日記

2003年09月18日(木) 『(タイトル未定)』←早く決めなさい



ごめんなさい、またオリ(略)一日で完成。所要時間は四時間くらい?
今までで一番短い。でも予想よりは四倍くらい長くなりました…。


こんばんは、目下の敵は睡魔。萌黄です。
今日はしっかり青写真をきめていた日。何時に何をするか!とか。
夕方までは完璧だったのに、日が落ちたら本読みながら寝てしまいました
うう、ごめんようヤマトタケルノミコト……。
レポート書くためにちゃっちゃか読まないといけませんのに。
でも重圧みたいのはありませんね。楽しいです。もっと、もっと学ばないと。

十二国記が気になる今日この頃。
NHKでアニメやってるのを見て、陽子さん綺麗ー、と感心していたのです。
他にも泰麒くん可愛いー、とか思ってたら、声はメリィさん。
つまり鋼のアル。してやられました(笑)
友人連中に詳しい人は居ないかと訊ねまくっていました。
でも萌黄にとって、作者の小野不由美さんは、実はよく知っている方。
しかし『作家さん』としてではありません。『コラムニスト』としてです。

むかしなつかし、ザ・スーパーファミコン誌。ソフトバンク刊。
スーファミ全盛期に萌黄がお世話になっていた雑誌です。
そこで小野さんはゲームコラムを書いておられたのです。
コラム、その名も『ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか』(笑)
とても好きなコラムだったのです。単行本も持ってます。
今日あらためて読み直してみると、やっぱりおもしろいんですよねー。
新ハードがささやかれはじめた頃、スーファミ・ラグナロク期。
いくら画面が綺麗になっても、容量が莫大になっても。
萌黄はあの頃が一番好きです。あの頃は本当にゲームがゲームだった。
技術の爛熟期。黎明と黄昏が背中合わせだった頃。
もしかしたらゲームはもう退化ばかりしているのかもしれません。
だから……各ゲームメーカーさま。『ゲーム』を、かえしてください。


ぽこぽこ延々オリジばっかり。今日は短めですので。
しかし文章切り詰めようと思えば、きっともっと切れますよね……。
書きながらも少し痛む胸をなんとかごまかそうとします。
ふっきれています。空白のスケジュールもなんのその。
でも。―…でもあなたが、また何か計画を企んでいるらしくて。
それを来週のライヴで明らかにする、なんて仰るので。
聞きたかったなあ、と思うのです。あなたの声で、その場所で。
あなたの音に、会いたい、なあ。と。
ええい今更言ったってどうにもなりません。負け組は素直に待つがいい。
わけのわからない繋げ方ですが、以下オリジ。
はると夕立、マリンドライブ(違)まだ題名が思いつきません…





『(タイトル未定)』

 海ぞいの急な坂道も。舗装しかけアスファルトなでこぼこ道も。おっきな川をまたいで弧を描く道も。ふるい街によくある、波みたいなジェットコースター道も。きょうはぜんぶコースからはずそう。
 ひらたいひらたい、ドライブにでかけよう。

「はい。準備できたよ」
 ペダルに片足かけて、もうかたっぽは地面をふみしめて、体勢をととのえて。さんさん太陽をさらり・こきん、とそらす銀色の自転車は夕立の愛車。こしかけたまま、すこし重心をぐぐぅっと土にのせると、車体ははるに軽くおじぎするようにかたむいた。
 いつもならここで、はるが後ろ向きになって、自転車の後部座席によいしょ、ととびのるのだけれど。そして夕立は、服の腰らへんをきゅうと引っ張られる感覚をおぼえてから、大地をけってふたりのりドライブをスタートさせるのだけれど。彼がずっと待っていても、きょうはなんの動きもつたわってこなかった。
 不思議におもって振り返ると、彼女はなにやらたくらみ風味の笑みを浮かべ、キャラメルを口にふくんでいるかのように、にこにこしている。
「?どうし…」
「あのね。きょうは、ちょっと乗りかたを変えたいの」
 問いかけようとした夕立の声をめずらしくさえぎって、わくわくが指の隙間からぼろぼろ零れているはるが告げる。そして、言い終わらないうちにひょいっとからだを浮かせるものだから、宙を躍るゆたかな黒髪巻き毛が、ひどくあざやかに夕立の網膜にやきついた。
 ぽかんとした彼の見ているまえで、はるは後部座席に横乗りになってみせる。ここまではいつもと同じなのだけれど、きょうはこれからがはじまりらしかった。
 座ったまま、よじよじ体をうごかすと、すこしずつ角度を変えてゆく。スカートの裾をたくしたくし、ととのえながら、うごいて、うごいて。ついには、すっかり夕立と背中あわせになってしまった。つまり自転車逆乗り。流れる景色が前をとぶ、走る方向とすっかり反対に顔を向ける、どこからどう見てもかなりあやうい体勢。なのに彼女は至極満足顔で、すっかりぴん、と伸ばしきってしまっている両足をぷらぷらさせて、その動きにあわせてお気に入りの歌を口ずさみはじめるしまつだった。
 当たり前のことながら、こんな体勢のまま、夕立がペダルをこぎはじめるわけなかった。

「危ないよ。そんな風に乗っちゃ、転がり落ちたら大変なことに」
「ううんだいじょうぶ。落ちたりしないから」
「だって持つところないじゃないか。体がささえられない」
「取っ手ならほら、ここにあるもの。だからだいじょうぶ」
 いくら肩ごしに説き伏せようとしても、はるはだいじょうぶ、の一点張り。自分が腰かけている座席をしっかり握りしめてみせると、これでささえられるから、と逆に夕立を説得しようとする。しばらくこのどっちしているのかされているのか分からないネゴシエーションは続いたが、だんだん自転車をささえている足がしびれてきた夕立がしぶしぶ折れ、はるの願いをききいれた。
「危なくなったらすぐ言って。すぐに止まるから」
「うん。ありがとう」
 最後の抵抗として、注意と心配の釘を一本さしておくと、そのおもいをくんでいるのか、はるも素直にうけとめた。
 はあ。と、小さく息を吐き出すと、彼はそっとキャスケットをかぶりなおした。きゅ、とつばをととのえると、このうえなく真剣に、地球を蹴り上げた。背中にとん、とかるいぬくもりを感じた。

 予想外のぬくもりに、夕立は一瞬びくりとするほどおどろいた。しかし状況を理解するのに、そんなに時間がかかったわけでもなかった。
 答えは単純。はるだ。
 成る程。自転車に背中あわせに乗るならば、風をよけるためにもバランスを取るためにも、相手にもたれかかったほうが安全な体勢といえる。ただでさえぐらぐらしやすい座りかたなのだから、少しでも楽ができる方法をみつけたなら実践しない手はない。
 けれど何も言われず、いきなり背中にぬくもりを感じたなら。ふつうかなりびっくりする。
 走行中にもかかわらず、夕立はおもわずうしろへ目をやろうとしてしまう。でもやっぱりそれはキケンな行動。彼にとっても、彼女にとっても。ちょっとでも動こうものなら、それははるのバランスを崩すことにもなってしまう。そもそも自分の背中によりかかった彼女はちいさくて、自分にかくれて見えやしないし。ゆえに彼はあきらめ、言葉もないまま、静かにペダルをふみしめた。
 口の端にしてやられた微苦笑をのせて。ゆるやかな道をさがして。

 かたたん、たたん。振動ともいえない微かすぎる揺れだけが、彼女の体をゆっくりくるむ。瞳を閉じて、もたれかかって。彼の温度と風を感じる。はたから見れば危ない!と怒られるのは必至だけれど、はるはどうしてもこうやって乗りたかったのだ。ほんの一回っきりでいいから。
 だってこんなゼイタクなことないもの、とやや不安定な揺り籠のなかではるはおもう。
 おしゃべりしながらふたりのりも、もちろん楽しい。でもこうすると、世界がまったく違って流れておもしろいし、なにより彼の背中がひとりじめできてしまう。自分をすっぽりつつんでしまうおおきな背中は、とてもひろくて、あたたかで。うもれてしまうようだった。
 耳元をくすぐる風はさんざめきながら、おとがいをなで、鎖骨をすりぬけて、遠く、かなたへ飛びさってゆく。微かに彼のかおりを残して。
 濃い草いきれに眠るようだった。春の野でころんと横になったらきっとこんなの。元気な青草はやわらかく、まけじと花もさきほこる。ごっちゃになったパレットみたいににぎやかな、かおりの競い合いに飲みこまれてしまいそう。その中にちょっとまじったぴりりと苦いのは、煙草のにおいかもしれない。けれどもそれが余計に春のかおりを際立たせて、あざやかなものにしてしまう。そんな。彼の。
 ちらり、と瞼をおしあげてみると、細い視界から夕立のとってもおもたい鳶色の髪が見えた。向かい風にそよとしか揺れない、とってもとってもおもたげな髪。灰色の帽子からのぞくそれは、やや伸びすぎのきらいがあるけれど、本人はあまり頓着していないみたいで。ただ、やたら目の中に入ってくる前髪だけは、ちょっと気になるらしいけれど。
 こんな風にしみじみと、しかも間近で彼の髪をながめることなんてなかった。だからそのクセのない真っ直ぐさとか、伸びすぎているだとか、ささいなことに今頃きづけて、それがどうにもうれしくってならない。
 とん、ともう一度あらためてもたれなおす。双眸は閉じて、笑みを灯したまま。おんども、かおりも、ぜんぶが新鮮でとっても近く。だから危ないなんてはるは欠片もおもわなかった。そうでなければああも『だいじょうぶ』と言い切らない。

 あなたの背中にいるから、あなたが背中にいるから。
あぶないことなんてひとつだってないから。
 だってあなたがいるのだから。

 きらきら瞼の裏でかがやく真理。それが何があってもだいじょうぶな彼女の理由。淡い微笑みを消してしまえるものなんて存在しない。そして消してしまおうとおもうものも存在しない。
 

 ほのかなぬくもりにすっかりはめられてしまった彼は、ゆっくり、のんびり、走り続けた。おたがい何もいわなくても、きょうはそんな日。
 急勾配の坂道も。熱でゆがんだぐねぐねアスファルトな道も。横たわる半月な道も。シャンパンタワーみたいにだんだん畑の道も。きょうはとおらないでおこう。

 かたたん、たたん。単調な音しかいない、まったいらな道を行こう。



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