ぜえはあ。疲れた。頭痛いと思ったら熱がありました。 昨日からおかしいなと思ってたら熱がありました。いいかげん学習しよう自分。
こんばんわ、それでも書くのはやめません。もえぎです。 どーにも体がだるく動かせず頭痛が続くなあと不思議に思っておりましたら。 今日になり漸く熱をはかるという動作を思い出し、はかってみあら案の定。 本当に学習能力ありませんねこの人。もう何度目。 でも書きますよ。ええ、うんと書きます。書きたくて書きたくてうやーってなってます。 書くことはやはり楽しいのですね。 いえ、訂正します。楽しくて辛くて頭抱えて戦いで愛です。何それ。 わたしはかくて、『書く』ということを呼吸だと考えていました。 そうしていないと生きていけない。 けれど書かないでも生きていられる日々を過ごして、少しずつ気付きました。 まだ確実な答えは出せていませんが、これは、『呼吸』ではなく、『受胎』。 余りに幼い頃から書いていたので、当たり前すぎてそう考えてしまっていた。 幼いわたしには考えも及ばなかったでしょう。けれど今ならこう思います。 わたしの卵子。わたしのたまご。わたしのこども。 ゆえにわたしは書くのでしょう。様々な苦しみに苛まれながらも。
とにもかくにもリハビリだおりゃー。勢いだけのバハラグだうりゃー(笑) 結構難産でした。三分の一書いた時点で途中放棄していたのです。 で、バハラグ小説書くのがつっかえてしまったという原因のお話。 どうにかこうにか書いているうちに、あんましドラゴン前面に出なくなっちゃいました。 ドラゴン十匹計画のお話なのにー。 人間がかなり出張ってます。個人的趣味としてかなりトゥルース贔屓です。 取り敢えずうちのビュウはこんな感じなのです。 タイトルは決められましたが、ちょっと安易ですね。引用そのままですし。 けれど、なんて綺麗な言葉だろうと思ったのです。 それから初めて、ドラゴンの名前をオリジナルでなく書いてみました。 まあ難しいこと。でもこうしないと、お客様分かりにくいですもんね。 色々後日修正は重ねますが、今はこんな形でリハビリ中です。 あーゼノの語りも書きたくなってきたので、近日中に何かできそうです。 書かない時はぱったりなくせに、書き始めると一気ですね。何この管理人。 ともあれリハビリリハビリ倒れてもリハビリが合言葉。 指を動かせ。繋げろシナプス。甦れニューロン。
『あなたのとりこ』(バハラグ。薔薇の不死鳥)
その色は、彼女にとって、とても親しみ深い色だった。その色が放つ熱も、風も、とても慣れきった、身近にあるものだった。彼女はそれをとてもとてもよく知っていたし、また操ったし、その身にさえ宿していたから。 けれども。今。まんまるく見開かれた双眸の前で、それがみんなのおうちを呑み込んでゆくさまは、ちっとも嬉しいものではなかった。
炎が、王城を舐める。 場内の庭園にも火が及んでいるのか、ごう、と巨大な松明のような灯りが夜空に火の粉を飛ばす。怒号と、悲鳴と、破壊音。そして炎の躍動音。ほんの数日前まで、たくさんの大好きな人たちと暮らしてきた、おおきなおうちが、彼女の眷属である火によって蹂躙されてゆくのを、サラマンダーはなかば夢うつつのような眼差しで見つめていた。 周囲は敵に満ちているだろうに、闇夜に輝くその緋色の肢体を隠そうともしない。ただただ、呆然と地面に立ち尽くしていた。どうしてこんなことになったのか、サラマンダーにはちっとも分からなかった。彼女のいっとうだいすきなひとが、命令をくだしたから、それに従った。戦って、勝った。はずなのに。今やおうちは逃げ惑う人さえまばらな、炎と煤にまみれた最前線になっていた。 どうして勝ったのに燃えるのかわからない。どうして自分が行使すべき火が自分を苛むのかわからない。そして何より、どうしてだいすきなひとの姿が側にないのかわからない。もうなにもかもがわからない。 それは、他のドラゴンたちも同じだったようで。ずっと一緒に過ごしてきた仲間たちも、突然の事態に恐慌をきたしていた。何匹かは命令もなしに飛び去り、何匹かは敵に抗い命を落とした。そのただなかで、彼女も混乱の渦に飲まれそうになったとき、サラマンダーのやわらかそうな耳がぴん!と立った。喧騒の最中から、ほんのかすかな一筋の、だいすきな音を聞き取ったからだ。 そしてその音は、彼女に安堵をもたらした。
どす黒い煙をうちやぶるようにして、体中灰だらけになった青年が飛び出してきた。彼の足音を聞き分けたサラマンダーは、その姿を確認すると、安心と不安が一緒にやってきたと感じた。 彼は、今まで見たことがないほどぼろぼろのマフラーをまとい、擦り傷や切り傷、そこから流れる血を止めようともしていなかった。蒼穹の瞳は、今や苦しげに歪められ、きつく噛み締められた唇はその端が僅かに裂けていた。しかも彼はその肩に、幾人もの仲間を担いでいた。 自分より明らかに体格のいいパレスアーマー、血気盛んな弟分。しかも気を失っていることで、彼らの重量は一層増しているだろうに、ビュウは無言の意識の無い二人をサラマンダーの背にどう、と乗せるとまた煙を割って中へと駆け込んでゆく。そして更に何人かを運び出し愛竜に乗せている横で、どうにか自力で歩くことの出来る数人が、ふらふらとビュウに付き従っていた。己を支えるだけでぎりぎりだろうに、まだその肩に彼らもまた誰かを担ぎながら。 そうして二往復ほど済んだところで、漸くビュウはサラマンダーに向かい、声を出した。それは、今まで聞いたどんなビュウの声よりも掠れて、傷つき、荒い、痛々しいものだった。
「いいか、サラ。お前の翼に…この人数は、かなり、きついと思うけど。なんとか、飛んで、ここから離れてくれ。この中じゃあ、比較的、バルクレイさんとトゥルースの意識がはっきりしてる。二人の指示に、従うんだ。いいな?」 まだまだ幼い翼にずっしりとのしかかる重量。けれどそれよりもなお、ビュウの言葉のほうが胸におもたいと彼女は感じた。重みが痛みにさえなってきた背中を気にするよりも、サラマンダーはついきゅうんと甘えた声で、ビュウに鼻づらを寄せる。 その声に、ビュウはぱちくりと蒼穹の瞳を見開くと、危うく忘れてしまいそうになっていた笑顔を浮かべた。戦場には途方もなく似つかわしくない、けれどドラゴンたちが愛してやまない、ぬくもりがほのかに溢れ出すような微笑だった。ただ今は、そこに一欠けらの悲哀が硝子の破片めいて、紛れ込んでいた。 「俺?俺は……」 真っ直ぐに、己の愛竜に顔を寄せる。にっこりと、微笑み、この上なく優しい手つきで首を撫でてやる。わけなどわからない。けれど、途端にサラマンダーは泣き出したくなった。 「……プリーストや、ウィザードの皆が、まだ脱出できてないんだ。俺は、しんがりをつとめてくるよ」 明るい口調でそう告げるのを、サラマンダーの背中で意識もうろうとしていた、生真面目な弟分も聞きつけたらしい。慌てて我に返ると、既にぼろぼろな体に鞭打って、ドラゴンから身を乗り出しビュウを非難するように叫んだ。 「ビュウ隊長!そんな!!」 「サラ」 幾度となく、呼んでくれた名前。だいすきなひとの声。咄嗟に体は反応する。トゥルースの悲鳴じみた声も、遠い砲声や剣戟も、一瞬全てが凪いだように静まり返ったように思えて。じりじりとゆっくり身を焦がすはずの熱が、凍りついたがごとく、冷え切って。 ビュウはそっと愛竜に両手を添えると、言い聞かせるように、口を動かした。 「『いけ』」
気が付いたときは、カーナ城の遥か上空だった。自分でも、どうやってそこまで昇ることが出来たのか分からない。命令を受けて、体が勝手に動いてしまっていた。普段ではありえないほどの大人数をその背に負うているというのに、普段以上の急上昇をやってのけたらしい。 激戦の地も、もはや遠い。とびきり豪奢で残酷な松明と化した宮殿も、最早大地に集う蛍の群れのようにしか見えない。かくいうサラマンダーとて、地上から眺めれば赤い流れ星のようにしか見えないだろう。このまま何処か彼方へ飛び去ってしまえば、ビュウの命令をきちんと果たしたことになる。しかし。 どうしても彼女はいち早く飛び去ってしまうことが出来なかった。そうしようと思えば、すぐさま成せることだろうに。命令をきかないなんて、とってもいけないことだと分かってもいるのに。わかっているのに、わからない。やらなきゃいけないけれど本当の気持ちは。
どうしたらいいの?
たまらなくなって、ゆっくり、ゆっくり、寒いくらい涼しい空を旋回してしまう。敵に気付かれでもしたら一大事だというのに。わかっていてもわからない。そこから離れることが出来ない。網膜に焼き付いて離れないのは、ビュウの笑顔もだった。 つい先ほどだというのに、もう夢か幻のように現実感がない。命令を放つ際、ビュウの浮かべた表情。いまだかつてサラマンダーが見たことのない表情。 蒼い眼に刃の厳しさを宿して。痛みをのみこんで。煤まみれで。だのにたまらないほど優しい、微笑。
わたしはビュウがだいすきなのに、みんなもビュウがだいすきなのに。
従うべき命令。けれど、自分の中のもう一匹の自分が、喉も枯れよと叫ぶのが聞こえる。だめ、だめ、いけない。ビュウをあのまま置いていっちゃいけない。ビュウにあんな顔をさせたまま置いていっちゃいけない。でも命令は守るもの。ビュウの命令は守るもの。でも。でも。 ――どうしたら?
「……お前も、迷っているんですね」 意味もなく旋回を続けるサラマンダーの背中で、火の粉交じりの夜風を浴びたまま、ぽつりとトゥルースが呟く。翼が風を切る、ひゅう、という音が一際闇夜に響くようだった。ドラゴンの困惑を肌で感じ取り、その心情が現在の自身と同種のものであることを察し、トゥルースは口の端に軽く自嘲的な笑みを浮かべた。 「そう。命令は絶対のもの……けれど、私も、サラと同感ですよ」 その言葉に、彼女のやわらかな耳がまたもぴん!と立つ。自分を駆るまだ成長途中のナイトが、ある決意を胸に秘めたのに直感的に気付いた。すると背中から、またも一つ、声がする。まだ多少呼吸の荒い、それでも何処か楽しげな、低い笑い声だった。 「はは…は、トゥルース。随分、トゥルースらしくないですな」 「私もそう思いますよ、バルクレイ殿。平生の私が今の私を見たならば、何と無謀なことを、と顔をしかめるくらいでは済まないでしょう」 「しかし、私も賛成です。あのまま…ビュウさんを置いてゆくことは、出来ない」 「ということは、隊長に以後の行動の指揮を執るべく任ぜられた両名の意見の一致をもって」 「ああ。命令を」 「……了解しました」 もう起き上がることさえ大儀そうなバルクレイに代わり、トゥルースがサラマンダーの首元に座す。無言のうちに、二人の間には役割分担が完成しているようだった。多少は体に自由のきくトゥルースが、ドラゴンに命令を下し、動き回ることは出来ないが、最早意識さえ失っている他の面々が転落しないよう上からかかえることのできるバルクレイが彼らを守る。そしてサラマンダーは。 「いいですか、サラ。隊長のことです、他の皆さんを逃がす為、自らは囮となって敵をひきつけ、しんがりを守り通すことでしょう。できるだけ時間稼ぎをして。そして、時間稼ぎをする為に最も適した場所とは、最も空間の制約が少なく、動き回りやすく、なおかつ敵の目につきやすい場所――カーナ城の中庭です」 風に乗って囁かれる言葉を、一つたりとも聞き逃さぬよう、彼女は神経を耳に集中していた。それと同時に、次なる行動を予想し遥か下方にある、燃え盛る王城を見つめる。 「お前は私たちなどより、よっぽど目が良いでしょう。夜のもとでも、お前なら隊長の姿を確認できますね?隊長の姿を確認し次第、急降下し、ヘルファイアを。私も支援します。炎に炎をぶつけて一瞬、中庭に風を通し、その間に隊長を迅速に救助。―…叱責は、私が全て受けます。分かりましたか?」 くるぅる!と思いのほか元気の良い鳴き声が返されるのに、トゥルースは珍しく子供っぽく微笑んだ。少しそこには、苦笑めいたものも混ぜられていたが。 「全く、お前たちは!本当にビュウ隊長が、大好きでたまらないんですね……と」 ぴくり、手の下で、ドラゴンの筋肉の躍動が先ほどと異なることに気付いた。一定の角度に固定されたまま、風に乗り続けていた翼が、ばさりと力強く空を打った。どうやら予想通りの行動をビュウは取ったらしく、そして予想外に早く、彼の愛竜はその姿を発見したらしい。急激な気圧の低下や風圧に備え、体を低くドラゴンの背に伏せたその瞬間。痛いほどの風がトゥルースの頬を打ち付けた。酷薄な刃めいた風は、ビュウをおもってならない、ドラゴンの声なき慟哭のようだった。 この時偶然にも空を見上げた人々は、きらきらしく燃え上がる、美しい薔薇色の彗星が王城めがけて落下してくるのを、いかなる魔術のなせる技かと瞠目し、またその凄絶な煌きに一種の畏怖すらをも抱くこととなった。 彼女の瞳は、疾うからかの人の姿を認識していた。たった一人の、誰よりも誰よりもだいすきでたまらないだいすきなひと。一心にその姿のみを視界に入れ、ただ彼だけを見つめ。まっしぐらに翼を向けた。
(あなただけを)
ぐんぐんと迫り来る大地におののく間もなく、風に体を持っていかれないよう注意しながら、トゥルースは身を起こす。すると彼の目にも、中庭の大木を巨大な松明として、敵の将軍と対峙するビュウの姿が映った。恐らく相手もクロスナイトなのだろう、互いに双剣を手にしたまま、横たわる木々の残骸を挟んで微動だにしない。しかし今は、彼ら二人に炎の中、剣を交えさせるわけにはいかなかった。トゥルースは、もう酷く重くなった剣をどうにか握りなおすと、ちゃきり、構える。 サラマンダーが突進する。緋色の肢体からゆっくりと薔薇色のコロナが生じる。魔力の高まりを感じ、未熟なナイトも一度限りで失敗は許されない作戦に備える。 ドラゴンが吼えた。ナイトは裂帛の気合いを技に込めた。こちらの気配を感じ取ったビュウが、全てが赤く炎上する中にあってただ一つ真っ青に澄み切った瞳を見開き、愛竜の姿を真正面から捉えた。 焔の残像を尾と引いて、艶やかな薔薇が夜空を裂いた。
「……やれやれ、お前たちときたら」 ばさり、ばさり。少々お疲れ気味の翼が大きく上下している元から、ぽつりとビュウの声が漏れてくる。それもその筈、トゥルース一世一代の作戦により、彼の体はサラマンダーの足に掴み取られ、戦場から強制離脱させられることになったのだから。ふらふらと危なっかしげに空を揺られながら運ばれている。 半ばあきれたような、今にも苦笑が見えてきそうな声音に、いまだ背にあるトゥルースはひたすら縮こまるばかりだ。 「申し訳ありません、ビュウ隊長。しかしこれは私が決断を下したことであり、バルクレイ殿やサラに責任はありません。命令違反の叱責は、私一人がお受けしま―…」 「いいや。嘘は駄目だ、トゥルース」 お前らしくもない、と。かけられた思いがけないやわらかな声に、面食らったのはトゥルースだ。彼は本心から叱責も罰も、一人で受けるつもりだったし、他の誰も巻き込むつもりはなかった。作戦実行前に、全責任を負うと宣言もした。なのに上官である隊長は、穏やかにそれを遮る。 「サラが言ってるよ。『みんなで決めた』って。それに、たとえお前が一人で判断して決行したとしても、その決断は正しい。正直、あの状況から俺一人の力で脱出するのは不可能だったろうし」 「し、しかし命令違反はっ……!」 「結果的に俺は助かっただろ。無視してれば、確実にお前たちは無事に脱出できたっていうのに。わざわざ敵陣の真っ只中に戻ってきて、満身創痍なのにフレイムパルス打ち込んだんだから。それに」 さもおかしげな口調ですらすらとトゥルースの反対意見を撃墜していたビュウが、ふと意味ありげに言葉を止める。どうしたのだろうと腹ばいになって、サラマンダーの下側を覗き込むと、そこには悪戯っぽく微笑むビュウの姿があった。 「命令違反した時、マテライトに見られなかったんだろ?」 その一言で、全ての罪状は泡と消えた。城を脱出して初めて、漸くトゥルースの顔に心からの笑みが戻った。
「ほんと、お前ってやつは」 空中にゆらゆら揺られながら、ビュウはそっと腕を伸ばす。頭上が静かになったことから、どうやらトゥルースを含めて全員寝入ってしまったらしい。緊張の糸がやっと切れ、疲労がどっと押し寄せたのだろう。けれどそれでもビュウは、夜を愛竜と飛びながら、意識を鮮明に保っていた。 ぼろぼろになった手袋越しに触れるドラゴンの肌は、いつもと同じ少しふわふわとした心地良い感覚。何を考えるでもなく、無意識のうちに腹の辺りを撫でてやる。すると、恐らくこの場の誰よりも疲れきっているであろうサラマンダーが、さも嬉しそうに、くるぅる、と声を上げる。 ばさり。ばさ。乗員過多で、重量も当然過多で。更に徹夜の強行軍。流石に翼を動かすのも苦しげだというのに、その子はまだ安全な場所目指して飛び続け、少し撫でられるだけで喜んでみせる。そんな様子がいじらしく、いとおしく思えてならなくて、咄嗟にビュウは両腕を伸ばした。しっかりと足で掴まれているので、落ちることはないのだが、それでも急に動くのは怖いことだろうに。彼にはどうでも良かった。 「俺の命令きかなかったな?わるい子め」 ほんのりしかつめらしく言ってみるけれど、その口調に厳しさはこれっぽちも見当たらなかった。どちらかというと、芝居がかって、本人も面白がっているような風情で。 体格の差から言って、抱き締められているようなものなのだろうけれど、彼としては抱き締めてやる気持ちで。可能な限り広げた両腕で、愛竜を包み込む。 「―…いい子だ」
ぼろぼろに傷ついたビュウが、ふいに寄せられるありったけの信頼と愛情に、失ったものをおもって人知れず一雫、苦い水を落としたけれど。それは遥かな空に吸い込まれ、いずこか彼方へ消えてゆく。人とは違うあたたかさが、痛む体もこころも、すこしだけ、やわらげてくれた。 徐々に白んでゆくオレルスの空。昨夜の出来事など何事もなかったように明けてゆく。多くのものが変化してゆくその中で、揺るがず変わらぬものがただ一つ。 薔薇を宿したドラゴンが、ただただおもう、ただ一つ。
(うんと、うんと昔から。わたしはビュウがだいすきなの。ビュウがわたしたちをだいすきでいてくれるから、わたしたちもビュウがだいすきでたまらないの) (そう。ずっと、昔から。わたしはいつも、あなたのとりこ)
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