samahani
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2003年03月07日(金) 事故らない(未然) 1

それは、月曜日の朝のことだった。久しぶりにマイナス10度にもなり寒かった。私はいつものように息子たちを学校まで送って行った。下の息子を中学校まで送って行った帰り道、幹線道路から細い道に曲がろうとしたのだが、その角の路面が凍っていて曲がり切れず、曲がろうとしていた道路の反対車線の前まで行って停まってしまった。そのときは幸いどこにもぶつからなかったのだが、すぐ後に後ろから来た車に追突され、大きな衝撃とともにバンパーが欠け車がへこんだ。

それから後のことは思い出すと本当に腹立たしい。相手の女性は黒人だったので年齢が分かりにくかったのだが、 under 18 だそうで、もしかしたら高校もドロップアウトした16才だった可能性もある(12年生は車で登校できるので、学校に行く途中だったのかもしれないが)。「免許証を見せて」と言っても頑なに拒否し、「私は under 18 だから、親の許可なく免許証を見せることは出来ないのだ」と、本当かどうか疑わしいことを言い張る。もちろん保険の種類も番号も見せない。警察が来るまでこのまま動かないと言って、曲がり角の他の車に邪魔になるところに居座っている。私も彼女も携帯電話を持っていないのでどうしたものかと途方に暮れていたら、通りがかりの人が「電話してあげようか」と声を掛けてきた。

この寒いのに、朝も忙しいのに、いつ来るかわからない警察を待たねばならないなんて。追突しても「ごめんなさい」も「申し訳ありません」も言えず(それがアメリカン・ルールなんだけど)、「あなたが悪い」と言い張り、自分の名前や電話番号も言わずに、こっちの名前や電話番号を聞き出そうとする「ちょっと、あんたっ、なによっ!!!」な、ふてぶてしくて、とても18には見えない黒人の女に、私はぶち切れだったのだ。

「帰りたかったら帰っていいよ、私は待ってるから」と彼女が言う言葉の裏に「どーせ、あなたは待てないんでしょ(ふんッ)」という強気な態度が見えて癪に障る。私は、馬鹿正直に「免許証はある?」って訊かれて、「持ってない」と応えていたのだ。どっちみちムコウも見せなかったんだから、わざわざ無いなんて言わなくてもよかったのに。

いま思い返せば、いろいろ腹立たしいのは、咄嗟の時に適切な判断や処置が出来なかった自分自身に対してである。
例えば、名前と電話番号を書いてと差し出された紙切れに、私は自分の情報を書いたのだが、まだ相手の名前や電話番号を聞いていなかった。どうして、「あなたが先に教えるべきでしょう? 書いてくれるまで書かないよ」と言えなかったのだろう。どうして、しつこく相手の保険会社や保険の番号を聞き出さなかったのだろう。

結局、その後、相手の名前と親の名前、電話番号を聞き出して、私は警察を待たずに家に帰った。警察を待たないのは、よくないことだろうとは思ったけれど、もうその時点で30分は経っていたのだ。

家に帰って、まず最初に、紙切れに書かれた相手の自宅の電話番号に掛けてみたら、それはFAXの番号だった。

(続く)







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