| 2005年02月15日(火) |
『シークレットテイル』 |
久し振りに乗り物酔いをしました。いや、あれは果たして乗り物酔い…? バスも電車も飛行機も新幹線もブランコも人も酔いますが船は平気という謎。
こんばんわ、はじめて知恩寺の手作り市行ってきました。もえぎです。 いままでタイミングが掴めず行けなかったのですが。念願叶いました。 長らくの願いであったため、叶ったぶん、とても楽しかったです! 東寺の弘法さんの市とはまた雰囲気が違っていて。 でも。とても素敵です。ええ、とびきりに素敵だったのですよ。 誰も彼もが何かを作ろうとしている生き生きとした呼気に満たされていました。 作ることを楽しみ、作ることをよろこび、作ることを分かちあっていて。 作るものも様々。紅茶、コーヒー、お菓子にパンは当たり前。 おつけもの、においぶくろ、パッチワーク、伝統工芸、編み物織物。 かばん、ぞうり、ブックカバー、キモノ、キムチ、マグネット。 スパイス、カレー、お豆のスープ、音楽、ことば、マッサージ。それに絵。 それこそなにもかも形あるものもないものも全て。 にこにこしながらその手がうみだすもの。
わたしにもそれはできない?
お菓子屋さんのおねえさんはハートの描かれた角砂糖をおまけしてくれた。 アイリッシュ・レースを編むおねえさんはアイルランド話で盛り上がってくれた。 雑貨を縫うおねえさんはブックカバーを内緒でべんきょうしてくれた。 様々な言葉を紡ぐおねえさんは言葉の楽しさを幸福そうに語ってくれた。 きょうはすてきな戦利品が形あるものないものたくさん。 なんてここちよいのかと思った。
だのにどうして帰りしにああも気分が悪くなってしまったのか。 よろよろしながら倒れこむようにバスから降りて、よく部屋まで帰れたもの。 胃の中身を戻したりしないで本当に良かった。 耳朶が少し腫れていたように思いましたが、じんましんでありませんように。 少し眠って目覚めて夕方頃、多少ましになりました。 しとしと鼓膜を打つ音に雨粒を知りました。 僅かな吐き気をおぼえながらもうすぼんやりとおもいます。 わたしはただ逃避ではないささやかな旅路にからだをぬくめることの出来るファンタージエンには遠く及ばないちいさなせかいとそこに住みあそぶこどもたちを産みたいのだろうと。
書かないでいると血が濁るように思う。 呼吸がおもたくなるような気がする。 だから毎日、何かを、重々しいノルマではなく、書こうとおもいます。 にちぇよりうんと低レベルな嘔吐感を胸に。 途方も無く怖くて痛くて悲しくて辛いことをしなくてはならない。
『シークレットテイル』(ポプ10カード四人組のうち残り二人)
何処ともしれない、森の中。またも赤い頭巾の娘さん。 けれどふわふわ巻き毛は黒髪で。何かをさがしているようで。 かぶりをめぐらすたびごとに、ふわりふわりとやわく揺れ。 ひょこりと彼女に気付いたものは、驚き顔の狼少年。
「どうしたの、あかずきんちゃん」 「まあ、狼くん」 「道にでも迷った?なら送ってくけど」 「ううん、違うの」 「じゃあ落し物?白い貝殻の小さなイヤリングとか」 「ううん、道も物も、何も失くしてはいないの」 「なら、何をそんなに探して」 「狼くんを探していたのよ」 「僕を?」 思いがけない言葉に、少し吊り目がちな瞳をぱちくりとした狼少年に、やっとさがしものを見つけた赤頭巾ちゃんは、りんごの花のように顔をほころばせた。にっこりと微笑む娘さんはまるで、赤い頭巾のスノーホワイトのようで。 「観覧車にも、レストランにも行ったでしょう」 「うん。僕の銀色自転車で」 「そしたら今度は、狼くんのお部屋を見せてもらうことになったでしょう」 「ああ。約束したね」 「だから今日は、お伺いしようと思って、たくさんお菓子をこしらえてきたのよ」 「それはもちろんチョコレート?」 「ええ。もちろんチョコレート」 「少し狭い部屋でも構わない?」 「ええ。ちっとも構わない」 「それじゃあ空でも見上げながら行こうか」
いつもの銀色自転車はないけれど、そのぶん、手を繋いで歩いてゆくことは出来る。照れ隠しなのかなんなのか、空のかなたを見やりながら、ああでも相部屋だからなあ部屋に相棒がいなけりゃいいんだけどそうでなきゃ何言ってくるかわかんないよあいつなんて憎まれ口をぶっきらぼうに叩いてみせるけれど。二人の顔が季節はずれのいちごみたいな色なのは、夕暮れの所為ではなくて。どちらもどちらもその気持ちはおたがいさま。 ひみつのせかい。ひみつのおはなし。あれもこれも、ふたりだけのひみつひみつ。 さあだからゆきましょう。ふたりのひみつでかんぺきなせかい。
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