金曜の夜、父が唐突に言った。
「日曜日、エアコンの工事するから」
本当に唐突であった。 私的に言うとエアコンはつけて欲しくない。 エアコンがあると、どうも体調が悪くなるのだ。 冬場、寒ければストーブやコタツで十分だし、 夏場、暑ければ窓を開ければいい。 田舎では都会のコンクリートに囲まれた状況と違って、それなりに過ごしやすい。
でも、父は言うのだ。 「母さん、暑いの苦手だしな」
年をとったんだな 不意に思ってしまった。 気がつけば、父もあと2年で60になる。 いつまでも若くないということを知ってしまった。 一緒に住んでいると感じにくいことだ。 ふと、寂しくなってしまった。
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