誰も、私の気持ちなんてワカラナイ。
苦しいとか 痛いとか 嫌だとか
そんな気持ち、伝わらない。
他人を見渡すと、凄くお気楽そうにみえる。 こんなに困っている私を尻目に、彼らはいつも笑っている。 でも、それは、綿100トンの苦しみなんだ。
私が持っている苦しみは、鉄100トンの苦しみ。
一見、重そうに見えるけど、実は同じ重さ。 固い表面に触れることで、冷たい痛みを感じている。 柔らかな綿は温かく、それには痛みがないように思える。 一緒の重さなのに、身に食い込む固さで、私はつらいと感じてしまう。 綿はかさばるから一度にたくさん持てず、何度も何度も往復する。 そんな彼らの苦しみを知らず、私だけが嫌な気分になっていく。
一人でいると、どこまでも食い込んでいくよ。
持ってあげよう。 彼らの綿を持ってあげよう。
持ってくれた。 彼らが鉄を持ってくれた。
綿に包まれた鉄は、身に食い込むことなく、なぜか温かかった。
|