キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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Jと会った。 丁度一ヶ月ぶりくらい。 いつもは君が私の住む街に来てくれるけれど、 今回は旅行も兼ねて私が君に会いにいく。
君はいつもの笑顔で待っていてくれた。 私は3時間半かけて、いつも君に会いにゆく。 私が到着する駅のホームで待っていてくれた。
街を歩いたり、写真展を見たり、飲みに行ったり。 歩いているとき君はいつでも手を繋いでくれて、 君は私より先を歩いてくれる。
そして夢だった遊園地デート! 凄く凄く幸せだった。 君は私の恋人で、いつでも横に居て、 何をするのも何を食べるのも一緒で、 全てが楽しくて全てが美味しくて、 たくさん写真を撮った。 Jも写真や動画をたくさん撮っていた。 アトラクションの待ち時間がものすごく長かったけど Jはどこでも構わずはぐやちゅぅをするので 周りからみたらうざいカップル(死語?)だったかもしれないけど たまにしか会えない僕らなので、始終くっついていた。
今回の旅は2泊3日だった。 3日目はお別れが哀しくてだんだん沈んでしまった。 Jが、 「はるが、お別れする前の顔になってる。笑」 と言った。 「それってどんな顔?」と聞くと、 「笑顔が80%になる。」と言っていた。
Jの横に居ると、他の男の人は誰も私には合わないと思ってしまう。 私にはJしか居ないと思ってしまう。 恋愛中の恋人たちは、常にそう思ってしまうのかもしれない。 どんなに「私にはこの人しかいない。もうこれ以上愛する人など現われない。」 と思っていても、いずれ別れがきたら、新しい恋を見つけて、 幸せになることができるだろう。
でも私は思う。ただ、今思う。Jしか居ないって。 それがきっと恋の病気で、でもおそらくそれで良いんだと思う。 「この人しか見えない」病で良いんだと思う。
思い出が増えるほど、別れが辛くなる。 今回の旅行でも思い出が増えた。 そしてもちろん、実際の「物」の思い出も増えていく。 二人で撮ったプリクラとか、写真とか、 おそろいのネックレスとか、おみやげとか。 そういうものが増えていく。 増えるたびに、「いつか別れが訪れたら、私はこれをどうするんだろう。」 と頭の片隅でぼんやりと考えてしまうことがある。 人間は予想してしまう生き物だから。 考えても仕方の無いことだけれど。
お別れの時間が来た。 いつもの駅のホーム。 今回は旅行のお土産がたくさん。 座ってお土産を整理していると、Jが後ろから抱きしめてくれた。
時間が来たので電車に乗った。 デッキで、最後のお別れのはぐをした。 私はやっぱりまた泣いてしまった。 「すごく楽しかったよ。ありがとう。」と言うと、 「オレもすごく楽しかったよ。」と言ってくれたので私はまた泣いてしまうのだった。 私が泣きながら「ばいばい。またね。」と言うと 「今度はディズニー行こうね。9月も会おうね。」と言ってくれた。
泣きながら席に着いた。また涙が止まらない。 もっとずっと一緒に居たい。 Jがもう、隣には居なかった。ただ哀しかった。
お別れをした後、私はとても悲しくなるので 「とても楽しい本」を買ってから帰ることにしていた。 今回は、「きょうの猫村さん」(漫画)にした。 Jが買ってくれた。
電車の中、一通り泣いてから「きょうの猫村さん」を読んだ。 また頑張ろう。 この恋がどう続いていくのか、終わるかなんて分からない。 ただ今はJを愛そう。
思い出が重くなるのが怖くて先に進めないなんて そんなこと言わなくて済むように。 彼を大切にしよう。
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