Days without the end





Sad  2007年10月15日(月)
こんなに切ない想いを、
まさか自分がすることになるとは。

こんなに悲しい想いを、
まさか自分がすることになるとは。

涙を堪えて、バイバイする。
涙を堪えて、電車に乗る。

大好きな人が住む場所は、
どんどん離れていく。

その事実が、その現実が、
もどかしく、悲しく、また涙腺を刺激する。



遠距離恋愛。

10月から彼氏は東京に行ってしまった。
あたしの家からは電車と新幹線を乗り継いで、3時間以上。

遠い。
遠いよ。


将来のため。
彼氏の夢のため、たかだか半年。
応援するしかない。

がんばるのは彼氏で、苦労するのも彼氏。
あたしは辛くても、悲しくても、弱音は言わないと決めた。

重荷になりたくないから。
がんばる彼氏を、追い詰めたくないから。


だけど平気だと思った。

たかだか半年だし、どうしても会えないわけでもない。
がんばれば、月に2回は会える。


でも昨日、彼氏の家から帰るとき、
思いがけない切なさと悲しさに襲われた。

次に会えるのは1ヵ月後。
1年10ヶ月付き合ってきて、
1ヶ月も会えないなんて一度もなかった。
だからそれが不安で、寂しくて切なかった。


それでも涙は見せれない。
泣いてしまえばちょっとは楽になれたかもしれない。
けど見せたくなかった。
彼はあたしの涙を見てもどうにも出来ない。
わかってるから、泣けない。


涙を堪えるあたしを知らず、
彼氏が「一ヶ月かぁ・・・」と呟く。


その寂しそうな声に、また涙が押し寄せる。


駅へ向かう車の中で繋いだ手。
駅が近付くにつれて、
あたしの手を握る彼氏の力が強くなる。

それがまた、切なさと寂しさを刺激する。


誰も知らない街で、
独りぼっちになる彼氏を置いて、
あたしは電車に乗らなければいけない。


置いていくあたしの切なさと、
置いていかれる彼氏の寂しさ。

二つが重なり、言葉が出なくなる。


「どこで下ろそう?」とロータリーの入り口で言う彼氏。
「ここでいいよ」と精一杯の声を振り絞って言うあたし。

バイバイの言葉も言えず、目も合わせる事が出来なかった。
顔を見てしまえば、泣いてしまうのがわかってた。


車を降りて、唇を噛み締め涙を堪える。
振り向いてあたしは手を振った。


今まで生きてきて、一番切ない瞬間だった。


これから会う度、この切ない気持ちで別れるんだろうか。
そう思うだけで、たかだか半年の遠距離が、
とてつもなく大変で、辛い事に思える。

それでもがんばるしかないんだ。

その後に待つ大きな幸せの為に。



writer ヒロコ  

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