拳5には過去作品が収録されてますが4が入っていないでしょう?
他にもなんやかんやと気になることたくさんだったので耐え切れませんでした。
そして例によって最強データをもらってズルをしています。
更に例によってゲームレベルをEASYにしているのに勝てません。
でもプラクティスコマンド表とにらめっこしながら黙々と練習しながらも、時折。
『飛び二段蹴り出せた!飛び二段蹴り出せたよ!!羅刹門・壱もだよきゃほう!』
とかって喜んでいます。単純です。
その裏でどうしても五連撃が入力できなくてしくしくしてたりします。単純です。
取り敢えず仁さんは素敵です。仁さんはかっこいいです。はい。

こんな日に。デート終了また明日ねーと紺堂嬢とさよならした後。
鳴り響くわたしの携帯、曲はLOVE IS ORANGE。紺堂嬢専用曲。
エピ3の体験版が届いたとの報告でした。
因みにわたしは申し込んでいないので届くかどうか以前の問題です。
申し込まなかった理由は二つあります。
一つは、ファミ通限定なのがなんかむかついたの。
もう一つは………。
―…こわかったからです。
ここ暫くのうちのサイトはご覧の通りナプコンなみれ。
エピ2でこの世の絶望とか色んなものを味わったぼろぼろなわたしを癒してくれました。
それはそれはたっくさん、癒してくれました。
でも、これだけ癒してもらいながらも、決して傷は消えることがありません。
まだ怯え、こわがっています。
それだけの存在でしたから。エピ2は。
で。受けた報告。信用にたる人物からの感想。報告。受けました。
……多くは語らないようにしましょう(苦笑)
取り敢えず、夢も希望もないなあと思いました。





どうしてそんなにユーザーを傷つけようとするのですか?
どうしてそんなにわたしをころしたいのですか?
希望を抱いて僅かな希望にすがりつこうとしたわたしがいけませんでしたか?
またわたしをあんな気持ちにさせるおつもりですか?
あんなに酷い。酷い。ことをなさるのですか?

ねえ。八年なのです。あと三ヶ月でわたしの八年が終わるのです。
もうわたしあと三ヶ月で世界から消え去ってもいいやと思うくらいなのです。
長いのか短いのか分からないわたしの八年。
愚かなわたしはそれなりに長かったと思うのです。
その八年を最後に踏み潰して踏みにじって醜く抉ってにっこり微笑まれるのですか。
これ以上わたしをころさないで。どうか。





もうしらない。悲しいことなんて知りません。
わたしがああも無邪気に信じて身を預けた未知数がいびつに歪んでゆくのなら。
今はただ、快くしあわせな新世界にこの身をひたすことにいたしましょう。
交差する新世界は光も闇もやがてとけて一つになるそうです。
じゃあわたしもそこへとぷり、ともぐっておこうと思います。
ありがとう。本当にありがとう新世界。
新世界がなかったら、二年前瓦解したものを必死にかきあつめて再構築したもの。
それがこの前情報だけで既に再び音もなく砕けてしまっていたでしょう。
祈りすぎたいのりのゆびわかわたしは。





『どっちもどっちですよ新世界』

 お食事時が去りまして、漸く落ち着きを取り戻した食堂は、とてもがらんとしてみえます。けれども、戦場のごとき厨房から抜け出すことのできたママたる主任にとっては、大変心落ち着く場所であります。シオンは台所の後片付けやらを済ませた後、食堂でのんびりお茶を頂いて一息つくのが、ここ最近の習慣になっていました。そして、二人分のお茶の仕度をするのもまた、習慣になっていました。お相伴に預かっているのは、仁でした。
 どういうわけだか、彼は子供たちの人気者なのです。すっかり優しいお兄ちゃん扱いです。まあ新世界メンバーの中で、子供の話すことをきちんと聞いてくれて相手してくれる良識的なお兄ちゃんみたいな人は彼くらいしかいないからなのですが。とにかく人気者なので、食後ともなると、ちいさい子たちが競い合うように遊んで遊んでとくっついてきます。そしてちゃんと相手をしてやるのですから、成る程、好かれるわけです。
 で。シオンが台所仕事を終えるのと、仁が食後の遊び相手を終えるのが、丁度同じ頃合いなものですから。お互いに大変ですね、と一休みしながら他愛もないおしゃべりをするのがいつものことになっていたのです。まあ彼はそんなに多弁なほうではないので、シオンが何か話題を持ち出すのに、二言・三言短く答えるだけなのが殆どですけれど。たまには話を切り出すことだってあるのです。
 ともあれ今日も、そんな日で。お茶を飲みつつのんびりしていましたら、仁がふと思い出したように呟きました。

「しかし、こんな生活では、法事もできんな」
 ことりとお湯飲みを置いて、ふうと小さな溜め息一つ。ちょっぴりしゅんみりして見えます。普段は常に凛として、気を張っている風ですのに、ちょっと表情を緩めるだけで、彼は随分子供っぽく見える時があるのです。けれどシオンがきょとんとしたのは仁の相貌ではなく、言葉の内容でした。微妙に聞き覚えのある単語を、思わぬ形で耳にして、軽く口の端がひきつりそうになりました。
「ほ、法事ですか…」
「ああ。祖父の法事だ。もうすぐ時期のはずなんだが」
「え?でもおじいさんって…」
 彼の口から『祖父』という言葉が出てきて。当然真っ先にシオンの脳裏に思い浮かぶのは、あの超元気で超丈夫なとっくに還暦過ぎたはずの、某財閥総帥です。
 シオンの反応に、敢えて名前を言わずとも誰のことを考えているのかすぐさま分かったのでしょう。少しむくれたようにして、すぐさま憎むべき相手の存在を打ち消そうとします。
「―…母方の祖父だ」
「あ。そ、そうですよね」
「忌々しいことに、あいつはそう簡単には死んでくれん」
「もんのすっごくお元気ですもんね……」
 静寂がのたりとその場をゆるゆる占拠しようとしてきます。確かにちょっぴり間の悪い沈黙ではありました。身内の話題は、仁にとって禁句みたいなものですから。けれども二人はお茶のみ仲間、沈黙にびくびくしてしまうような、かたっくるしい関係でもありませんので、シオンは先程気になった単語について、新しく話題を展開し始めます。もとから探究心旺盛なので、知らないことを知ることに、興味津々なのでしょう。お湯飲みを両手でつつみこむようにして持ちながら、感慨深げに漏らします。
「そっか…仁さんの時代では、まだ法事って、現役の行事なんですね……」
「行事というほど華々しいものじゃない。しかし故人の供養はきちんとしないとな」
「私たちの世界だと、もう古代の儀式扱いなんです。知ってる人の方が少ないような」
「?なら何故あんたは知っているんだ」
「う。」
 痛いところを突かれ、ぎくりと身を強張らせます。そのひきつった笑みを見て、仁はすぐさまぴんときました。シオンがこういう反応を示すこといったらそうそう沢山はありません。中でも、彼自身と同じ名前だという年の離れた兄とは、ぎくしゃくした関係なのだとシオン本人からこのお茶の席で何度も耳にしています。嫌い、というのではなく純粋に苦手だという兄、本にばかり埋もれていて他のことをちっとも考えてくれないとよく零しています。けれど話題に上がるということは、それだけ気にしているということで。仁にはよく分からないながらも、仲違いの原因が一つでも解決されれば、兄妹の関係は良好になるのでは、などと内心思っていたくらいです。博識だけれど苦手な兄。未来の人間ならば大多数が知らないような古い習慣を知っていて、それをシオンが聞かされたということかと推測します。
 この考えが間違いかどうか訊ねる前に、シオンが急かされるように口を開きました。それは仁の考えに正解の判を押すようなものでした。
「だ、だって口実に決まってるんですよ!『法事だから帰って来い』だなんて!確かに何年も実家には帰ってません、でも仕事が忙しいからっていうのは事実です!……多少誇張したかもしれませんけど」
「だが、先延ばしにし続けられることでもないだろう」
「分かってるんですけど、つい……」
 今度はシオンがしゅんみりしてしまう番でした。困り果てたように眉を下げた表情は、まるで叱られた少女のよう。元々童顔なのも手伝って、先程の仁など比べ物にならないくらい、幼くみえています。それがなんだか妙におかしく思えてしまって、そこはかとない微笑を誘われてしまいます。
 仁の家庭は何せああいう状況なので、身内に対してシオンの抱く『嫌いではないけれど苦手』という感覚がどうにもぴんときません。顔をあわせるたびに殴り合いやら殺し合いなのもどうかと思われますが。ともあれ、話に聞いているだけとはいえ、シオンの兄が妹を思い遣っている様子は簡単に窺い知れますし、シオンがどうにか兄への苦手意識を克服したいと努力しているのも理解できます。お互いにお互いをおもいあっているというのに、それが擦れ違ってしまっているのは、どうにも惜しい話です。
 何度も言うようですが、仁の家庭はなにせああいう状況です。和解などできるはずもないと彼は固く信じていますし、そもそも他の二人の頭に和解なんて言葉はないでしょう。考えるだけ無駄です。ですからなおのこと。もう少しで上手くいきそうな家庭があるのなら、そこを応援したいと仁が考えてもそれは自然な発想でしょう。自分ではきっと叶わない。だからせめてよその家くらいはと。
「とにかく、一度試しに帰ってみてはどうだ?」
「う…うーん…」
「お兄さんは喜ぶのだろうし、それに何より、先祖は敬うべきだと俺は思う」
「そう…です、ね」
「ああ。せっかく家族がいるのだから、大切にした方が良い――…?」
 シオンに帰省を促すべく、説得めいた言葉を口にして。やや困惑しながらも、仁に言われ、彼女もたまには帰るべきなのだろうかと考え始めます。そして彼女から見れば遥か昔の風習に則って、祖先を敬い悼む気持ちを忘れずにいる仁に敬意を表し、彼の提案を受け入れようとしました。上手くいったかと内心思った仁は、ふとおかしなことに気付きました。さっきまで神妙な面持ちで彼の言葉に耳を傾けていたシオンが、一瞬瞳をぱちくり見開いたかと思うと、次にはゆっくりにこりと満面の笑みを灯したのです。
 あまりにもいきなりな表情変化に、どうしたのだろうと彼は不思議に思います。けれどもシオンはくすくすと、口元に手を添えて、最早零れ出る笑い声を隠そうともしません。彼女にしてみれば、気付いていないのは、仁のほうなのです。
「そうですね。家族がいるんですから、大切にしなくちゃですよね」
 ほんのり悪戯っぽく紡がれた声に、仁は、あ、と声に出してしまいそうになります。漸く気付いてくれた、とばかりにシオンはにっこり大輪の微笑。
「だから、仁さんもご家族と仲良くされなきゃダメですよ?」

 どうやらやぶへびだったようです。慣れない過剰なおしゃべりはするもんじゃあありませんね。会話の流れ上、仁にシオンの提案を無碍にすることはできませんでした。おっそろしく渋々の嫌々ではありましたが、『……努力する』ということで、シオンの許しを貰えたのでした。
 このお茶会以降、おじいちゃんの手の届かない場所にあるおしょうゆだのきゅうすだのを無言のまま無愛想に突き出すお孫さんの姿が時々目撃されるようになりました。これだけでもたいした進歩です。決死の努力を行ったのでしょう。そして更に、そしてシオンの目の届く範囲にて、お孫さんがおじいちゃんに戦いをふっかけるようなことも、なりをひそめたとのことです。
 女のコにおしゃべりで挑むときは、十二分にお気をつけなされということですね新世界。


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