原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2002年04月12日(金) 改名申請しました

★1・改名申請しました(やっと(^^;)
★2・その後、Fくんと話した



★1・改名申請しました(やっと(^^;)

今、[17:15 02/04/12]です。

つい今さっき、改名申請のため、地元の家庭裁判所に行ってきました。

かなりあれこれ用意していったんだけど、

「コピーでないものは受け取れません。返却できないので」

とのことで(あらら、そういえばこれ、誰かから聞いたことがあった)
かなり夥しい量の「資料」は提出しませんでした。

結局、提出したもの

-----以下正本-----
・申立書
 (600円の印紙と80円切手15枚を添付)
・戸籍謄本(←実は今では「謄本」という言い方はしないのだそうで、
 「戸籍内容全部証明書」というのが、電子化してからの正式名称だそうです)
・性同一性障害の診断書
-----以上正本-----
-----以下自作資料-----
 ↓コピーというよりうちのばりゅちゃんからプリントアウトしたもの
・心情陳述書(自問自答のようなかたちで)
・その補足(詳細下記のほう)
-----以上自作資料-----
-----以下コピー-----
・コンビニの名札と給与振込先の通帳
・ハガキ(コピーだったのは県で主催した「翻訳文学のシンポジウム」のお知らせ兼整理券;
 会場で提出してしまうことになり、慌ててその場でコピーさせてもらった)
・日本語教師養成講座の採点表
 *実はこれ、「通称名」でも資格がとれてしまうので、証拠能力は低い;
  たぶん家裁でも気がつくと思う(-_-; ・「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」


次のようなことを書いた文書を、「心情陳述書」とは別に「補足」として書いた。

---------------------------------

補足:

 申立て人が現在受けている、「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第2版)」(以下「ガイドライン」と略します)に則った
医療機関一覧を以下掲げます。

精神療法(第一段階):             ******クリニック        (地元)
内科的(ホルモン補充)療法(第二段階):  *****クリニック(往診専門)   (東京都)
                 および      **産婦人科医院         (地元)
(一行削除m(__)m)

(ここに、まだ改訂されていないけれど「EON/W」にあった用語集から
必要最小限の用語解説をコピペ)

 上記の用語およびガイドラインに沿って言えば、
申立人は「トランスジェンダー」の内「性転換症」の「MtF」である、ということになります。

---------------------------------

受付の係員さん曰く
「今、人事異動したばかりだし、4月だからあと2週間でゴールデンウィークに入ってしまうから……」
要するに、「急ぐ気持ちはわかるけれど(少しは待ってください)」
ということでした。

私の場合「結婚歴がある」ということがそれなりにネックになってしまうかもしれないけれど
(まだなお、世間の偏見は強いみたいですねー……)
それについても「心情陳述書」で触れているので、それでもだめだというのなら、
私は法学士の学士号、捨ててもいい。
(ま、お情けでもらったような学士号だから、あんまりえらそうに見得を切っちゃいけないだろうけど……)

以上、ほぼ10分くらいで終わってしまいました。


帰りの車の中で、つけたラジオが「G線上のアリア」を流していました。
といっても、ジャズ系のアレンジになってます。
MJQだか誰かピアニスト(プレヴィンじゃないほうのジャズピアノでバロック弾いちゃう人(^^;)で
そういうアレンジのを聞いたことがあるので、
「ああ、おなじみの音……」と思って、
それはそれでゆったりした気持ちになれるからよかったな、と思ったけど、
なんとなんと、途中からコーラスが入ってくるじゃないの!!
これは初めて聞いたものです。
元がゆっくりした曲だから、
全体にロングトーンのハミングで和声を聞かせていくだけなんだけど、
私はその音に、
とても安心感を与えられてしまったのでした。

偶然からの贈り物。
ありがとう。

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★2・その後、Fくんと話した

実は今日、なんだかわざとそうしてでもいるかのように
いろんなことがらが重なって、とても忙しかったのだ。

一人で昼間いると、外回りの営業の人がよく来る。
(たいていは私にとってあまり用がある内容じゃないんだけど……)
その中にたまたま、「太陽光発電」の業者さんがいたのだ。
器材を購入するのに、それなりにお金がかかるけど、
私たちが住んでいる家はとても日当たりが良いので
(冬でも晴れていればほとんど暖房が要らないほど!!)
もしかしたら「元が取れる」かもしれない、と感じられた。
で、その話をしたら、世帯主であるFくんはやけに乗り気になって、
営業の人を彼がいる時に呼んで、
あっという間に話を決めてしまったのだった。
実は私たちの家は、最近できたばかりでたぶん幹線道路になるであろう道路に面していて、
広告用の看板とかつけるにはもってこいの立地だ。
だから、業者さんにとっても、うちはある種「宣伝」になるのだった。

で、今日、その業者さんの関連の業者さんがいろんなことを調べにきたのだった。

ところが、その前には私は別の用事をやっていて……
ていうか、こんなに早く来るとは思わなかった戸籍謄本(正確には「戸籍内容全部証明書」)が届いたので、
改名申請書に添付する文書(前の記事参照)を急いで仕上げていたのだった。

私は、それらのことをいちいちFくんに電話で報告した。
後から考えると、なんだか迷惑なことしてた、と思うけど……
(確か、全部で7回か8回は電話してた、Fくんの職場に……)

そうこうする間に、食材屋さんが来て、
私はそれを受け取って冷蔵庫に入れてから、
家庭裁判所へ出かけたのだった。

帰宅してからも、まだあたふたしてて、
……ふと気がつくと、

鍵がないのだ。

これ、確か昨年もやったぞ?!……
とか思いながら、探しているが、見つからない。
Fくんに「この後また出かけます」とかメール送ってしまったのに、
これじゃ玄関も戸締まりできないし、車も運転できない。
何度も何度も難度も納戸も、1階と2階をくるくるいったりきたりしながら、
探す……けど、ない。

途方に暮れているうちに、Fくんは帰ってきてしまった。
「なんだ、いるじゃん」っていう感じ。
で、私、半泣きになりながら、
「鍵がないのよー……」

Fくん、本当に、優しい。
私が探すのを手伝ってくれた。
私が自分で探しても、盲点になっているところがわからなければ、
絶対に見つかるはず、ないのだ。

で。
Fくんが手伝ってくれたら、
あっという間に鍵は見つかってしまったのだった。

Fくん、ちょっと最近仕事が大変で(某「み」で始まる会社のせい、というのもあるらしい)
彼が帰ってきたのは8時すぎ。
それなのに、私の鍵を探すのも手伝ってくれたし、
私が「薬がないよぉ(;_;)」といって夕ご飯(今日はころころ酢豚)を作ろうとしないので
自分で作り始めそうになって、
やっと私が「あ、じゃ、私やるから」と言えるように促してもくれたし。

食後、明日はお休みなのでゆったりまったりすごしているFくんと、
いろいろ話すことができた。
私「あなた、私がこの家から出ればいいと思ってるでしょう?」
F「なんで?」
私「実は黙ってるけど、あなた、いい人いるんじゃないのー?」
F(爆)
私「ほらそれ、図星笑いだー!」
F「違う違う、そんなのありえないから大笑いしちまってるんだよー」
私「でも、出てってほしいとは思ってるんでしょう? あなた、一人暮らししたことないから、
一度くらい一人暮らししたほうがいいかもね」
F「自立してほしいとは思ってるんだよ」
私「そりゃ私もわかってるわよー、いつまでももつわけないもんね?
 だから私、しっかり改名できたら、就職するつもりだよ!
 あ、ていうか、とにかく何かお金がもらえるような仕事するつもり、ってこと(^^;」
……
以下、私「やっぱり出ていってほしいと思ってるでしょー」F「(爆)」……とかいいながら
じゃれて(FくんにとってはDVみたいなもの?という気も。うう(-_-;;)
それから私はお出かけして、今、ここにいる……某ファミレス。

いろんなことを話せるようになって、
とても嬉しい。
今は彼にすっかりおぶさっているようなかたちになってしまっているけど、
あの小さな子どもだった頃と同じように、
これからもお互いに屈託なく笑いあえる関係でいたい。

私には、Fくん、彼が存在することが、
とても幸せなことだと思う。

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