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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年01月14日(月)
鼻水警報絶賛発令中。


椿三十郎を観てきました。つまりその話をするのでネタバレです。
元の方の作品を見た事はありませんからその新作だけを見て何を語った気でいるんだと思われる、そういう方もいらっしゃるでしょうが御愛嬌です。十人十色です。

コミカルな笑いが所々に鏤められて、特に倉之助たん(きもいきもい)の可愛さなど何度でもツボに入ったりしてしまいますが、全体的にテレビで見る時代劇と大差があるように思えず、面白かったですが映画館で見なくてもよかったかなと。
作中人物に関しては先ず若侍達の浅はかさが終始目に付きます。どうしてお前らはそこまで馬鹿なんだ。熟慮乃至裏読みを出来る奴の一人もいないのか。
そんな彼らが危なっかしいと椿は行動を共にしますが、それにしても裏切るんじゃないかと冷や冷やされたり実績があっても策を信じて貰えなかったりする奴らをいつまでも面倒見たいものでしょうか。自分はだいぶ序盤の方で突き放してやりたくなります。それともこれがヒモと付き合う女性の心理の一つでしょうか(え)。

それから椿三十郎本人、自体の、こう、骨組みと言いますか、信条とか、内面があまり伝えられないのでピンと来ず、先の面倒見の良さ含め行動の理由に納得し辛い。
尤もこれは元々の方も彼を掘り下げた面が無いようなので仕方が無いのでしょうが、個人的には何がありその剣の腕を持ち流浪しという過去を、矢張り気にしたくなります。
例えば御夫人の毒気無さに憧れている面を見せつつも、結局幾らでも人は切るしそこに躊躇いも喜びもあまり感じられないので、彼自体は何処に準拠するのか。多様性があると言えばそうですが。
そう言った意味ではトヨエツの方がキャラ立ちしていたと言いますか、しっくり来る。寧ろ彼と手を取って二人で、という話も見てみたい。
そして終幕、事が終わった後去って行くのも判らない。風来坊だから、流離人(いや造語ですが)だから、確かに嗚呼とも思うけれど、折角念願の飯がある席さえとんずらしてしまうのか。礼を言われるのがむず痒いだけやも知れませんが。

全体的に明快な構成と笑いのバランスがいいとは思いますが、矢張り敢て映画館で無くともいいかなと。もっと言えば一時間に短縮してただの時代劇ドラマでもいいかなと。
お前何様w


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