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しもさんの「気になる一言」
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2017年03月18日(土)
補助金をもらうと高い確率でおかしくなります

書籍「観光立国の正体」
(藻谷浩介・山田桂一郎共著・新潮新書刊・265頁)から。
「『観光立国』の裏側」と題した、おふたりの対談は、
正直、耳が痛くなることばかりであった。
「事業単位ではなく、地域単位で永続的な活動を進めるためには、
住民主体の公的な経営組織が必要だと考えています」
「補助金をもらうと高い確率でおかしくなります。
そもそも、自立していくために稼ぐことも真剣に考えて、
実践しているところでなければ、何しても自滅します」
「観光振興でよくありがちな集客のための補助金でも、
しっかりしているところは、マーケティングの精度を上げるために、
普段は出来ないような広域的な基礎調査や
オープンビックデータの解析等に使うことで、
次の産業展開に繋がるようにしていますが、
ダメなところは、すぐに『プロモーションが大事だ!』とか言って、
宣伝や広告、広報だけに使ってしまって終わっています」
ここまで言い切るには、データ分析や、現場に入っての経験値が、
前提にあるに違いない。
各種団体の補助金の使い道、見直さないとなぁ。(汗)



2017年03月17日(金)
「クラムポン」「リップヴァンウィンクル」

映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」(岩井俊二監督)から。
タイトルに惹かれ観始めたが、180分という長さを感じず、
切ない気持ちが胸を占領して観賞を終えた。
ストーリーから外れてしまうが、ネットの話になると、
どうしても。実名で登録するFacebook以外の「SNS」で使われる、
ネームが気になって仕方がない。
たとえハンドルネームとはいえ、本人にとっては、
ずっと使っていくネットの世界での名前だからこそ、
何も意味がないわけがない、と推察する癖がついているから。
黒木華さん演じる、主人公は「クラムポン」。
木管楽器製作のフランス企業「ビュッフェ・クランポン」か、
氷や氷化した雪の上を歩く際に滑り止めとして靴底に装着する、
金属製の爪が付いた登山用具(アイゼン)の別称である。
なぜその名前を使ったのかは、ちょっとわからない。
また、タイトルになっている「リップ・ヴァン・ウィンクル」は、
Coccoさん演じる「里中真白」さんのハンドルネーム。
これは、アメリカの小説家ワシントン・アーヴィングによる
短編小説、および主人公の名前なのたが・・・。
「主人公にとってはいくらも経っていないのに、
世間ではいつの間にか長い時が過ぎ去っていた」という例えから、
「アメリカ版浦島太郎」と呼ばれているらしい。
アメリカ英語では「時代遅れの人」「眠ってばかりいる人」を
意味する慣用句にもなっている「リップ・ヴァン・ウィンクル」。
これが、ストーリーにどう絡んでいるのか、実に興味深い。
う〜ん・・私には、まだその全容が見えてこない。(汗)



2017年03月16日(木)
竜宮小憎としては、まだまだだなぁ

NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」から。
とりあえず毎回観ているが、なぜか、もの足りない。
何か視点を変えないと年末まで続かないかも・・と
やや心配になって、キーワードを探していたら、
やっぱり「竜宮小憎」に辿り着いた。
「竜宮小憎」とは、静岡県浜名湖周辺で語り継がれている伝説で、
人が困っていることを、知らぬ間に手伝ってくれる謎の存在。
ドラマ内でも「柴咲コウ」演ずる「次郎法師」(おとわ)が
誰にも気付かれず、影で支える役として「竜宮小憎」を目指すが、
次郎法師(おとわ)が関係していることが分かってしまう。
そんな場面、彼女はこんな台詞を残して照れ笑いする。
「知られてしまったとは・・」と前置きをして、
「竜宮小憎としては、まだまだだなぁ」と呟く。
「人の役に立てる人間になりたい」と思うだけでも立派なのに、
「知らぬ間に」「誰にも気付かれず」を条件に入れるところが、
「竜宮小憎」のカッコいいところなのかもしれない。
このコンセプトを年末まで持ち続けられるのか、
ちょっと心配しながら、もう少し観続けてみたい。



2017年03月15日(水)
「遊び人くん、だめじゃん」「遊び人くん、上手いね」

第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)
2次ラウンドは、なぜか妻と一緒にテレビ観戦。
彼女の中では、野球でもサッカーでも、スポーツ全般、
日本人チーム同士が戦う国内試合には全くと言っていいほど、
興味がないらしく「国際試合」だけ、驚くほど燃える。(汗)
大事な場面では、テレビの前で正座をしながら応援しているし、
普段見たことのない文字が画面に出ると、必ず訊ねてくる。
今回は「坂本・遊」の「遊」が気になったらしく、
「ねぇ、あの『遊び』って何?」と、真面目な顔して。(笑)
「あれは、遊撃手の「遊」、ショートという守備のこと」とか
「その『ショート・ストップ』を『短遮』と訳したのは、
あの俳人、正岡子規なんだぞ」とか説明しても、
全然、耳に入っておらず、彼女の中では「遊び人の『遊』」。
だから、坂本選手が凡打すると「遊び人くん、だめじゃん」、
いい守備をすると「遊び人くん、上手いね」と私に話しかけるので、
その度に、私は笑いを堪えて、ただ頷くしかない。
ただ「どうして2塁と3塁の間には、遊び人くんがいるのに、
1塁と2塁の間には、いないの?」の問いには、答えられなかった。
基本、どこを守ってもいいんだよ、と説明しようと思ったけれど、
これ以上、詳しく話すと余計に混乱するだろうから、諦めた。
ただ妻と話していると、私の発想が乏しいことが分かって面白い。
枠にハマらないって、こういうことなのかもしれないなぁ。



2017年03月14日(火)
世の中の価値観を変えたいのよ

映画「ファクトリー・ガール」(ジョージ・ヒッケンルーパー監督)から。
ドラマの主人公は、タイトルにもあるように
「アンディ・ウォーホルが立ち上げたスタジオ・ファクトリー」で
人生が変わった女性、イーディ・セジウィックなのだが・・。
今回の気になる一言は、映画の冒頭の何気ない会話に隠された
「ポップ・アートの旗手アンディ・ウォーホル」評であった。
ある男性が呟く「彼は、凡才の奇人だとさ」
ある女性が答える「世の中の価値観を変えたいのよ、
そういう人は、苦労するものだわ」
そうか、彼の活動の目指すところは、既成概念を振り払い、
世の中の価値観を変えようとしていたのか・・とメモをした。
その欲望が、彼の奇怪な行動となって、
スタジオ・ファクトリーに反映されていた、と言ってもいい。
主人公の女性も「名家の令嬢」という価値観を捨て、
ドラッグに蝕まれた末、わずか28年でその生涯を閉じたのだから、
アンディ・ウォーホルの狙いに、ハマってしまったことになる。
しかし「世の中の価値観を変えたい」という行動は、
私にもちょっとだけだが、理解できる気がしていた。
奇怪と見られるほどの行動力は、きっと、この一言にある。



2017年03月13日(月)
お風呂に入りたくても入れないよ

昨晩は、久しぶりに夜更かしした。(笑)
原因は、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)
2次ラウンド初戦のオランダ戦。(東京ドーム)
夕食後、ワインでも飲みながら・・と観始めたテレビは、
手に汗握る好ゲームで、気がついたら日付が変わる直前。
一緒にテレビ観戦していた妻が、ぼそっと呟いたのは
「観客の人は、帰りたくても帰れないね」。
その台詞を横で聞いていた私は、こう言い返した。
「(俺は)お風呂に入りたくても入れないよ」
翌日、東京出張で、いつもより早く起きなければならないのに、
まだ、お風呂にも入れてない、困った・・の気持ちで。
普段なら午後10時頃には眠たくなるのに、昨晩だけは、
監督・投打のヒーローインタビューを聞いてからお風呂に入り、
それからもなんだか興奮して、なかなか寝付かれず朝を迎えた。
今こうして昨晩を振り返り、この試合を思い出すには、
小久保監督が口にした「死闘」も候補だったけれど、
やはり「日付が変わる直前まで続いた、WBCの試合」を、
思い起こさせるフレーズはこれだな、と思ったから選んだ。
私が、東京ドームで観戦していたら、どうしていただろうか?(汗)
次の日、東京出張だから、きっとどこかで朝まで飲んでたなぁ。



2017年03月12日(日)
この歌を輝かしたのは、君が届けた「イキガミ」です

映画「イキガミ」(瀧本智行監督)から。
国家繁栄のために、選ばれた若者に死亡時間が書かれた
「逝紙(イキガミ)」が配達される。(24時間後)
物語の設定としては、めちゃくちゃなのだが、
それを前提に考えると、なかなか考えさせられる作品である。
原作は、コミック「イキガミ」(間瀬元朗作)。
気になる一言は、その中の1人、田辺翼くんが
限りある時間の中で熱唱する「道しるべ」が、感動を呼ぶ。
「イキガミ配達人」の主人公が、
「死の宣告」が自分の仕事ということに悩んでいたところ、
上司役の笹野高史さんが、自信をつけさせるように言い切った。
「この歌を輝かしたのは、君が届けた『イキガミ』です」
黒澤監督の映画「いきる」で、主人公が癌を宣告された時と同じ。
人間、何かきっかけがあれば、輝けるのに・・と思う。
それが、死を宣告される「イキガミ」でなければ、もっといい。
そんなことは誰でもわかっている。しかし、現実は難しい。
その場では感動してもまたもとの生活に逆戻り。
この結末も、映画「いきる」と同じではないか。進歩したい。