原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2005年07月05日(火) 本当のことって〜音楽とコンプレックス

★1: 本当のことって
★2: ギターを売った
★3: 音楽とコンプレックス(?)



★1: 本当のことって

@ケータイ

本当のことって、なかなか書けないものなんだね。

以下、いつのまにかかなりのネタばれも含みつつ。
(なので『バルバラ異界』を楽しみにしている人は、この先を読まないでね)

!!!!ネタばれ注意!!!!

!!!!ネタばれ注意!!!!

!!!!ネタばれ注意!!!!

!!!!ネタばれ注意!!!!


『バルバラ異界』のキリヤが、自分(わたし、里花)の息子(=自分にも、なんだけど)似ているような気がする、それだけで泣けてしまう、とか。

あのショウユ顔は、わたしも属している種族なんだ。

タカとモモタローの髪型が似ている。
これも同じ種族?
で、実は杏野丈さんがネタになってたりして。

「ジェノサイド(大量虐殺)が起きなかった夢」。
本当に、リアルのこの世界でも、わたしが生まれて物心ついてからニュースで知っただけでも、あれらの虐殺が起きていなかったら。
萩尾望都は実はこっそり、メッセージを送っているんではないのか。

あれっ?
キリヤ(タカ)は、明美さんの髪型だったのか?

世界を救う代償に、どんどん老化して死んでゆく青羽。
3世代の記憶が、彼女にとって唯一の救い。
彼女が茶菜と同化していたことで、菜々実も救われた……のかも。

100年先の自分の息子に、わたしは郵便を送ることができるかな?

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★2: ギターを売った

ギターを売った。
といっても、今までろくに弾いていなかったやつ。
モーリス・Tornade。
査定してもらったら、なんかかなり良い状態の楽器だったらしい。
しかもかなり弾き込まれてもいたようなので、前の持ち主は丁寧にじっくりと使っていたらしい。
(わたしは埃だらけなのをきれいに拭いて弦を張り替え、一度だけステージで使ったけれど後はほとんど弾かなくなってしまっていた)
丁寧に弾き込む人に、再び出会ってほしい。

あと、売ってしまいたい楽器。
彼女と二人で一緒にお金を貯めて買ったキーボード。
彼女はわたしと一緒に音楽をやることはなかった。
ていうか、わたしがなんか彼女を決定的に傷つけてしまって、彼女に「こいつ(=わたし)と一緒には音楽やらない」って決意させてしまったらしいんだけど。
わたしにしてみれば、いったい何がそんなにひどかったのかわからないし、彼女には裏切られた、と感じた。
一生愛していこうと思っていたけれど、音楽は別の誰かとでなければできないのか、と思うと寂しかった。

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あ。
ケータイでは文字数が限界。
つづきを、もしも書くならPCで。
(05/07/06追記:PCにて編集した)

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★3: 音楽とコンプレックス(?)

@PC

「音楽一緒にやる、やらない」ということを、急に詳しく思い出してしまったのには、たぶんわけがある。
今はここに詳しくは書かないけれど、きっとわたしは「やり直し」がしたいんだろう。
ふふ。どこまで行っても未練がましいやつ>自分

思い出すままに。
彼女と結婚してからちょっとの間、「もしかしたら一緒にできる音楽もあるかも?」という気がして、やってみようとしたことがあった。
けれど、わたしはまたもや彼女を傷つけてしまったらしい。
で、彼女はあくまでわたしの音楽活動を「見守る」だけの人となった。
わたしもそのことを受け入れ、そういうかたちでこの人と一緒にやっていこう、と思っていた。

けれど、実はそれ、わたしにとってはとてもさびしいことだったのではないだろうか。
もちろん、彼女にとっても、だけど。

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もしかしたら、彼女には根深いコンプレックスのようなものがあったのかもしれない。
わたしはそのことに全く気づかず、彼女は強くて無謬(常に正しい)の人だとしか思っていなかったから、わたしからすれば全くなんでもないことなのだけれど、彼女にとっては傷つけられることになるようなことを、わたしはいろいろ言ってしまっていたのだろうと思う。

たとえば……
わたしは4年制の大学に通っていた。
けれど彼女は、志望する大学は落ちてしまい、専門学校に通っていた。
わたしはそんなことにこだわる必要なんかない、と思っていたし、彼女が専門だからといって見下した覚えもない。
でも、きっと「こだわらない」だけではだめなんだろう。
むしろ、そのことにこだわって、気を遣って扱うようにしてあげるべきだったのかもしれない。

それに、たとえば……
わたしは自分の父親は大嫌いだったけれど、父親の職業はとても尊敬していた。
その裏返しで、ふつうのいわゆる「サラリーマン」という職業については、……これは明らかに「見下していた」と思う。
ひょっとしたら今でもそうかも?
いやいや、そうではない。
他人が会社や役所などの組織に入ってその一部として働くのは、ぜんぜんかまわない。
というか、わたしだってサラリーマンやったことはあるので、そういう立場で働くことがどれほど大変かはわかるし、そうやって組織の一員として働くことに誇りも幸せもある、ということだってわかる。

ただ、わたしには結局「向いていなかった」。
あ、そうか。これも裏返しのコンプレックスで、葡萄の実に手が届かなかった狐が「あの葡萄はまずいんだ」とうそぶくのと同じなのかも。

わたしは、就職ができない人。
しても、ぜんぜん長続きさせることができない人。(最長6年)
……かといって、自営業を自分で営むなんていうセンスも能力も、ない。
わたしは人並みにちゃんと働いて、自分にかかるお金くらいは自分で稼ぐ、ということがまともにできない人。

そう思いながらも、彼女と一緒に暮らし、子どもができてからは子どもの分も何とかしていくために、わたしは合計10年ほどは「サラリーマン」として生きた。
「向いていない、できない」と思いながら。

結局、壊れてしまったわたし。
お金がなくなって生きていけなくなるのも怖いけれど、どこかの組織に入り込んで壊れるまで働くのも、怖くてできない。
(ていうかそれ以前にわたしみたいなひどい人間を雇ってくれる会社なんかこの世に一つもありませんから〜 残念〜〜!<もう古いよね)

その裏返しで、「サラリーマンなんて」と見下すような態度をとったわたし。
そのまた裏返しで、そうやって見下される範疇に自分の父親も(もしかしたら自分も?)入っていることで、わたしからコンプレックスを植え付けられた、彼女。

今思うと、なんてくだらないことをやっていたんだろう。

……音楽については、どうなんだろう?
学生時代には、実は貧弱な根拠しかないのだけれど、音楽についてだけは妙なプライドがあった。
「自分はうまいんだ、自分の音楽のセンスは良いんだ」と。

ええと……
なんだか、書いていることが微妙に間違っているような気が。

音楽についてのプライドも、実は「正規の音楽教育を受けていない」というコンプレックスの裏返しだったのかも。
でも、実は関係ないんだよね。
売れてるミュージシャンがみんな音大卒、なんてありえないし。

いやそれはわかっていて、その上で「理論知らなくても先生についてなくても、自分がいちばん!」と、昔は思っていたのではないか。

今は、どうなんだろう。
わたしよりもずっとセンスの良い若い子がいっぱいいるし、わたしが途中で音楽やらなくなってしまっているうちに、しっかりと活動を積み重ねてすばらしい音楽を創り出しいる人もいっぱいいる。
比べたら、勝てない。

……音楽は、勝ち負けじゃないんだよね。
誰も認めてくれなくても、わたしにとってベストになれば、それでいい。
「正しい音程」とか「正しいリズム」とかいうのは、ちょっとした礼儀でしかない。
しかも、そういうものだって必ずしも必要とは限らない。

わたしは、わたしの音を出し、わたしの歌を歌う。

それしか、できないから。

(わたしはよく「頭がいい」と言われるけれど、いくらどんなに知識があっても、わたしにとっては無意味。
それでより良く生きられるわけじゃないし、そういうものを生かして働くことだって、結局できなかったじゃん。
「知識がない」とか「頭が悪い」とかいうコンプレックスのある人は、もしかしたらわたしに対して腹を立てるかもしれない。
「そんなに知識があるのに生かさないなんてもったいない!」と。
でも、わたしは思う。「わたしのどこが頭いいわけ?」と。
頭良ければ、こんなにややこしくて下手くそな生き方してないよ。
もっと要領よく、お金をたくさん稼いで余裕のある責任ある生き方してるよ!)

ああ、どんどんネガティブになっていく。
今日はもう、やめよう。

信じられるものは、一つだけ。
それは、音楽。

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