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しもさんの「気になる一言」
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2016年10月29日(土)
そのお仲間が一番信用できないんでね

映画「アンフェア the end」(佐藤嗣麻子監督)から。
警察内部の権力組織をネタにした作品は、映画に限らず、
作家・横山秀夫さんの小説でも人気がある。
どの作品にもリアリティがあり、もしかしたら本当に
こんなことがありえるかも?と思えてしまうほど、巧妙だ。
だからこそ、残したい台詞もメモも増えてしまう。
今回は、ちょっと皮肉っぽくこの会話を選んだ。
「事件に関する情報を一番先に教えてくれ」と頼むシーン、
篠原涼子さん演ずる、雪平夏見がこう切り返す。
「警察にはお仲間がたくさんいるんでしょ?」
それを受け、佐藤浩市さん演ずる、一条道孝が、
間髪入れずに、こう答えた。
「そのお仲間が一番信用できないんでね」
志を同じくし、仲間だと思って一緒に行動していた人たちが、
実は対抗勢力だったりすることもあり、最近、
新聞紙上を賑わしている事件は、内部告発が多いのも頷ける。
作品内、何度も出で来る台詞、
「私はあんたを完全に信用したわけじゃないからね」が輝く。
「人を信じる」ことがテーマの「アンフェア」は、
「何度、人に裏切られても、お前は人を信じた。
たとえ口では、信じないといっても・・
悲しいくらい優しいな」のフレーズで、ほっとさせられた。



2016年10月28日(金)
ここでは必要以上に親密になっては、だめ

書籍「炎上する君」(西加奈子著・角川書店刊・198頁)から。
書き出しの「あなたは太陽の上に住んでいる。空で活躍している、
あの太陽ではない。『太陽』という名の、中華料理屋である」
伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」の書き出し
(春が空から降ってきた)を、彷彿とさせた。
短編のひとつ「ある風船の落下」は、面白かった。
地上の生活で「人間関係」などのストレスに耐えかねた人々の体に、
ストレスに代わり空気が入り込み、浮いていくという設定。
地上を飛び抜けた彼らは、誰かと特別な関係を持たない限り、
一定の距離感を保つ限りで、安定された環境が約束されている。
「人を信じたり、心を寄り添わせようとすると、重力が発生するの。
だから、ここでは必要以上に親密になっては、だめ」と、
先輩の「風船病患者」から、助言を受けるのたが・・。
疲れ、痛めつけられたはずの「地上」の人間関係が、恋しくなる。
やはり「誰かと心を寄せ合って生きていきたい」という想いが、
ひしひしと伝わってきて、いい話だった気がする。
西加奈子さんって、とても可能性を感じる素敵な作家だなぁ。



2016年10月27日(木)
(情報は)近くに落とさず、とにかく遠くへ投げる

講師「高野誠鮮」氏
(日蓮宗僧侶・地方創生アドバイザー・立正大学客員教授)
演題「限界集落を救った『スーパー公務員』のチャレンジ」から。
テレビや新聞、その他多くのメディアで紹介されている方の
講演を聴くチャンスに恵まれた。
「ローマ法王に献上された神子原米の誕生秘話と奮闘記」だが、
私たち地方公務員の枠を超えた仕事ぶりは、羨ましい反面、
このやり方では組織も何もないな、と心配にもなった。
いくつかのメモから、私が参考になったのは、情報発信の方法。
「日本人は近い存在を過小評価する傾向にある」として、
「AP・AFP・ロイター等、16か国に配信」したこと。
言い換えれば「外堀作戦」。(情報の逆輸入ってことかな?)
「情報は外から内側に、出来るだけ遠方に投げる」という視点は、
とても参考になった。
「情報発信力がない!」と悩んでいるのならば、
「(情報は)近くに落とさず、とにかく遠くへ投げる」
最初から、世界に向けて発信する・・これだな。

P.S.
実は、与えられたチラシに書かれていた演題が気になった。
自分で自分のことを「スーパー公務員」なんて言わないだろうから。



2016年10月26日(水)
ナチは、人間より絵を大事に扱っている

映画「ミケランジェロ・プロジェクト」
(ジョージ・クルーニー監督)から。
監督本人が、「監督・製作・脚本・主演」を務めて
伝えたかったことはなんだったのだろうか?
「第2次世界大戦中の実話を映画化したサスペンス」、
そんな紹介に、やや疑問を持ちながらの鑑賞となってしまった。
「歴史的財産が消え去ろうとしています。
我々は戦争に勝つでしょう。しかし美術品や文化財が破壊されたら、
取り返しがつきません」
「上層部の考えは、戦争で大勢死ぬ。美術品なんか知るか」
「でも、それは違う。我々が戦っているのは、
文化や生き方を守るためだ」
「偉大な芸術品は個人が所有すべきではない、人々のものだ」
「美術品は歴史であり、歴史は『命の蓄積』だ」など。
だからこそ、戦争やテロはいけないことなんだ、
そんなメッセージなのかもしれない。
しかし、私の心に残ったのは、
「ナチは、人間より絵を大事に扱っている」のフレーズ。
あれだけ残酷な戦争をしたナチス・ドイツのヒトラーが、
その「命の蓄積」を大事に扱っていたことのほうが、
インパクトが強い。
今、私たちがヨーロッパ絵画を始め美術品を堪能できるのは、
ヒトラーが大切に扱っていたから・・と知ってしまった。
「ネロ指令」で、ヒトラーが死んだら、橋、鉄道、公文書、
美術品を破壊せよ」ということになっていたとしても。



2016年10月25日(火)
子どもにとって、とっておきの読書の場所

先月家族で出かけた、京都旅行には目的地があった。
期間限定の特別公開「大徳寺」を拝観したあと、
さらに、私の希望の1つだった「京都御苑」へ。
以前、読んだ書籍「京都図書館紀行」で見つけた「森の文庫」。
メモした紹介文は「豊かな森の中にひっそりとたたずむ、
とっておきの読書の場所」だった。
今年のG.W(5月4日〜5日)に企画・運営した
「柿田川公園ブックフェス」で目指したのは、この雰囲気。
新緑と紅葉の季節が素晴らしいのは、誰もが認めているから、
敢えて、それを除く季節の雰囲気が知りたかったし、
シンボルとなっている「森の文庫」も、じっくり観察できた。
地元金融機関の寄付によって設置されたという本棚は、
4月から11月の午前9時から午後4時まで、開館していて、
なんと4面に設置された「本棚」は、全て「シャッター」付き。
雨や湿気を嫌う本のため、雨の日は「シャッターガラガラ」、
その心遣いが嬉しかった。
配架されている書籍名まではメモできなかったけれど、
「森の文庫」にふさわしく「植物」や「昆虫」の図鑑もあり、
今、捕まえてきた「虫」を調べたりするのだろう。
やはり、そういった自然学習が楽しいよなぁ、子どもにとって。
あらためて「柿田川公園を読書スポットに・・」という想いが、
強くなったことを記しておきたい。



2016年10月24日(月)
沼津港へはどうやって行けばいいですか?

ローカルネタで申し訳ない。
柿田川公園に訪れていた人たちに、写真撮影を頼まれ、
シャッターを切ったあと、ちょっびり公園内の案内をした。
東京から訪れた観光客で、三島駅から源平川のせせらぎを歩き、
柿田川公園まで歩いてきたという。
このあと、沼津港へ行って美味しい魚料理を堪能する計画らしい。
やはり、第一・第二展望台からの湧き間には、大いに感激し、
国道1号の真下から・・という説明には、不思議がっていた。
さて・・と一息ついたあと、一番答えにくい質問を受けた。(汗)
「沼津港へはどうやって行けばいいですか?」
旅慣れた人たちにとって、名所から名所を繋ぐルートは、
あるものだと思っていたのか、
三島駅か沼津駅まで戻っていただいて・・の説明に
「わかりました」と言いながらも、実は「え〜」って顔をしていた。
この辺りが、観光という視点での広域連携の未熟さを感じた。
行政単位で制作される観光パンフレットは、
税金を使っているという観点から、近隣市町の情報を載せにくい。
訪れる観光客の立場から言えば、せっかくだから、
三島も、沼津も、長泉にも足を伸ばしたい、というのが本音だろう。
すべて自分のまちで完結することはありえないから、
観光客を少しでも長く引き止める策を考えるよりも、
お互いの名所を紹介しあう方が、結果的に喜ばれるんだろうな。
観光客にとっては、長泉のクレマチスの丘も、三大清流の柿田川も、
「三島」そう思っている人が多いに違いない。
それでも、来てもらえるだけでありがたい、そう感じる今日この頃。



2016年10月23日(日)
相手は宇宙だ。協力的じゃない。

映画「オデッセイ」(リドリー・スコット監督)から。
宇宙を題材にした映画は、けっこう好きで飽きない。
任務遂行の途中、トラブル・アクシデント・ハプニングが起き、
想像もつかない方法でその危機を乗り切るパターンは、
結果が判っていても、ハラハラドキドキの連続で夢中になる。
今回は「火星」に取り残された主人公が、科学・植物学を駆使し、
生き残って、仲間と再開し地球へ帰還する設定。
だからこそ、帰還後、どんなメッセージを私たちに届けてくれるか、
その主人公の体験談が、私のメモの対象となった。
「よく聞かれるのが、1人置き去りにされて死ぬと思ったか?、
ああ、もちろんだ。覚悟しとけ。君らにも起きる。
相手は宇宙だ。協力的じゃない。ある時点で、人間を見放す。
君は言う。『もう終わりだ』『僕は死ぬ』と。
それを受け入れるのか、闘うのか。そこが肝心だ。
まずは、始めるんだ。問題を1つ解決したら、次の問題に取り組む。
そうして解決していけば、帰れる。」と講義をする。
一度に多くの問題を同時に解決しようとするな、と諭してくれた。
とにかく目の前に起きている問題の解決に集中することが、
生き残る秘訣だ、と彼は言い切った気がする。
「相手は宇宙だ」のフレーズ、ちょっとカッコいいなぁ。